2004年8月11日水曜日

映画『雄呂血』

1925年 監督:二川文太郎
BS2 録画


Talking Silents3「雄呂血」「逆流」

自分はただ正義という信念に基づいて動いているだけなのに・・・
人々の安直で卑怯な心がいつしか久利富(阪東妻三郎)にならずものというレッテルを貼る。
なにをやってもひたすら誤解されるだけの久利富の苦悩は深い。誰も自分のことを分かってくれない。
純情すぎる久利富は心底惚れ抜いた女性にすら誤解を受け、彼の信念は無情の世間にむき出しにさらされ削られていく。

阪妻の初期の作品。当時24歳。
日本映画史で言えばこれまでは一人斬っては見得を切るという立ち回りだったが、この作品からばったばったと大人数と乱闘するチャンバラ劇が始まったらしい。
してその大立ち回りは荒々しい力に溢れてスピード感と迫力ともに魅了される。押しては引いてのリズムの心地よいこと。

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