2004年6月30日水曜日

映画『しとやかな獣』

1962年 監督:川島雄三
ビデオ→DVD録画


しとやかな獣

会社の先輩に借りて見たのだけど、息をもつかせぬ面白さ。
始まって20分後くらい、家族四人の顔をそれぞれ映すショットがある。
黙りこくった四人の顔。
とてつもない静寂。
冒頭からずっとかかっていたバックミュージックが止まったからこんな静かになったのだろうか?と一瞬思うが、考えてみればバックミュージックなんか流れていなかった。
じゃあなんでただ登場人物の顔を映しているだけなのにこんなに違和感があるのかと思えばこの映画、ひっきりなしに誰かしらが喋っていたからだった。
父が喋り母が喋り、息子が喋り娘が喋り、社長が喋りピノサク君が喋り・・・
ひっきりなしのセリフの応酬が実にリズミカル。
さらにその軽快なセリフミュージックの内容がこれまた実に腹黒いんだから軽く眩暈がする。

舞台となっている場所は団地の一室なんだけど、カメラは状況に合わせて仰角俯瞰、窓の外ドアの外等々様々な位置から人物を捉える。
この部屋は狭いっちゃあ狭いのだが、窓がまるで日本家屋のように大きく開いている。入り口の内開きドアは閉めていたり開けっ放しだったり。
空間の開放感や閉塞感をセットの状態やカメラ位置で見事に調節している。

子供のいる後家で、生きるために最も腹黒い人間になった女性を演じたのは若尾文子さん。
どうもこの人僕の中ではセーラー服におさげで丸メガネをかけたロリ少女のイメージで固まってしまっていたのだけど、この映画では少女の顔に大人の表情が張り付いたような不思議な魅力があった。(しかも役どころは腹黒いし)

使用された音楽は能の囃子ぐらいだった気がする。ぃよぉ~っぽんぽんぽぽんぽん、ってリズムはこの映画によく合う。
テレビに映し出されたディスコの映像。ディスコミュージックは次第に囃子に変わり、部屋の中を無尽に踊り狂う若者二人。窓の外は真っ赤な夕焼けで食卓では父と母が黙々と食事をしている、ってそんなシーンもありました。
ちなみに終始灰色がかった映像には時たまのっぺりした吐き気を感じたりもする。

2004年6月28日月曜日

映画『オートバイ少女』

1994年 監督:あがた森魚
BS2 録画


オートバイ少女

これはなかなか面白かったな。
きりっとした眉と強く力を帯びた目の光と透き通った肌の石堂夏央さんの魅力に100点。
当時20歳か21歳。
小学生の少年のようでもあり、年相応の色気を匂わせたりもする。

でももうちょっと普通に撮ってほしかったな。
結構いろんな処理してんのね。
下品に誇張された音と共に蟹食う人の口をアップで映した映像を何度も挿し込んでみたり、映像を青や緑っぽい色でフィルターかけてみたりとか。
たまに演出がうざったい。
石堂夏央さんに歌わせたのは素晴らしかったけど。

2004年6月27日日曜日

映画『僕は天使ぢゃないよ』

1977年 監督:あがた森魚
BS2 録画


僕は天使ぢゃないよ

やばい。つまらんかった。
寺山修司の映画っぽい演出なのだけど、なんか面白くない。
演出方法の割には興奮や驚きがなくていたって淡白だったからか・・・
(って、つまらない理由を説明したいのだけど、具体的に表現できない)

フォークファンにはたまらない映画なのだろうな。
大瀧詠一の顔を初めて見た。
鈴木慶一がラム亭のMAMA、ではなくラム亭の主人役で出演。
横尾忠則が結構普通の顔で出ている。
緑魔子にはメロメロ。
岡本喜八も冴えなさそうな顔して出演。
他。キャストはびっくりするくらい豪華なんだよ。

