2010年12月23日木曜日

映画『小さな村の小さなダンサー』

2009年 監督:ブルース・ベレスフォード
at ギンレイホール


Mao's Last Dancer (Movie Tie-In)

2000年に製作の『北京の自転車』と併映するってことは同じ監督なのかと期待してみたものの、撮り方があまりに普通すぎるのでがっくりする。
監督は『ドライビング Miss デイジー』とか撮っている人だな。
中国人ダンサー、リー・ツンシンの半生を追った映画で、舞台は中国とヒューストンが主だが、製作はオーストラリア。
毛沢東の文化政策によって11歳にして両親と引き離されたリー・ツンシンと舞踏学校の仲間達に「こんなとこ嫌いだ」と言わせ、優しかったチェン先生は反革命分子として捕らえられ、アメリカ人が毛沢東をミャア主席と呼び、まるでアフリカの原住民が都会に出てきたかのように描き、資本主義を礼賛し、中国領事館は国際的に非難されるような非常識な行動を取り、リーの母親は「お前達が幼い息子を私達から奪ったんじゃないか!」と叫びってそんなの中国で製作が許可されるわけないか。

主演は英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団のプリンシパル、ツァオ・チーで、バレエシーンは本格的に堪能できる。
ちなみに青年時代はメルボルンのオーストラリア・バレエ団の中国人ダンサーで、少年時代は中国体育学校出身の少年が演じている。

両親との十数年ぶりの感動の再会シーンではリーが遠目から見ると衣装が白いブリーフ一丁で踊っているようで、これでいいのか、と思うが「本格的」なのでいいのだろう。
父親が「なんで裸なんだ?」と突っ込み「こういう演出なんだよ」というやり取りもあり。
母親の涙にはぐっとくる。
息子はブリーフだけどね。

江青により推進された「模範的」バレエはこの映画で見る限りなかなか面白かった。

原題はMAO'S LAST DANCER。

理不尽な事には徹底的に抗う弁護士が頼もしくもあり、映画としてはつまらなくもある(『北京の自転車』を見た後だからなおさらに)。

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