2004年9月4日土曜日

映画『アンダーグラウンド』

1995年 監督:エミール・クストリッツァ
BS2 録画


アンダーグラウンド

第2次大戦中のユーゴスラヴィア、しかも映画タイトルはアンダーグラウンドで171分の大作。
これはかなり見るのに根気がいるのではないかと思ったが、結構面白く見れる。
ただ、作品中ひっきりなしに楽団が陽気な演奏をしているため、ちょっと疲れる。

共産主義パルチザンでゲリラ活動を続ける二人の男と、多情な一人の美しい女優。
男女三人の恋愛事情が、多民族国家ユーゴスラヴィアの激動の歴史と共に悲劇の運命を辿っていく。
共に、っていっても彼らが被った悲劇は戦争や国の事情でやむなく被ったものというわけでもないのだけどな。
でももちろん全く関係ないわけが無く、恋愛事情のうねりと世界事情のうねりが独立しながらもからみあって運命の歯車を回していく。

陽気に滑稽に騒々しく。
おおっぴらに戦争批判をしているわけでもなし、自己愛の狡猾な人間を悪と決め込んでいるわけでもなし。
皮肉屋が人の一生の、重みと醜さと滑稽さと、そして不思議なまでの素晴らしさを描いた人間賛歌。

0 件のコメント:

コメントを投稿