2004年6月26日土曜日

映画『25時』

2002年 監督:スパイク・リー
at ギンレイホール


25時【廉価2500円版】

しまった。眠気に襲われて。結構寝てしまった。
麻薬ディーラーのモンティ(エドワード・ノートン)は何者かの密告によって逮捕される。
刑務所に収監されるまでの猶予はあと25時間。彼は最後の長い夜を過ごす。
最後というのはモンティのような色男?は刑務所ではよってたかって性欲処理の道具にされてしまうか殴り殺されてしまう。
残された道は自殺か収監か逃亡か。いづれにしても彼は人生を破滅させた。
親父と過ごし、旧友のやり手証券マンで目がいっちゃているフランク(バリー・ペッパー)と真面目な高校教師のジェイコブ(フィリップ・シーモア・ホフマン)とクラブで過ごしたり。
モンティは自分の生きてきた道を恐怖と供に見つめなおす。モンティのとった選択とは?

ってあらすじ紹介みたいに書いてみたけど、寝ていたためディテイルが不明。
クラブのシーンは面白かった。アンナ・パキンが怪しく踊りながら水平移動したり、ジェイコブが遂に境界を少し越えてしまった瞬間に水平移動したり、あんまし可愛くなかったアンナ・パキンがトイレでのシーンでは可愛いらしい少女の表情で固まっていたり。

映画『息子のまなざし』

2002年 監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ
at ギンレイホール




職業訓練校で木工クラスを担当するオリヴィエ。生徒は四人(だったかな?)。
アットホーム、というわけではない。オリヴィエは生徒に怒鳴りつけるか命令するかってだけ。
生徒の方は無口で厳しい先生であるオリヴィエを嫌っているかといえば別に嫌いでも好きでもない模様。というか生徒達ってなんもセリフがなかった気がする。
くら~めの雰囲気。オリヴィエもなんか変質的で怪しい感じ。

この訓練所に新たに生徒が一人やってくる。彼は木工クラスを希望するがオリヴィエはもう生徒の数が多いからうちでは取れないと断る。
でもその後のオリヴィエの行動が怪しい。窓から覗き見したり、いつもは行かないところで昼飯を取ろうとしたり。
やっぱり変質者?
オリヴィエはなぜか一度断ったこの新入生を木工クラスに受けいれる事にする。
もしや少年愛か。
いやいや、ストーリーが進むにつれ、オリヴィエがなぜこの少年に興味を持つのかという理由が明らかにされる。次第にというか唐突に明らかにされる。
この映画はなんでも重要なことは唐突なのである。

セリフが異様に少ない。そして音楽が一切ない。カメラは全て手持ちカメラで、登場人物の動きを偏執的に追い続けていく。
後半、オリヴィエがいつ少年に事実を告白するかと期待しながら座席の充実野菜に手をのばした一瞬でさらっと告白してしまったオリヴィエを見て、唐突な緊張と供に手に持った充実野菜もそのままに画面に食い入るのであった。
結構じんわりする映画で面白い。僕はうるさいのが嫌いだから下手に音楽があるより全くないほうが素晴らしく清々する。

2004年6月24日木曜日

映画『血槍富士』

1955年 監督:内田吐夢
BS2 録画


血槍富士

傑作。面白い。しかも泣ける。月形龍之介の見せ場で泣き、片岡千恵蔵の驚愕と絶望の表情に泣き、ラストで登場人物と一緒に泣き。
グランドホテル形式時代劇。
それぞれがある目的や理由を持って旅をしている。目的地は様々。身分も様々。たまたま方向が一緒だったため同じ道を歩き、たまたま同じ宿に泊まる。
「どこまで行くのですか?」「ああ、そうですか私もそうなんです。」「では一緒に行きましょう」なんて会話は交わされない。
本当にたまたま一緒だったというだけ。
それだけなのだが、各々の持つドラマがからみあい、「槍持ちなんかなるもんじゃねぇ!」という結論に至る話。

1999年に1度見ていて、印象に残っているシーンがいくつかあるものの、ストーリーがほとんど頭から抜けていた。
抜けていたどころか同じ年に見た『暴れん坊街道』のラストの展開とごっちゃになってさえいる始末。
記憶力がないっていうのはいつでも新鮮でいられていいね。

