この駅は初めて降りる。名画座のない街にはほとんど降りた事が無い。
今日は田川寿美さんが、柏、錦糸町、新小岩の順で新曲の店頭イベントを行うのである。
田川寿美は僕が演歌を聞きだした去年の初め頃からずっと好きだったのだけど、最近寿美熱が今まで以上に盛り上がり、こりゃもう生歌を一刻も早く聴きたいと思っていたところにこのイベント情報。
小躍りして喜んだね。
錦糸町が一番近いのだけど、時間が分かったのが新小岩だけだったので新小岩にする。
新小岩は17:30からヤマサトーホー堂で行われる。
Do 演歌.comでお馴染みのヤマサトーホー堂。
着いたときまだ1時間くらい余裕があったけど、とりあえず場所確認として新小岩駅からヤマサトーホー堂に行ってみる。
昨日マピオンで調べたところ、大通りから1本となりの細道に立地していると知り、もしや住宅街にぽつんとあったりするのだろうかと思っていたけど、行ってみるとバリバリ人通りの多い駅前商店街に店はあった。
1時間前なのに店先には何人かの人だかりができている。
とりあえず場所も分かった事だし、新小岩を散策してみる。
と、その前に商店街の脇道で煙草を一服。
目の前を通り過ぎた年配の夫婦がトーホー堂で配っていたチラシを持って通り過ぎる。
「お前にやるよ」と言って妻にチラシを渡すおっさん。
「あの子ぱっとしないのよね~。もう大分前からいるよね。10年・・・くらい?」
ぱっとしない・・・ですか。今や日本の歌い手で最高峰の位置にいる女性をつかまえてぱっとしないですか。
17:20頃、再びヤマサトーホー堂に戻る。
細長い店内にぎっしり人が詰まっている。皆年配の方々で、一瞬ひるむ。
いや、ひるんでる場合ではない。目的を果たさなければ。
通りすがりをそれとなく装いながらも一気に突撃。
17:30、いよいよ寿美さん登場。
店内がざわめき、興奮も高まる。
寿美さんが店内奥の台に上ると、いっそうざわめきが増し、寿美さんに向け怒涛の如くおっさんおばさんが詰め寄る。
押し競饅頭状態。
僕の右側のほんのわずかな隙間に入ってきた化粧の濃いおばさん。僕を思いっきり押しのけてくる。
むかっとして押し返す。こなくそ、俺は一歩も動かんぞ!
おばさんの肩が僕の二の腕に食い込む。おばさんは少しも気にしていないらしく、後ろの連れのおばさんと「全然見えないわ~」としきりに言い合っている。
(´ー`)(ー`)(` )( )( #`)(#`皿)(#`皿´)/ ムカァー!!
僕のかよわい二の腕がかなりの力でへこむくらいぶつかり合っているというのになんでこのばあさんは少しも気にしていないのだ。・・・この根性。負けた。つーかこんなばあさんにかかわってる場合じゃない。一歩左による。
さて、寿美さん。生で初めて見たよ~。でも前のおっさんの剥げた頭ばかりでようやっとお顔がほんの少し見えるだけ。
こんなことなら1時間前から陣取っておけばよかった。
新曲を1曲歌って終わりかと思っていたけど、まず『しゃくなげの雨』を歌ってくれる。
凄い音量。凄い迫力。でも音量でかすぎて音が少し割れていた。にしても堂々とした歌いっぷり。しびれる。
と、人の感動を邪魔するのはやっぱり隣のばあさん。「見えないわー」「着物だね」「ほら、あそこの鏡に映って見えるよ」等々、後ろのおばさんと喋り続ける。
いくら見えないからって、ぎゃあぎゃあうっせーよ。
「ほら、北山たけし」とか言って、店内のポスター見て全然寿美さんと関係の無い話までし出すし。歌っている最中に!
