2003年9月18日木曜日

帰路1


会社帰り、ふんふーん♪とチャリこぐ。
日は落ちていつもの帰り道。
駅に向かうスーツの人たちがぽつりぽつり脇を流れていく。
ふと斜め前方を歩く1人の男を目の端に捕らえる。

なんとなく恐怖の違和感を覚えながらも視覚のイメージを頭の中で処理しきれずにその人の隣あたりまでチャリを進めたところでやっと違和感の意味を頭が咀嚼する。

顔?・・・色?

首を横に向けてもう一度その人を見る。
お、お面…?

スーツ姿の兄ちゃん。少し太め。頭は丸刈り。うつむき加減の顔は……淡白い。
色が違うのはその顔の前面のみで、横から見ると色の境界がはっきり見えるために、お面をかぶってるように見える。
いや!仮面でもない。僕の鈍い頭にはバカ殿のイメージがよぎる。
白の厚化粧をした男がスーツ着て歩いてる?

へ…変態だ~!
この平和な町にぃ~!

僕は0.7以下の視力で変質者の横顔を凝視し続けた。
いや!化粧じゃない!
だって光ってんだもん。青白く。顔が。薄暗闇の中で。

しかも微妙にうつむきながらにやっと笑っているように見えてぞっとする。
な…なに?こいつ…

チャリをこぐ僕の少し後方へとその人が過ぎた時、全て分かった。
単にその人がうつむきながら携帯の画面を覗き込んでいただけだった。ただの反射ね。光ってたのは。

まあ、そんなどうでもいい話。

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