2011年1月2日日曜日

映画『死霊の盆踊り』

1965年 監督:A・C・スティーヴン
DVD


死霊の盆踊り デラックス版 [DVD]

『マタンゴ』に終わり『死霊の盆踊り』で始まるあけましておめでとうございます。

数年前に友人に借りて、見よう見ようと思っていた(かは定かではないが)DVDをやっと見る。
『死霊の盆踊り』って間違いなく日本向けの邦題で、そんな邦題付ける時点でB級映画臭がぷんぷんする。

冒頭棺桶から目覚めたおっさんがうつむき加減の寝ぼけ眼で言うには「これから話す物語は気を失うほどに恐ろしい」らしい。
クレジットタイトルを見ていると、
Gold Girl Dance
Hawaian Dance
Skelton Dance
Indian Dance
Slave Dance
などとキャスト紹介されている。
なんのことやら分らずにいると、MummyとかWolf Manという文字も見えるから一応ホラー映画っぽくて安心する。
いや、そもそもクレジットタイトルのバックの静止画が全身金粉塗った裸の女という事実から目を逸らしてはいけない。
続けて
Screenplay by EDWARD D,WOOD,JR.
という文字を見たらもう観念するしかない。

ストーリーは、ストリッパーを劇場じゃなくて墓場で躍らせたら面白いんじゃない?というもの。
ああ、コンセプトじゃなくてストーリーの説明か。
ショーツを履いただけの女達が延々と踊ります。

一応夜の帝王と闇の女王がいて、夜の帝王という役のエロおやじを喜ばすために、闇の女王が若い女性(死霊)に裸踊りをさせるという設定がある。
そしてその”盆踊り大会”に墓場で事故ったバカップルが巻き込まれる(というか特等席で鑑賞させられ男の方なんてニヤついている)という設定もある。
最低限の設定はあってもストーリーは無い。
91分のうちの大半は裸踊りだ。
しかも踊りがつまらない!
花嫁ダンサーなんか乳ぶるぶる震わせてるだけだし。
なんとか寝ずに最後まで見たが、もう一度見ろと言われたら全力で回避する。(ながら見ならできそうだが)

DVDには特典で監督のインタビューが付いている。
エドウッドはいい脚本家だが監督の才能は全くないね、と。
クレジットタイトル後の夕方だか夜だか昼だか入り乱れてよく分らないシーンは現像技師のミスだと言い訳していた。
いや、もう昼と夜がごっちゃになっているのなんて作品全体のしょうもなさを見た後では何の弁解にもならない。
ダンスシーンの音楽は後からオリジナルの曲に差し替えたとのこと。
おかげでただでさえつまらないダンスが音楽に合わなくなってさらにわけ分らなくなった。
確信犯だ。。。

夜の帝王役のクリスウェルは若い頃はさぞかし美男子だっただろう。
年いっている割には子供のような表情しているのが少し普通じゃない気もする。
それもそのはず、彼は1950年代にTVで一世を風靡していた自称霊能者かつ予言者、という怪しげな経歴。
エドウッドの作品にも出演しているらしい。
セリフを覚えない男らしく、カンニングペーパーを見て撮影したシーンもあるそうだ。
冒頭なんか正しくそうだろう。
寝起きでたるそう感じは下にあるカンニングペーパーを見ていたからか!
そういえばティム・バートンの『エド・ウッド』で棺桶で寝起きする男が出ていた気がするが、あれがクリスウェルだったのかな。

ヒロインのカップルの女の方が最後に闇の女王によりブラウスをはだけさせられ、かつブラジャーの真ん中を小刀でぷっつり切られるのだけど、ブラジャーがぱつんと大きく観音開きするかと思いきや胸にぴったりくっついたままで乳首が出ない。
おっぱいの見すぎで食傷気味のところで最後の最後で微妙な消化不良。
監督インタビューによると、闇の女王役のファウン・シルヴァーは唯一脱がない女優だったそうだが、ヒロインも脱がなかったから二人じゃないの?と思ったら、ヒロインとGold Girl Danceは同一人物だったらしい。
Gold Girl Danceが踊っているのを同一人物のヒロインが見下ろしていたんだね。
なかなかやるな。

ORGY OF THE DEAD
が原題。
死者の乱交パーティーとでも訳すのか。
死霊の盆踊りと大して変わらなかった。
邦題は江戸木純が付けている。

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