2004年6月20日日曜日

映画『コールド・フィーバー』

1995年 監督:フリドリック・トール・フリドリクソン
BS2 録画




舞台はアイスランド。主演永瀬正敏。鈴木清順の名もクレジットに見える。
極寒のアイスランドの地に永瀬と清順って組み合わせが見る前から高揚させる。
で、鈴木清順だけど、なんだ、アイスランドの清順さんが見れるわけじゃないのね。
普通に考えて彼にアイスランド行かすわけにはいかないけれど。死んじゃうじゃん。

それでもこの映画結構面白かった。
サラリーマン永瀬が両親の7回忌に、両親の死んだ土地、アイスランドに一人供養しに行くという話。
アイスランドを舞台にしたロードムービーで、永瀬が猛吹雪の中彷徨ったり、バスに乗ったりタクシーに乗ったり、また彷徨ったり車買わされたり馬乗ったり。
だーれもいない吹雪の中を一人で歩くはめに1度ならず何度もなってしまうのは笑える。
結構ひどい目に会う永瀬君だが、遭遇した出来事を嬉々として人に話すでもなく、雄大で厳しいアイスランドの地の上で一つ一つ事実として豊かに受け入れていく感じ。
災難に巻き込まれる度に両親への弔い心が強まり、最後の方ではもう何が起ころうとも供養するという目的しか目に入っていないその強さにぐっとくる。
供養のための道具一式をちゃんと持参している心構えに涙。
ところでアイスランド人は押しなべて人がよく、日本人は映画の主人公にまでなり、そしてアメリカ人は・・・
しっかし凄いとこだな、アイスランドって。人が住んでいいの?
作品冒頭のごみごみした東京と比べると、空の広さが比べ物にならない。・・・東京もいいけどね。

ちなみに作品中盤に、つま先から全身に向けて鳥肌が押し寄せるほどの恐怖シーンがある。
ホラー映画だったのかと一瞬混乱するが怖かったのはこのシーンのみ。

衣替え

暑くて暑くて。
ロフトから夏物の服を下ろして一服、中をばら撒いて一服、そのまま寝転がってこないだ買ったアトールの「サードアルバム」聴いて一服、ちょっと冬物を収納ボックスから2,3枚出して一服、そのまま寝転がって吉幾三聞いて一服・・・
って感じでだらだら6時間かけて衣替え。
黄色いカーテンが風にふんわりそよぐ様をぼんやり見つめていたり、その黄色いカーテンが体いっぱいに受け止めている陽光が、遮る雲で強まったり弱まったりするリズムを煙草をくゆらせながら感じていたり。
つまり夏バテだな。早くも。

2004年6月19日土曜日

映画『サムライ』

1967年 監督:ジャン=ピエール・メルヴィル
BS2 録画


サムライ

武士道とは 無口な事と 見つけたり

メルヴィル監督のフィルムノワール。
最後はなんか後味悪いなぁ。
主演アラン・ドロン。
・・・犯行後、家帰れよ。服装もそのまんまだしぃ。

2004年6月18日金曜日

映画『10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス』

2002年
at ギンレイホール


10ミニッツ・オールダー コレクターズ・スペシャル

監督:
アキ・カウリスマキ
ヴィクトル・エリセ
ヴェルナー・ヘルツォーク
ジム・ジャームッシュ
ヴィム・ヴェンダース
スパイク・リー
チェン・カイコー
って、びっくりするね。

各監督に与えられた時間は10分。短い。
10分間で一番充実した作品を撮ったのがヴィクトル・エリセ。
この監督は見たいと思いながらずっと見ていなくて、今回初めて見たのだけど、とにかく凄いわ。魔力を秘めていると言うか。

