2017年 監督:セドリック・クラピッシュ
製作国:フランス
at ギンレイホール
ブルゴーニュでワイン造りを営む一家の三兄弟の物語。
長男ジャン(ピオ・マルマイ)が10年ぶりに戻ってくるところから始まる。
戻った理由は父親が危篤だから。
時期はちょうど収穫期。家業を支えてきた長女ジュリエット(アナ・ジラルド)と、別の大規模ドメーヌの婿養子になっている次男ジェレミー(フランソワ・シヴィル)、そしてジャンとあと昔からいるらしい従業員のおっさんの4人は収穫に向けての準備を始める。
で、ほどなく父親が亡くなって、多額の相続税支払いという問題に直面する。
家を売るとか畑を売るとか、とにかく危機。
そして3人は3人共どれぞれ悩みや問題を抱えていた。
久しぶりに揃った3兄弟がワイン造りを通してぶつかり、前に進んでいく物語。
なかなか面白かった。
ストーリー自体はそんなに凝ったものではない。
父親との対立で家を飛び出した長男が(中学生か!)父親の本当の思いを後半で知るところとか、言いなりだった義父に思いをぶちまける成長した次男とか、ベタといえばベタ。
でもお前なんかクビじゃ!といいたくなるバカなバイトとなぜかいい仲になる等の予想外の展開も見せてくれる(このバイトあんちゃんとのラストのやりとりはほっこり)。
ああ、凝ってないと言ったけど、10年ぶりの兄とのやりとりや、3兄弟の優しや絆、それぞれの葛藤は意外と丁寧に描かれていて、そういうところは凝っているかな。
過去と現在等、時間の概念が色濃いのも面白い。
冒頭でぶどう畑の1年の四季の移ろいが早回しで映し出され、時間が超圧縮される(CGじゃなさそうだし本当に1年以上費やして撮影しているんだろうな)。
しかし長男ジャンと兄弟の間には10年という空白期間が常に横たわっていて、10年という期間は非常に重い。
久しぶりに実家のワイン造りに参加するジャンが収穫日を決める際にジュリエットの意見に反対するのは、長男として、そしてオーストラリアでワイナリーを営む者としてのプライドがありそうだが、俺が俺がで我を通さずに決定はジュリエットに委ねるところなど、兄弟への思いやりとともに10年も音信不通だった引け目が感じられる。
幼い3兄弟がブランコにかけよるシーンはなんとなく見ていたけど、これが最後のほうで繰り返されたときには泣きそうになった。
長男ジャンと兄弟の間には10年という空白期間が常に横たわっていたのだけど、その壁が完全に取り払われた瞬間。
映像的な時間で言えば、窓から外をのぞく幼少のジャンが大人のジャンに変わる、というよくあるシーンだけならともかく、この二人をしれっと共存させたりもする。
あと、道を歩くジャンがあたかも歩きながらその光景を見ているようだが、それは何日か前のかつ場所も違う光景だったりとか。
こういう跳躍好きだな。
収穫でやってくる大量のバイト見ていたら高橋三千綱の『葡萄畑』っていう小説を思い出した。
2019年3月31日日曜日
2009年6月7日日曜日
映画『PARIS(パリ)』
2008年 監督:セドリック・クラピッシュ
at ギンレイホール
![PARIS-パリ- (通常版) [DVD]](https://lh3.googleusercontent.com/blogger_img_proxy/AEn0k_uw216l1d7fVXK7EHaddqoOhz3CdN3g9pCgX1mxge2oVDw9e7EN0OW5KNOGHar_PBJuEp3xI5edTxCr8mXeGPSQltf4HRGksosbcYCD42IOWBCVxf8HPzpZ=s0-d)
オープニングクレジットが音楽に乗せて始まったと思ったらすぐ終了して作品の途中のような静かなシーンが始まる、と思ったらまた音楽が再開してオープニングクレジットが流れる、と思ったら・・・の繰り返し。
※作品の途中のようなシーンというのは後で気づくが実際作品の途中のシーンがこのオープニングで挿入されていた。
