2004年8月28日土曜日

映画『シンドバッド虎の目大冒険』

1977年 監督:サム・ワナメイカー 特撮:レイ・ハリーハウゼン
BS2 録画


シンドバッド虎の目大冒険

黒魔術使いだかただの間抜けなママハハだか分からないおばさんによってヒヒにされてしまったカシム王子。
王子の妹からそのことを聞いたシンドバッドは友のため、恋人のため、立ち上がった!
でもシンドバッドにはどうすることもできず、伝説の使えない賢者を探しに旅立つ。って話。

登場人物にしろ怪物にしろ間抜けすぎて、間抜けすぎる分一角の巨大原始人が哀れ過ぎる。
今まで見てきた怪物は現れてはただ倒されていく存在だったため、一際愛らしかった巨大原始人の悲哀が胸を打つ。
こんな自己中心的な人間とかいう種族に関わったがために・・・

ちなみに巨大なサーベルタイガーみたいな怪物はカーリ像に匹敵するくらい強い。
普通のサーベルタイガーですら薄っぺらなサーベル一つで戦えるとは思えないのに、このサーベルタイガーは巨大な上筋肉むきむきなのよ。
予想通り軽く引っかかれて血だらけになるシンドバッド達。勝てねーよ、絶対。
でもそこは作品に通低している間抜けさが解決してくれるのだな。

シンドバッドや乗り組み員はビージーズのギブ3兄弟かと思った。
でも後で調べるとシンドバッドはジョン・ウェインの息子だったみたい。顔が既に思い出せん。



さて、今更だけどレイ・ハリーハウゼンについて。
彼が作る怪物は着ぐるみじゃありません。ましてやコンピューターグラフィックスでもありません。
見事なセンスで造形された人形です。
合成は、俳優達の演技をフロント・プロジェクションだかリアプロジェクションで投影しながら人形の動きをコマ撮りしているようです。
骸骨騎士と人間が剣で戦うなんていうシーンも撮影できます。
この、実写とストップモーションを合成する技法をハリーハウゼンは「ダイナメーション」と名づけました。

一コマずつ撮るということは動きに残像もできず、かくかくした不自然な動きになります。
だけどこのかくかく感がなんとも不気味でかっこいいのだな。
CGのように手触りのない怪物でもなく、着ぐるみのように中の人間を感じさせることもない。全く別の生物が確かに存在している。
熱狂的なファンがいるっていうのも納得できます。

シンドバッドシリーズ3作の中では「七回目の航海」が面白いかな。どきどきさせてくれたし。
でも「黄金の航海」のカーリ像も必見だし、「虎の目大冒険」の笑いと悲しみとセミヌードも必見か。

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