2009年5月16日土曜日

映画『HAZAN』

2003年 監督:五十嵐匠
BS2 録画


HAZAN [DVD]

日本の近代陶芸の開拓者、板谷波山の伝記。
冒頭の榎木孝明とその教え子が窯の炎を見つめるシーンや、宿での南果歩の縦にリズムを取った変な舞とか見て、見るのやめようかと思ったけど段々面白くなってくる。

美術学校を卒業して故郷で教師をやっていた板谷(榎木孝明)は、授業で陶芸の指導をしたことをきっかけにして陶芸家になることを決意する。31歳。
結婚もしているし小さい子供が3人もいるのに。
東京の田端に質素な工房を構えて、長い貧困生活が始まる。

家族よりも陶芸にしか目がいっていない波山を見て、妻のまる(南果歩)が何度も絶望の表情をする。
それでも波山を献身的に支え、子供を守り、そして極貧なのにさらに子供をこしらえる。えっ。
盲目に陶芸の道に突き進む波山も、生活のために夫の作業を手伝う妻も、どちらも狂気に近い。
特に妻が凄い。
家族の生活がかかってるからね。何が何でも成功してもらわないと困る。
だから妻のなりふり構わぬ狂気が一番美しい。
1000円!!ぶぅへーん!

波山は器形にこだわったため、自分で轆轤を回さずに轆轤師を雇っていた。
最初の轆轤師の深海三次郎を演じたのが柳ユーレイ。
たけし軍団の人たち(出身含む)は揃いも揃っていい役者が多いのだけど、中でも柳ユーレイは飛びぬけて面白い役者だな。
この捉えどころの無い存在感は他には思いつかない。
髭が渋い。
ちなみに今は改名して柳憂怜らしい。

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