BS2録画ビデオ
面白い。
先の展開が読めない。
といっても奇抜であっと驚くストーリーでは全くない。
ストーリーの流れを書いたら、そんだけ?と思うだろう。
ただ、思わせぶりなシーンが結構あるから騙される。次の一手に対して緊張感が続く。
第2次世界大戦前のドイツ。農村地帯の農家の娘であるアンナが主人公。二十歳前後の娘。
一見幸せそうな娘であるが、幼少の頃母親を亡くし、それ以来母親代わりとして10人以上はいる家族の世話や、家事、農家の仕事までこなしてきた。
アンナが幼少の頃のシーンが度々挿入される。現在のシーンと過去のシーンつなぎ目が分からずに初めは混乱するが慣れてしまえば、その滑らかな移行が美しい。
幼少のアンナ(5,6歳?)は雪が降り積もる外で手や足がかじかみながらも洗濯をする。
または、つぼの中をかき混ぜているアンナに兄が近づき、つぼの中のなにか食べ物を味見する。まずかったらしくほっぺをはたかれるアンナ。
つらい。
娘をこき使い、息子達にも厳しいアンナの父。嫌な人物として描かれているのかと思ったら、誰よりもアンナや家族を愛する優しい父でもあったりする。
家族全体としても、自然の中で強く温かく暮らす幸せな家族といった印象も受ける。
他にも見ていてアンナの境遇につらさを覚えることがしばしばあるけど、必ずそれを和らげる一面や展開がある。
あるイメージを提示して、後で違うイメージも与える。その付加の仕方がつつましい。
主人公のアンナ役のダーナ・ヴァブロヴァは、ふくよかで綺麗な女性。
後半にお手伝いにやってきた少女にアンナが啖呵を切るシーンがある。
「こんな白い手で白靴下なんか履いて、豚小屋で働けるの? あん!? 年寄りの足のつめ切ったり下の世話したり、そんな生白い顔で出来るの?」
と叫んで追い返してしまう。たくましい。
写真屋の女性が出てくるのだけど、この女性(エーファ・マッテス)のあまりに自然な動きとセリフには驚く。
冒頭にも出てくる義母は雪が降り積もる中自転車引いてどこに行くのだろうな。一人、不幸。
以上、感想をだらだらと。

0 件のコメント:
コメントを投稿