ヴィム・ヴェンダースもなかなか面白い。
クッキーと間違えてLSDだかなんだかやばいもんを1袋分ばくばく食ってしまった男が車飛ばして病院を探す話。
麻薬が回ってきて物が2重に見えたりするのを映像で表現していて、それがよくよく考えるとちゃっちい。
一人の男が死ぬかもしれない、早く病院に行かなければならない、というスリル、があるかといえばそれほどスリリングでもない。
なのになんで面白いのか不思議。

チェン・カイコーはラストにCGアニメを効果的に使用していて、突如表出する時空の広がりに思わず涙出そうになる。

ヴェルナー・ヘルツォークはやっぱりジャングルなのね。

まあ、どの監督も面白かったわ。

映画『アドルフの画集』

2002年 監督:メノ・メイエス
at ギンレイホール


アドルフの画集

眠気に襲われて記憶が曖昧。
「名前は?」
「アドルフ……アドルフ・ヒトラー」
ヒトラーが史上最悪の独裁者になる以前を描いた話。
ちょっと変な奴だが真面目で親ユダヤの男、ヒトラー。
"ちょっと変"がゆくゆく"最悪の狂気"になるのだな。
画家を志すヒトラーに訪れた一つの希望が彼の目を輝かせる。いい顔しているノア・テイラー。
すぐ絶望と怒りに変わっちゃうんだけど。

腹の底からがらがらになるまで声を張り上げて喋ってみたい。

HDD付きDVDレコーダー修復について

1週間前の11日朝、ネットで注文した外付けDVDドライブが届く。
さらにこの日、15日(火)からの予定だった出張が14日(月)からになったと知る。
いきなり言うなよ~。
11日(金)
家帰ってから外付けDVDドライブを開封して説明書を読みながらドライバやオーサリングソフトのインストール等を実施。
まずは演歌だ。HDD付きDVDレコーダー内の演歌番組を1個1個DVD-RWに焼いていく。
ぎりぎりまで焼いたらいよいよ外付けDVDドライブからパソコンに取り込みだ。
ってことなんだけど、元からパソコンに内蔵されているDVD-ROMドライブと競合しているのかなんなのか、全然取り込めない。
ドライブ文字の割り当てもごちゃごちゃでわけわからんことになっている。
コントロールパネルの管理ツールでドライブ文字の割り当てやり直したりデータを取り込むソフトの分かりづらい説明書を何度も読み返したりでやっと取り込みができるようになる。
が、なにこれ?とりこんだらチャプター毎に1タイトル(=1ファイル)になってんじゃん。
しかも4.7G以下のデータのはずが、取り込み後にオーサリングソフトに表示された書き込みに必要なサイズが8G近くになっている。
エクスプローラで取り込んだファイルのサイズを調べてみると、ちゃんと4.7G以下しかない。
きっと何かの間違いだと思いながらチャプター毎に分かれてしまったタイトルを本来の通り一つのタイトルに結合したりカット編集して、よし、書き込みだ。
と思ったらやっぱし書き込みディスクの容量が足りないとメッセージが出る。
試しに1度プロジェクトを削除してから取り込んだファイルを1個1個プロジェクトに追加していってみる。すると今度は4.7G以下に収まっている。
とりあえず取り込み時のこの手間は我慢しよう。しかしなんだ?タイトルをプロジェクト上で結合すると何故書き込みに必要なサイズが20Mも増えるの?
しかもカット編集するとサイズが減るどころか増えるのは我慢ならん。
こんなにむかついたのは久しぶりだ。でも時間ないし、とりあえず最低限の編集後にDVD-Rに焼く。
ソフト上で4.6G必要と出ていたのに、実際に出来上がったDVD-Rに書き込まれたデータサイズをみると3Gちょっとしかなかった。
しかも、勝手にファイナライズしやがってもう追加書き込み不能。
しかもこれは自分のミスだがタイトルメニュー書き込みのチェックを外したため、メニューのないディスクが完成。
深夜6時、ふてくされて寝る。