疾走途中に息を止めると突如静かな日常に移行し、呼吸を再開すると再び疾走するような不思議なオープニング。
動と静っていうのが生と死で、常に隣り合わせで裏表ってこと?それにしてもこんな表現方法は初めて見た。
セドリック・クラピッシュは『スパニッシュ・アパートメント』しか見ていないのだけど、後半のジェットコースターのような驚異のスピード感に衝撃を受け、この作品もノリのいい作品なのかなと思っていたけど、意外や静かな群像劇。
元ムーラン・ルージュのダンサー、ピエール(ロマン・デュリス)は心臓病を患ってしまう。
助かるためには心臓移植しかないのだけど、その手術も成功率は4割程度。
間近に迫った死に直面しながらドナーが現れるのを待つ日々。
ピエールの姉のエリーズ(ジュリエット・ビノシュ)はソーシャルワーカーで3人の子供を育てるシングルマザー。
弟ピエールから病気のことを聞き、案じたエリーズはピエールのマンションで子供たちと一緒に同居を始める。
ピエールが毎日すること、自宅のマンションのベランダからパリの街並みを見下ろし、行きかう人々の人生を想像して楽しむこと。
登場人物はいっぱいいる。
歴史学者のロラン(ファブリス・ルキーニ)は大学の講義で世にも美しい生徒を見かける。
初老に差し掛かろうかという年齢で大学生に恋したロランは匿名の賛美メールを彼女に送信し続ける。
ロランの弟で建築家のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は偏屈な兄ロランから羨望の意で「お前は普通だ!」と言われ、悪夢まで見てしまう。この悪夢が笑える。
市場で働くジャン(アルベール・デュポンテル)とカロリーヌは元夫婦だが離婚している。
ピエールの姉のエリーズとジャンはお互い気になっているみたいなんだけど、ジャンは心のどこかでまだ元妻のカロリーヌのことを想っている。
カメルーンに住むブノワは、パリで清掃員として働く兄夫婦を頼りにパリに行く決意をする。
水泳指導員で働いていたときに知り合ったパリにいるというマルジョレーヌ(オドレ・マルネ)という女性と再会する期待を持って。
ピエールが通うパン屋の店主(カリン・ヴィアール)はいつも店員の悪口ばかり言っている。
まあ嫌な感じのおばさんです。
主要な人物はそんな感じかな。パン屋は主要じゃないか。
ピエールに死が迫っていることから、なんとなく他の登場人物の上にも死を覆いかぶせて見てしまう。
ああ、なんかこんなシーン映してるのおかしいなと思ったら予想通り一人死に、続けてこいつも電話なんかしちゃってなんか危なそうと思ったら残念なことになり、ピエールも子供たちを躍らせているシーンでソファに座ったまま静かに逝っちゃいそうだと思ったらそこはスルーされ、続くシーンでもああ、まずいと思ったらそこもスルーでしかも死んだと思っていたあいつが生きているという衝撃を意識外の死角からさらっと挿入するところに衝撃を受ける。
生きているって素敵だね、っていうのを声を大にして言うだけじゃなくて、同時にこういう絶妙な演出の裏切りとつながりでさらっと表現もしてしまうところがセドリック・クラピッシュ恐るべし。
ということで一番のお気に入りはブノワが絵葉書の写真と風景を見比べているシーン。
『モンテーニュ通りのカフェ』が心温まるハッピーな群像劇だとしたら、これは心温まりかつどこか空虚で切なく、そして人生や人や街がどうしようもなく愛しくなってくる群像劇かな。
僕のお気に入りの俳優ロマン・デュリスは坊主頭に髭面でかなり怪しい。
外出着のコートは凄くスタイリッシュでかっこいいのだけど、マフィアとも違う危険な怪しさが漂う。
パーティの時の部屋着はVネックで胸毛が出ていてかなり怪しかったな。
ジュリエット・ビノシュはなんであんなに美しいのかね。
もう結構な年だし、元々美形というわけでもないのだけど、美しいんだよな。
ぼさぼさな髪が可愛らしくもある。
