BS2 録画
西部劇。
西部劇はそう何本も見ていないのだけど、今まで見た中ではかなり上位に入る面白さ。
見終わった後えらい晴れがましい気分になった。
保安官であることに嫌気が差して、賞金稼ぎしながら放浪する男モーグ(ヘンリー・フォンダ)。
4日前に見た『荒野の決闘』(1946)から11年が経過。僕にとっては4日間でヘンリー・フォンダはじいさんになっていた。あ、でも52歳くらいか。じゃあおっさんか。相変わらずかっこいいのではあるが。
モーグはとある町で若き保安官ベンに会う。人殺しが大っ嫌い(?)で正義感に溢れたちょっと小生意気な男ベンを演じたのがアンソニー・パーキンス。『サイコ』の前だな。
まあ、超大まかに言えば、その道を極めている元保安官と、駆け出しで腕はないが情熱だけには溢れた青年保安官が出会うっていう話。
それにしてもキップ君、ダメじゃないか君ぃ。もう少しで散弾銃で頭ぶちぬかれているところだよ。おじさんはねぇ、一体どれだけ君の事を心配して探していたと思っているの?
などとモーグはキップ君を非難することなど全く無く、むしろ犯人を発見したキップ君の手柄を褒め称えるのであった。子供から好奇心を奪っちゃいけん。
ラストは対決を高見の見物で傍観していたモーグであったが立ち位置から考えて、敵の流れ弾が見事に命中して「ば、ばかな!」のセリフを残して寂しく散っていく様を予見したのだが、そんな展開になるわけないよな。
ラストは未来の安定と希望を匂わせるかっこいい瞬間を見せてくれるのであった。
あ、そうだ、美しき未亡人ノーナを演じたベッツィ・パルマーを調べていたらこの女優さん、この作品の後23年間映画には出演していないみたい。
そして復帰した作品っていうのが『13日の金曜日』。
この作品、中盤でちょっと悲しき事件が起きるのだけど、一体誰を憎めばいいのか分からない。
保安官っつーのはバンバン悪人を撃ち殺すもんだと思うけど、若きベンは殺さない主義の男だから悪人がいても殺さず逮捕する。
正義の手によって殺された奴が一番憎む相手だとすれば、唯一保安官ベンによって殺された男を憎む対象にすればいいのか。
いや、よくよく考えるとこの殺されちゃった奴って特に悪い事してないよなぁ。
殺された奴、確かにこいつがいなくなれば街の人たちの暴徒化は抑えられる、イコール平和になる。でもこいつは特に悪い事していない。逮捕できないじゃん、じゃあ殺しちゃおうぜって論理か。
やっぱし殺人によってしか街の平和は保たれないんじゃん。
ま、殺されたのは成り行きで正当防衛といえば正当防衛のなだが。
感情的に一番憎むべき男は法の裁きに委ねられて、憎くもなんともない男は画面の中で殺される、か。
後になって"よくよく考えると"なんだかよく分からなくなってくるのだけど、不思議な事に見終わった後の余韻はすっきり爽やか面白かったぜと拍手したくなるような映画。
・・・この文読んでこの作品が面白そうだと思った人がいたら会ってみたい。
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