12日(土)
午後2時頃にのろのろ起きて対策を考える。
一番いいのはHDD付きDVDレコーダーでDVD-Rに焼いていってしまう事だが、「高速ダビング優先」とかいうチェックをONにしてHDDに録画していなかったためにデータのコピーができない。
それに演歌番組の半分くらいが未編集状態なのも致命的。1時間半が編集後には20分くらいになったりするのため、編集するしないで必要なDVD-Rの枚数が全く変わってくる。
やっぱり手順としてはHDD→DVD-RW→PC→DVD-Rという順序を踏む必要がある。
どうしよっかなと考えたり調べたりしながら同時に実行していた演歌番組のDVD-RWへの書き込みが完了し、PCに取り込みを開始した後、川崎のヨドバシに行く。
DVD-R20枚、DVD-RW1枚、エッジとPCをつなぐUSBケーブルを買って帰る。
チャリンコこぎながら考えていたらそういえばHDDの方は録画や編集が一切出来ないけれど、DVDの方は正常なんだよね。
家に着いてから試しにDVD-RWに焼いた後、HDD付きDVDレコーダーで編集作業やってみたらできた。
ということでHDD→DVD-RWの後にカット編集を行ってそれからPCに取り込もう。PC上で編集作業はしない。
取り込むと1チャプターで1タイトルになってしまう件については、HDD付きDVDレコーダーからDVD-RW上でチャプターの消去ができたので取り込み前に対処可能だと知る。ただしカット編集後にできたチャプターは消去できないため、PCにとりこむと1タイトルが分割されて3タイトルになったりしてしまうがこの程度なら我慢しよう。
とりあえず手順は一応確立したということにする。
家に帰ってきたときに完了していたパソコンに取り込んだファイルを一度全て削除して、それからHDD付きDVDレコーダー上で編集、PCへの取り込みを再実行。
この日は演歌番組のDVD2枚目を作成完了した時点で就寝。

13日(日)
12時頃に起きてせっせと作業開始。
演歌番組の作業が終わり、洋楽特集の番組も取り込み終わり、映画はDVD-Rに直接焼けるものは焼き、焼けないものはPCに取り込み、次にはねるのとびらを編集しながらPCに取り込み、深夜3時頃にやっと作業完了。
HDDのフォーマット実行!!
よっしゃ、復活だぁ!録画もできる。感無量。
出張行ってる間の番組をひたすら録画予約。映画、演歌あわせて9タイトル予約した後に就寝。

14日(月)、7時に起きて飛行機で博多へ出張。
17日(木)、帰宅。


今日は有給取ったので飯田橋へ。

2004年6月10日木曜日

映画『悪魔のようなあなた』

1967年 監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ
BS2 録画


男が目覚めたら病院のベッドの上。車の事故で3週間も意識不明だったらしい。しかも一時的に記憶を失ってしまった。
妻と名乗る女が男を迎えに来る。男は自分の名を知る。ジョルジュ・カンポ。彼は香港で大もうけしたため豪邸に住む。
記憶喪失のため初めて見るかのような大豪邸、そして美しき妻。東洋人の使用人までいる。
ジョルジュは邸宅で療養しながら少しづつ記憶を蘇らせていく。
しかしなぜかジョルジュは何者かによって何度も殺されかける。
さて、「悪魔のようなあなた」とは誰のことだろう。

アラン・ドロン主演。
妻役にセンタ・バーガー。えらく綺麗でかつ可愛い女優さん。抱こう抱こうとするジョルジュを巧みにじらして避ける妻。

デュヴィヴィエ監督の遺作。

映画『湘南爆走族』

1987年 監督:山田大樹
BS2 録画


湘南爆走族

80年代ファッションを最も特異な素晴らしき美的センスの表出と取るか、それとも抹消したい歴史の汚点と取るか。
思ったよりいろいろと面白かった。情熱はあるけど金がない、みたいな。主人公たちもこの映画を作った人たちも。
江口洋介に織田裕二に竹内力に清水美砂に銀蝿の翔に杉本彩に、他いろいろ。

