毎年終戦記念日にやってんだよね。
うっさいからサンダルつっかけ歩いて見に行く。
惜しみなく開いては消えていく。
特大の花火は沈黙の夜空にひゅるひゅる点滅しながら他のどの花火より高く昇っていく。
誰もがこれはでかいぞと息を呑む。
光球が失速し始めると期待は頂点に達す。
ひらいた!でかっ!
あっというまに消える光の遷移を感傷的に想いながら体は無意識に数秒遅れの爆音に備える。
ドゴン!
この体を震わす爆音がたまんない。
ほんの少し飽きてきた頃、隣に立っていた知らない若夫婦の男の方がなにやらきょろきょろしている。
なんだうざいなぁと思っていると、男が花火とは全然違う方を見上げながら「あ、火事」と言う。
えっと思って男が見上げている土手沿いの高層マンションを見ようと首を振ったら消防車の赤い光が目に入りサイレンの音が聞こえる。
土手に所狭しとひしめいている群衆が騒ぎ出す。
高層マンション最上階の角部屋が、コントの火事みたく赤く点滅している。
花火の爆音が響く。群衆は「ほら、花火見なきゃ!」「でも、火事・・・」とざわめき立っている。
なんかこのシチュエーションがかなり面白かったな。前方に花火で後方で火事。中間にいて騒ぐ人間。
花火終わって人の波につられて歩いていると、何台も消防車や救急車が見えた。
結局、火事はどうなったんだろう。
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