2004年5月25日火曜日

映画『瞼の母』

1962年 監督:加藤泰
BS2 録画


瞼の母

なんていいやつなんだ、中村錦之助は。いいやつすぎて涙が出る。

この映画エキストラが面白い。街道や江戸の町を歩くただの通行人なんだけど、ありとあらゆる職業格好の人物が素敵に通り過ぎ、または立ち止まる。
存在感がありすぎず、なさすぎず、エキストラはやっぱりエキストラなんだけど、彼らだけ見ていても面白いくらい。
エキストラですら面白いのだからもちろん中心となる人物達はもっと面白い。
盲目の三味線引き浪花千栄子や江戸の導入にあまりにもふさわしい酔漢星十郎、むさいやくざものを見事に演じた山形勲、見れば見るほど味わい深い顔した原健策、流し目が強烈だった沢村貞子、・・・きりがない。
名シーンも盛りだくさん。
浪花千栄子、星十郎、錦之助が織り成したあの詰まりに詰まった極上の長回し。
母木暮実千代と子錦之助、再会シーンでの興奮と歓喜と衝撃と動揺と失意と…って様々な感情の複雑な襞。

殺陣のシーンで、画面見てると立ち回る人達が動くたびにいやに残像が画面に残って、ああ、いつもHDDに録画するとき画質を少し落として入れているのだけどこんなになっちゃってたんだ、なんで今まで気づかなかったのだろう?って思ったけどこれは録画画質の問題じゃないよな、よく考えると。

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