2004年6月9日水曜日

映画『恋愛時代』

1954年 監督:ジュゼッペ・デ・サンティス
BS2 録画


イタリアの農村地帯に健康的でふくよかな肢体の少女がいる。エロい。

結婚したいのだが金が無い。
パスクアーレ(マストロヤンニ)もアンジェラ(マリナ・ヴラディ)も、どちらも大家族でしかも貧しい。
もう2年も我慢しているのに一向に結婚式を挙げられない。どうしよう。って話。
恋愛、家族、金、世間体、結婚喜劇。

あははぁ、あははぁ、恋人といったら浜辺を楽しくじゃれあいながら駆けるもんです。空はどんより曇らせて。
少年と少女の恋愛といった趣が笑えて面白い。
特にマリナ・ヴラディが浜辺でマストロヤンニに色仕掛けするシーンはエロさというより微笑ましく可笑しい。

特に違和感なく見ていたけど、マストロヤンニとマリナ・ヴラディの実年齢の開きはなんと14年もあった。
しかもマリナ・ヴラディという可愛らしい顔に腋毛生やし色気むんむんの肢体を持った女性はなんと当時16才くらい。本当に少女じゃん。

映画『あゝ結婚』

1964年 監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
BS2 録画


ああ結婚

小柳ルミ子かと思うほどの厚化粧でおばさんくさいソフィア・ローレン。
汚い字ながら丁寧に自分の名前を1文字づつ呟きながら署名するソフィア・ローレンが秀逸。
ラストは笑いながらも目頭が熱くなる。
マストロヤンニとソフィア・ローレンによる結婚喜劇。
結婚したい、結婚したくない、どうしようって話。

当時30歳のソフィア・ローレンが17歳や40代まで演じ分ける。
しかし19歳から20代あたりを演じたときのソフィア・ローレンはどうもけばすぎて。
むしろ40代あたりを演じている時の方がしっくりきているように見える。
特に丘の上でマストロヤンニとやりとりしていた時のソフィア・ローレンが一番綺麗だった。かつ一番老け顔だったのもこの40代の演技の時。
服装や髪型で印象も大分変わるのだろうが、同じ40代の演技でも場面や状況によって演じ分けているのか佇まいの雰囲気が全く違うところが凄い。
あまり好きな顔立ちじゃないのだけど、面白い女優さんだな。

2004年6月7日月曜日

映画『真田風雲録』

1963年 監督:加藤泰
BS2 録画


知識不足ゆえ、よく知らないで見たのだが、かなり面食らった。
なんと説明すればよいのか。
カルト映画・・・
加藤泰という人間の才能がなんの縛りも無く迸ったらこんな作品になった。
いや、「縛りが無」いどころかこんなに時代考証も映像も特殊効果も全て奔放なら収拾つかなくて逆に大変だったんじゃないか。
才気溢れるという言葉をそのまま当てはめたい人だな。

錦之助が飛ぶ!目が光る!透明になる!関根勤になる!
千秋実が真田幸村!
ジェリー藤尾が歌う!
ミッキー・カーティスが舶来の物を見にまといかき鳴らすはギター?!
若い役のはずの渡辺美佐子が31歳!
大野修理亮治長役が誰かと思えばオウムのああいえば上裕!と思ったら佐藤慶!
服部半蔵(平幹二朗 )とその忍者隊、華麗にステップを踏んだ忍者隊の人達は江口音也バレエ団!知らん!
志村けんのバカ殿以上に顔を白く塗りたくった淀君(花柳小菊)!
ぱっぱらぱーの千姫(本間千代子)!
大阪城に立てこもる浪人や百姓や武士達の大ダンスパーティー!なぜかいる裸の女!素で嬉しそうに抱きつく常田富士男!いい顔してるわ。

