2003年9月14日日曜日

映画『人生は、時々晴れ』

2002年 監督:マイクリー
at ギンレイホール




びっくりした~。
全ての登場人物の目が死んでいる。
死の世界。

映画との拒絶間を感じるものの、見ているうちに段々映画側へ寄ることができる。
主人公の太ったおっさんのいやにおどおどきょろきょろした目にも愛着が湧いてくる。

映画でもなんでも、「人間のできた奴」なんて面白くないんだな。徹底的にどうしようもない奴のほうが素敵で面白い。
思えば『ムーンライトマイル』のホフマンとサランドンは駄目な奴から成長していくって話だけど、彼らが演じた役ってもともと「人間のできた奴」だったんだよな。

母や保護者が子供の危機に面して叫んだり必死の形相を見せるシーンが映画にあると70%くらいの確立で泣く。

人物が皆さみしく孤独な世界で生きている。
そんな中で登場人物のほんの一部ではあるが、自分と他者との間にある壁が溶解する兆しを見せる。
この、関係性の微妙な揺らぎにとどまっている所に味わいがある。

カメラもせわしなかったり奇抜なアングルを使うこともなく、どっしりと落ち着いていたため、無表情な人物たちの姿をじっくりと追えていい。

※ところで、写真はwebで拾ってきたが著作権とかってどうなんだろうなー。

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