2004年5月2日日曜日

映画『櫻の園』

1990年 監督:中原俊
録画


櫻の園

顔は若いのにおっさん臭い格好した男と中学生っぽい制服少女がいちゃついている。
男が帰り、入れ替わりに部長と呼ばれるこれまたなんだかおばさん臭く野暮ったい少女が入ってくる。
そこからは少女少女少女が次々になだれ込んでくる。
舞台はどこかのグレードの高い女子高。創立記念日でチェーホフの櫻の園を上演する演劇部の少女達らしい。
中学校かと思ったら高校なのね。
数十人の女子高生で画面がごった返すけど、主要人物の登場の仕方に気が配られているため混乱はそれほどしない。

創立記念日当日、3年の杉山さんが前日に喫茶店で煙草を吸っている所を発見され(実際杉山さんは吸っていなかったのだけど)大問題になり、毎年恒例の櫻の園の上演だが今年は中止するという案が教師の間で持ち上がる。
冗談じゃないよって少女達は怒り、そこに少女同士の恋愛がからんだりしながらごたごたする話。

少女達はそろいもそろって野暮ったい。しかしそこにほんの数人の可愛い子がいる。

なんといってもクールビューティーつみきみほが凄い。昔は可愛かったのだな。
渦中の杉山さんを演じるつみきみほだが、皆の前でしおらしく「すいません」と謝っても彼女がかもしだすしれっとした雰囲気のため可笑しくてしょうがない。

あと、倉田さんを演じた白島靖代。宝塚の男役でもやっていそうな風貌。
櫻の園では女主人役を演じる事になり、自分は男役しか合わないのになぜ自分がこの役?と自信なく悩む。
そしてもっと女の子っぽく生まれたかったとも悩む。
そんなことないさ、十分可愛いよ。と思っていたけど、ラストの方で女主人の衣装と化粧をした白島は男が女装しているみたいでえらい不気味だった。
部長と一緒に曇りのない笑顔で写真撮ってるし。

そして、可愛くないけど気になったのが久保田麻紀を演じた梶原阿貴。
いるよな、こういうやったら偉そうな女。梶原阿貴が上手すぎて笑える。
えらそうな久保田をさしおいて、奥手そうな後輩城丸が彼氏と外泊しているなんてところも面白い。

この映画会話がリアル。
話の内容っていうか群れた少女達が相手に同意を求めながら騒いでいる姿が。
今の女子高生からしたらリアルじゃないけど、女子中あたりの少女なら今でもこんな感じなのではないだろうか。

まあ、つまり面白かった。
脚本がよくできていて少しも飽きない。
そして煙草。様々な場面で(ストーリーの流れに関係あるなしに関わらず)映画に緊張感を乗せるこの小道具。上手い。
原作は吉田秋生の漫画。

ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セッブンエイト(セブンのブンだけ音程が上がる)

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