2004年8月29日日曜日

映画『稲妻草紙』

1951年 監督:稲垣浩
BS2 録画


作品中の恋慕の図式
木暮実千代(1918生)→阪東妻三郎(1901生)→田中絹代(1909生)→三国連太郎(1923生)

実年齢がばらばらのくせにたいして違和感が無い。
田中絹代なんか42歳くらいだったのか。三国の恋人役でも自然に見えるから凄い。

そういえばバンツマが喋っているのって初めて見たかもしれない。サイレントでしか見たこと無かったから。
しっかし驚いた。見事なまでの男っぷりで。
それは例えば石原軍団とか北島一家のような美学に基づいた男らしさでは無くて、バンツマという人間が自然に醸し出している男らしさなのだ。
繊細な柔らかさと熱い力強さが同居する。
時に少年のように純粋で時に全てを射抜くような視線を放つぎょろっとした目。
柔和な表情とおどけながらもきりっとした立ち居振る舞い、セリフ回しの妙と優しい声。
男だのぉ。

若造で生意気な三国なぞお強いバンツマさんがぶっ倒してくれるかと思いきや、三国も結構いい奴で、しかもバンツマより三国の方が強いという設定みたいで、なんか不満。

ラストの立ち回りはスピード感よりじりじりと詰め寄るどちらかといえば地味な立ち回りだった。
バンツマも圧倒的強さでばったばったと斬り倒すことも無く、例えどれほど強かろうが三人以上と戦えば無傷でいられるわけが無いという現実に近い戦い。
いや、むしろバンツマはそんなに強い侍という役ではなかったのかなぁ。

ちなみにタイトルは監督の名前とバンツマの名前を合わせて作ったってどこかで読んだ。
あと若い頃の進藤英太郎はやせていた。

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