2曲目、『海鳴り』。おお、まだ歌ってくれるのか。
っていうか隣のばあさんの連れのばあさん歌ってるよ。しかも音程外れてるし。
3曲目、『悲しい歌はきらいですか』。
す、すばらしい!相変わらず歌うばあさんを差し引いても素晴らしい。
歌い終わった後のMCで「何人か口ずさんでくれる方もいらっしゃいましたね」と嬉しそうに寿美さんが言っていた。
ふむ、そうか。こりゃぁ嬉しい事なのか。じゃあまあ許そう。と言いたいところだけどやっぱ歌声の細かな色合いまで楽しみたい者にとっては邪魔臭い以外のなにものでもない。
っつーかこういうイベントじゃなくて金払ってコンサートに行けって話だな。
こういうイベントはコンサートでは考えられないくらい歌い手を間近で見れるし、歌と歌い手と観客が正に一体となっているようなお祭り的空間が特異で、楽しみ方としては純粋に歌声に耳を傾け酔いしれるという場ではないのかもしれない。
4曲目、新曲『花になれ』。
これで最後。姿がちょっと見える。オレンジ色の綺麗な着物姿だった。
終わった後、握手会が始まると店員が言う。
「握手はいいや」ととなりのおばさん二人は帰っていく。
他にも店内にいた半数がぞろぞろ店を出て行く。
どうしよう。歌を聴ければそれでよかったのだけど。でも間近でも見てみたいな。よし!並ぼう。
列に並んでいると、店員がCDをお買い上げになってから並んでくださいとアナウンスしている。
なんですと!
列を外れる。
店頭でCD販売していた。
新曲のシングルを手にとって見る。シングルのカップリングは何かと思ったら『悲しい歌はきらいですか』だった。
う~ん。少し迷うな。『悲しい歌はきらいですか』はラジオからMDに入れたやつを持っているし。
決めた。買おう。買ったら握手&サイン色紙の交換券をくれた。
「こちらへどうぞ~」と言われて指示通り列に並ぶ。
段々寿美さんに近づいていく。滅茶苦茶緊張した。
前のおっさんがなにやら寿美さんと話していて、寿美さんが「そうなんですか」と気さくに対応している。
そのおっさんが帰りいよいよ僕の番。
寿美さんからまずサイン色紙を両手で受け取る。
受け取った後ちらっと顔を見ると、目をぱちくりさせていた。なんだろう。なんか変な顔してたか。それとも比較的若目の男が珍しかったのか。
手を差し出してきたので握手する。
「頑張ってください」と言ってもう一度ちらっと見るが、メガネを外していたせいもあってよく見えなかった。僕はすぐ目線そらしちゃったし。
なんかあまりに緊張して直視できなかったのだよね。
というか握手の後なんか妙ににやけ顔になってしまいそんな顔を見られまいとそそくさ踵を返して店を出ちゃった。
今思うと寿美さんに背を向けた後の僕の表情を見たやつがいたらえらい不気味だったんじゃないだろうか。うつむいてにやにやしてたと思うし。
よ~し!9/27の渋谷公会堂のコンサートはぜーったい行くぞ~!
ちなみに去年のコンサートはちょうど客先で仕事している時期で忙しいかなと思ってチケットとらなかったのだけど、当日思いがけず仕事が早く終わりもしや当日券があるかもと思って竹橋から渋谷に向かった。
汗だくになってもう開演30分程過ぎた頃に渋谷公会堂にたどり着く。
入り口にいた兄さんに当日券あるかと聴くと、いぶかしげな顔しながら「席は完売です」と言われ、うなだれて帰宅した。
今年はちゃんとチケット取ってどんなに仕事忙しかろうが行く事にしよう。でもそもそもチケット取れるかなぁ?
とっとと帰ってCD聴いて余韻に浸ろうかと思ったが、せっかくだから飯田橋に行く。
マックでくつろぐ。mp3プレイヤーで寿美さんが歌う『悲しい歌はきらいですか』と『お祭りマンボ』を聴きながら。
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