at ギンレイホール
![瞳の奥の秘密 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51n231%2BWuAL.jpg)
刑事裁判所を引退した男ベンハミン(リカルド・ダリン)は25年前の凄惨な事件を題材に小説を書こうとしていた。
当時の職場を訪れるとかつての上司イレーネ(ソレダ・ビジャミル)が彼を迎える。
この年下の上司の女性とベンハミンは何やらただの上司と部下ではなさそうな関係。
そこから過去と現在が交互に描かれ、25年前の事件とは何か、上司との関係は?等々次第に明らかになっていく。。。という書いてしまうとなんてことはない話に思えるけど、これが面白い。
スペイン/アルゼンチン映画。
アルゼンチンでは歴史的大ヒットだったらしい。
冒頭のモザイク?がかった映像とか目のアップとか、なんか芸術志向の監督なのかと思って微妙な感じがしたけど、段々気にならなくなる。
瞳の奥の秘密ってことで、カメラの手前に物や人の後頭部をピンボケ状態で映し出して被写体を覗き見るようなショットが執拗に繰り返され、見る、覗き見るという行為を弥が上にも意識させる演出。
見つめすぎてばれたり、ばれていないはずだったのに靴紐結ぶ行為すら見られていたり、大きく開いた胸元を一心に覗き見たり、見られているから柱の影に隠れてたり、見られたり聞かれたりするからドアを閉めようとしたり、見られていることを意識して銃を見せたり、見られることを恐れて写真立てを倒したり、覗き見たらでかい檻があったり。
それは誰でもないカメラという視点にまで広げて。
サッカー場のシーンでは犯人を追いかける手持ちカメラの緊迫した1人称視点、そこからいつのまにか誰でもないカメラ視点に移行していたり。
ああ、そう、このサッカー場のシーンの入りってCGなのかなぁ。フィールドから観客席まで上空からビューンとカメラが飛んでいってしかもその一瞬で見事にゴール決めているし。
もう忘れてしまったのだけど冒頭はベンハミンとイレーネだったのかな。
モラレスとリリアナ・コロトだと思っていた。
列車に乗り込む男をただ立ちすくんで放心したように見つめていた女が走り出した列車に意識を取り戻して必死にホームを走って男を追いかける、ってこんな情熱的だったらこの女は男を失った今、もう生きていけないのではないだろうか。
te moからte amoへ。
Aが壊れたタイプライターがそう繋がるか。
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