2004年9月20日月曜日

映画『突然炎のごとく』

1961年 監督:フランソワ・トリュフォー
BS2 録画


突然炎のごとく

恐ろしく展開が速い。ジェットコースター並に。常に刺激的で。
5,6年前に見たときは初っ端からずーっとうとうとして見ていたけど、今回は眠くならなかった。
だが展開の速さを頭で捕捉出来なくなってきた1時間後くらいから飽きた。

映画だから動くのは当たり前なんだけど、見ていてこんなに動きを意識させる映画も珍しい。(相米慎二の初期作品のような動きの焦点が画面のいたるところで無尽に発生しているのとは別のアプローチで)
画面に映っていないところでいろんな人が動いている。
例えばテレーズが煙草で機関車をやってくれているシーンで、テレーズの行進に合わせてカメラがぐるっと一回転する。もとの位置に戻ると立っていたはずのジュールは既に揺り椅子に座っている。
また、山荘の2階のバルコニーからテラスを見下ろしているカトリーヌとジムが映し出された後、カメラはテラスに移る。テラスではジュールと娘が遊んでいる。すると階下に下りるそぶりの全く無かったジムとカトリーヌが突然ジュールのいるテラスに飛び出してくる。間髪いれず可愛い娘は放り投げられ・・・
うーん、説明するのむずい。もう一例だけ書いておこう。
テラスのテーブルでジュールと娘が遊んでいる。
→窓から顔を出したカトリーヌにジュールが呼ばれる。
→ジュールは立ち上がって窓でなく入り口(画面向かって左方向)に向かって歩く。
→入り口からカトリーヌ、そしてジムが出てくる。
→カトリーヌ、ジュール、ジムの三人がテラスの入り口で言葉を交わす。
→カトリーヌは向かって斜め右に歩き去り画面から消える。
→ジュールとジムの二人はカトリーヌとは反対方向に歩き出す。
→歩きながら言葉を交わす二人をカメラが追う。
→二人が行き着いた先は先ほどジュールと娘が座っていたテーブル(食卓)で、そこには既にカトリーヌが着席している。
→ジムは椅子が無いためテラスの端にあった椅子をテーブルまで運んでから座る。
・・・えっ?だからなんなんだろ。書くとどうってことないな。
この流麗でコンパクトな動きが面白いんだけど。
ジムとジュールはカトリーヌに対して秘密の話をするためにカトリーヌと別方向に歩いたのだけど、最初上半身しか映らないからどこに向かって歩いてるんだか全然わかんなかったところでああテラスの縁沿いをぐるっと歩いていただけなのね、っていう驚きと、そうなるとわざわざ遠回りした二人の動きがカトリーヌにはいぶかしいものになるはずが、二人の会話など自分とは無関係だとでも言わんばかりに既に席について食卓を整えているカトリーヌと、この山荘には新参者ゆえテーブルに椅子がないジムとか、まあいろんな細かい要素が一連の流麗な動きになっているのね。

なんだかんだ言ってもそもそもジャンヌ・モローがどうしても老けて見えちゃって、よくのれなかった。
あと、Gコードで録画したというのに最後2分映ってないし。

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