2008年10月12日日曜日

映画『JUNO』

2007年 監督:ジェイソン・ライトマン
at ギンレイホール




16歳の高校生ジュノ(エレン・ペイジ)は興味本位で特に好きでもない同級生とSEXしてみた。
そして妊娠。
高校生だし産んでも育てられないので堕ろすことにするが、突然気が変わって産む決意をする。
かといって育てられないので里親を探したところ、子供を欲しがる素敵で理想的なカップルを見つけて万事OK。

あらすじ書くとこんなもんで、予告編見ればそれで大体のストーリーは分かる。
それでも寝ないで済んだのは一人一人のキャラクタがたっていて結構面白かったから。
主人公のジュノはパンクとホラー好きでクールながらずけずけ物言う女の子。
口が悪く傍若無人に見えるけど、しっかり他人を見る目を持っていて決して自分本位には生きていない。
子をはらんだせいか時折見せる優しい表情がまたいかす。
ジュノの継母なんかよってたかって嫌悪の対象にしそうなところだけど「あんたが犬アレルギーのせいで犬が飼えないのよ」とジュノに悪態ついても全然嫌味に聞こえない。
継母だけどジュノのことを凄く大事に思っているっていうのが見えるから。
他にもいかつい顔しているけど家族を何より愛する父親とか子供が大好きなヴァネッサやらいつまでも子供な マークや、ふわふわしたぼっちゃん顔のくせに何気に大会新記録を出したりしちゃうボーイフレンドのブリーカーやら。
登場人物のキャラクターが見えてくるのと、ジュノが優しさに溢れた周りの人達の姿に気づいていく過程が上手いことシンクロしているのね。

ジュノがパンクとホラー好きであることに間違いはなさそうだけど、突っ張っているうちにそうなったような気もしないではない。
最後にはアコギでデュエットしているし。
妊娠したといってもついこないだまで処女だったわけだし。
まっすぐに感情を吐き出してぶつかって悩んで人の優しさに気づいて素直に自分を見て受け入れて世界が広がっていく過程を描いているわけだから趣味の世界もより自分の好む方向に向かって広がるに違いないのだよ。
マークに勧められたソニックユースをシーンの展開上「ただのノイズだ」と切り捨てるけれど、実は気に入っていたのだろう。
(ノイズっちゃあ確かに間違ってはいないから買ったCDをある程度聞きこんだと強引に解釈し)
そしてホラーはダリオアルジェントしか認めなかったけど、ハーシェル・ゴードン・ルイスも好きになったり・・・ってこれはあまり変化してないか。

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