ファブリス・ルキーニは変質者っぽいところがいいよな。
踊れるファブリス・ルキーニ。
ついさっき見た映画にも出ていて忘れもしないアルベール・デュポンテル。
こっちの方が新しい作品なのに髪が増えた気がする。
ファッションモデル役のオドレ・マルネは絶対どこかで見たことあると思って調べていたのだけど、女優というか90年代後半にトップモデルだった人らしい。
モデルは興味ないから見たことあるわけないのだけど、映画では『ぼくの大切なともだち』に出ていたらしい。
それで印象に残っているのかな。
もしくは全然違う女優と見間違えているだけなのか。
at ギンレイホール
オープニングクレジットが音楽に乗せて始まったと思ったらすぐ終了して作品の途中のような静かなシーンが始まる、と思ったらまた音楽が再開してオープニングクレジットが流れる、と思ったら・・・の繰り返し。
※作品の途中のようなシーンというのは後で気づくが実際作品の途中のシーンがこのオープニングで挿入されていた。
疾走途中に息を止めると突如静かな日常に移行し、呼吸を再開すると再び疾走するような不思議なオープニング。
動と静っていうのが生と死で、常に隣り合わせで裏表ってこと?それにしてもこんな表現方法は初めて見た。
セドリック・クラピッシュは『スパニッシュ・アパートメント』しか見ていないのだけど、後半のジェットコースターのような驚異のスピード感に衝撃を受け、この作品もノリのいい作品なのかなと思っていたけど、意外や静かな群像劇。
元ムーラン・ルージュのダンサー、ピエール(ロマン・デュリス)は心臓病を患ってしまう。
助かるためには心臓移植しかないのだけど、その手術も成功率は4割程度。
間近に迫った死に直面しながらドナーが現れるのを待つ日々。
ピエールの姉のエリーズ(ジュリエット・ビノシュ)はソーシャルワーカーで3人の子供を育てるシングルマザー。
弟ピエールから病気のことを聞き、案じたエリーズはピエールのマンションで子供たちと一緒に同居を始める。
ピエールが毎日すること、自宅のマンションのベランダからパリの街並みを見下ろし、行きかう人々の人生を想像して楽しむこと。
登場人物はいっぱいいる。
歴史学者のロラン(ファブリス・ルキーニ)は大学の講義で世にも美しい生徒を見かける。
初老に差し掛かろうかという年齢で大学生に恋したロランは匿名の賛美メールを彼女に送信し続ける。
ロランの弟で建築家のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は偏屈な兄ロランから羨望の意で「お前は普通だ!」と言われ、悪夢まで見てしまう。この悪夢が笑える。
市場で働くジャン(アルベール・デュポンテル)とカロリーヌは元夫婦だが離婚している。
ピエールの姉のエリーズとジャンはお互い気になっているみたいなんだけど、ジャンは心のどこかでまだ元妻のカロリーヌのことを想っている。
カメルーンに住むブノワは、パリで清掃員として働く兄夫婦を頼りにパリに行く決意をする。
水泳指導員で働いていたときに知り合ったパリにいるというマルジョレーヌ(オドレ・マルネ)という女性と再会する期待を持って。
ピエールが通うパン屋の店主(カリン・ヴィアール)はいつも店員の悪口ばかり言っている。
まあ嫌な感じのおばさんです。
主要な人物はそんな感じかな。パン屋は主要じゃないか。
ピエールに死が迫っていることから、なんとなく他の登場人物の上にも死を覆いかぶせて見てしまう。
ああ、なんかこんなシーン映してるのおかしいなと思ったら予想通り一人死に、続けてこいつも電話なんかしちゃってなんか危なそうと思ったら残念なことになり、ピエールも子供たちを躍らせているシーンでソファに座ったまま静かに逝っちゃいそうだと思ったらそこはスルーされ、続くシーンでもああ、まずいと思ったらそこもスルーでしかも死んだと思っていたあいつが生きているという衝撃を意識外の死角からさらっと挿入するところに衝撃を受ける。