なんでもありが本当になんでもありすぎて呆然としながらも笑ってしまう。
しかも一つ一つがただ瞬間的に笑って終わるギャグや不条理じゃすまないシーンも多い。
大野修理の本性を印象的に表出させた瞬間であったり、千秋実をやっぱり千秋実にさせた幸村の最後だったり。
戦に身を投じる決心の心の独白を清次、筧十蔵とそれぞれの生い立ちを絡めて戦前の高揚感と供に語らせた後の由利鎌之助(カーティス)のオチ。カーティスがカメラに向かって喋るオチ。不意の三段オチ。上手い。
忍者というより妖術使いの化物と化した佐助(錦之助)がミッキー・カーティスのギターに術をかけるとギターは青く光りだす。
刻むリズムに乗せられバカみたいに踊りだす敵の武士達。さらには操られるままに海へと行進させられ死んでいく。
死ぬ間際に「無念じゃ~!」と面白おかしく言って散っていくものの、このシーンがえらい恐ろしかった。
どんなに人数的に武力が劣っていても佐助と後数人いればもうこの世に敵はいないんじゃないかと思うような恐るべき妖術。
怖さにアホさが加わるとこうも恐ろしいものか。

佐助と半蔵の初対決シーンなどしびれまくって泣きそうになるくらい素晴らしかった。
「し、しびれるぅ!」という文字を画面に入れる場合、バックの映像は牛が口をくちゃくちゃしている映像を使うもんなのだと初めて知った歴史的一作。

2004年6月6日日曜日

映画『ハリーの災難』

1955年 監督:アルフレッド・ヒッチコック
BS2 録画


ハリーの災難

決して殺人が日常的に起こっているとは思えない田舎の村で殺人事件発生。
大事件だ。森の中で男の死体が仰向けに横たわっている。
なのになんでしょう、死体や犯人と思われる人物を前にしての村人達のこのほのぼの感は。
死体であるハリーは登場した時から死体で、つまり最初っから少しも動いているところが映されなかった人物のため、人間じゃなくただの人形みたいに思えてくる。
でもやっぱり人形なんかじゃなくれっきとした人間の死体のわけです。ほのぼのっつったって適当にはやり過ごせない訳です。
死体をほったらかしたり埋めたり掘り返したり埋めたり掘り返したりほったらかしたり・・・ってやっぱ適当か。
しかし一つの死体をめぐって四人の村人がそれぞれの思いで苦悩するわけです。自分が殺したんじゃないかとか本当は私が殺したのにとか夫が殺されてしまったとか・・・いや、苦悩なんかほとんどしないか。
まあ、コメディーありスリルあり希望あり温もりあり、でかなり面白い。

紅葉につつまれた森があまりに美しい。もちろんシャーリー・マクレーンも。

映画『ゲーム』

1997年 監督:デヴィッド・フィンチャー
BS2 録画


ゲーム

ちょっと息抜きに、と思ったら128分もあるしえらい疲れた。
見てると段々どうでもよくなってくる。

映画『反逆児』

1961年 監督:伊藤大輔
BS2 録画


反逆児

いきなり織田対武田の合戦シーン。あれ?歴史スペクタクル物だったのか。
はて、反逆児とは誰だ?信長?
いやいや、徳川家康の息子、三郎信康だ。演じるのは錦之助。

合戦合戦また合戦かと思いきや、合戦シーンなど最初しか無く、戦国時代のどろどろした人間関係をもういいよってくらい見せてくれる。
悲しいのはなによりも花売り娘しのがもてあそばれた上に無残にかつ唐突な最後を迎えてしまうところ。
ああ、桜町弘子さんが・・・
幽霊となり恨みを晴らしておくんなさい。この4年前の『怪談累が渕』のように。・・・ん?あれは北沢典子さんか。この作品で北沢さんが演じたお初は死なないんだった。

出演者が結構豪華。
秀吉を演じた原健策はやっぱり面白い。
信長=月形龍之介。
家康=佐野周二。
服部半蔵=東千代之介。気持ちは分かるけど早く斬ってやれよ。
四郎兵衛(じい)=進藤英太郎。
小金吾=河原崎長一郎。最後すごい顔して泣いてたぞ。
信康の母=杉村春子。こわい・・・

信康が信長の前で披露した舞踊はなかなかよかった。でも詳しく知らないがあれ能の仕舞じゃないよな。歌舞伎舞踊っぽい。

2004年6月5日土曜日

映画『野獣暁に死す』

1968年 監督:トニーノ・チェルヴィ
BS2 録画


野獣暁に死す スペシャル・エディション

マカロニウエスタン。
エルフェーゴなる人物に復讐を誓うビルカイオワ。
フェーゴは今や最強の強盗団のボスになっている。一人じゃ復讐を果たせない。彼は4人の助っ人を探す。
一人目は最強のデブ(しかも不死身)、オバニアン。
二人目は最強の保安官、ミルトン。
三人目は最強のプレイボーイ、フォックス。
四人目は最強の賭博師、モラン。
仲間にする度にテーマ音楽とともに馬に乗った男が並んで進む姿を正面から映すのね。
始めは二人が並び、三人が並び、四人、五人と。懲りずにやっているところが面白すぎる。

この映画、なんか面白い。
音楽が微妙にそぐわなかったり、オバニアンが肉にむさぼりついたときの効果音がホラー映画みたいなグロテスクな効果音だったり。
脚本にダリオアルジェントが参加している事がなんか関係あんのか?

さて、この映画には仲代達矢が出ているはずだが。僕はてっきり四人のガンマンの一人を仲代が演じると思っていたけど、なんと最重要人物エルフェーゴを演じている。
初登場シーンはしびれる。フアーーーーア!って叫んで短いサーベルみたいなのを振るう姿が"微妙に"かっこいい。
イタリア人に混じって微妙な違和感しか感じないところが凄い。
音は全部アフレコっぽい。

最強の五人と仲代率いる最強の強盗団が対決する話。


ああ、今日見た映画は2本とも最高だったな。

映画『浪花の恋の物語』

1959年 監督:内田吐夢
BS2 録画


「帰らしてもらえんやろか」
「わてでは いけまへんか?」

「わしはもう お前とははなれられんようになってしもうたわ」

「はよ家帰って素人はんのお井戸でもさすってなはれ」
「はははは」「へへへっへ」

「逃げ延びて あの世までも二人は一つ」

「わしの筆は そこまで不人情にはなれへん」

「死ぬる死ぬって勝手に死なれてたまるかい!!お前の体には!えいっ!金がかかってんねやで!」
「忠様とこ行きたい 忠様とこに行きたい! 忠様のとこにいかせてぇ~~」

近松「冥土の飛脚」。
映画見て泣いたのってほんと久しぶりだ。
後半それまで徹底的に傍観者であった近松門左衛門(片岡千恵蔵)が上記のセリフ「わしの筆は そこまで不人情にはなれへん」と言った時、千恵蔵の顔の漲る力に挿入されたどこまでも響き渡る拍子木の澄んだ音。ここで泣いたら以降はスイッチ入りっぱなし。

とにかく面白い。

HDD

6月1日夜、HDD付きDVDレコーダーのHDDがぶっ壊れました。
再生はできるものの、録画が一切出来ません。
編集作業自体一切出来ません。
だからシーン消去も保存タイトルの削除も出来ません。
HDDをフォーマットするしかないと考えます。
さて、HDDに入っている演歌番組を一体どうすればよいのでしょう。
消すしかないのでしょうか?泣きそうになりました。
しかし、録画タイトルをDVDに焼ける事を確認しました。
考えて調べて考えて調べた結果、外付けのDVDドライブを購入しようと思います。
HDDからDVD-RWに録り溜めた演歌番組を焼き、パソコンに取り込んでいらない部分を削除後にパソコンからDVD-Rに焼いていこうと思います。
録画した映画はとりあえず本当に見たいのだけがしがし見ていこうと思います。
1日2本ペースが目標です。
感想はほとんど書きません。
合計90時間あまりの録画タイトルとの格闘が終わったら、とっととHDDをフォーマットしたいです。