生きているって素敵だね、っていうのを声を大にして言うだけじゃなくて、同時にこういう絶妙な演出の裏切りとつながりでさらっと表現もしてしまうところがセドリック・クラピッシュ恐るべし。
ということで一番のお気に入りはブノワが絵葉書の写真と風景を見比べているシーン。
『モンテーニュ通りのカフェ』が心温まるハッピーな群像劇だとしたら、これは心温まりかつどこか空虚で切なく、そして人生や人や街がどうしようもなく愛しくなってくる群像劇かな。
僕のお気に入りの俳優ロマン・デュリスは坊主頭に髭面でかなり怪しい。
外出着のコートは凄くスタイリッシュでかっこいいのだけど、マフィアとも違う危険な怪しさが漂う。
パーティの時の部屋着はVネックで胸毛が出ていてかなり怪しかったな。
ジュリエット・ビノシュはなんであんなに美しいのかね。
もう結構な年だし、元々美形というわけでもないのだけど、美しいんだよな。
ぼさぼさな髪が可愛らしくもある。
ファブリス・ルキーニは変質者っぽいところがいいよな。
踊れるファブリス・ルキーニ。
ついさっき見た映画にも出ていて忘れもしないアルベール・デュポンテル。
こっちの方が新しい作品なのに髪が増えた気がする。
ファッションモデル役のオドレ・マルネは絶対どこかで見たことあると思って調べていたのだけど、女優というか90年代後半にトップモデルだった人らしい。
モデルは興味ないから見たことあるわけないのだけど、映画では『ぼくの大切なともだち』に出ていたらしい。
それで印象に残っているのかな。
もしくは全然違う女優と見間違えているだけなのか。
2004年7月17日土曜日
映画『スパニッシュ・アパートメント』
2002年 監督:セドリック・クラピッシュ
at ギンレイホール

以前、好きな若手俳優は?と聞かれたら「メルヴィル・プポーとロマン・デュリス」という答えを用意していたけど、今だかつて一度もこんな質問された事が無い。
さて、この映画はそのロマン・デュリスが主演。
卒業を控えたパリの大学生グザヴィエ(ロマン・デュリス)がコネで役所に就職しようとするが、面会したお役所の大物ぺランから将来に有益だからスペインに留学してスペイン語とスペイン経済を勉強することを勧められる。
決意したグザヴィエはスペインバルセロナに留学するのであった。
紆余曲折を経て彼はあるアパートメントに住むことになる。
ここでは国籍の違う5人の若者が共同生活を営んでいた。
アパートメントの住人が巻き起こす騒動や事件や友情恋愛。
スカッと笑える青春映画。始めの方寝ちゃったけど。
at ギンレイホール
以前、好きな若手俳優は?と聞かれたら「メルヴィル・プポーとロマン・デュリス」という答えを用意していたけど、今だかつて一度もこんな質問された事が無い。
さて、この映画はそのロマン・デュリスが主演。
卒業を控えたパリの大学生グザヴィエ(ロマン・デュリス)がコネで役所に就職しようとするが、面会したお役所の大物ぺランから将来に有益だからスペインに留学してスペイン語とスペイン経済を勉強することを勧められる。
決意したグザヴィエはスペインバルセロナに留学するのであった。
紆余曲折を経て彼はあるアパートメントに住むことになる。
ここでは国籍の違う5人の若者が共同生活を営んでいた。
アパートメントの住人が巻き起こす騒動や事件や友情恋愛。
スカッと笑える青春映画。始めの方寝ちゃったけど。
この映画がヨーロッパで公開されてから、欧州の交換留学生制度の利用者が2倍近くに跳ね上がったという宣伝エピソードも普通に納得できる。
本当楽しそうだもんなぁ。
後半で最高に愉快な事件が起こる。
セドリック・クラピッシュ恐るべしと思うようなスリル興奮爆笑の山場。
この場面の後も暫く映画は続く。しかしこの山場があまりに盛り上がりすぎた為に後のシーンはぼけーっとしちゃったなぁ。
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