2026年9月27日日曜日

映画『グッドバイ、バッドマガジンズ』

2022年 監督:横山翔一
製作国:
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廃れていく成人雑誌業界を描いたお仕事ムービー。
顔の濃さが最近くさやみたいにはまりつつあるカトウシンスケと、我らが架乃ゆらが出ているっていうだけで観始めたんだけど、なんかめっちゃ面白かった。
そういえば裸が出てこなかったなと思ったらPG12を守るためらしい。確かに未来に希望を抱く若者に見せたい映画だ!

出版不況に加えてコンビニ各社が成人雑誌の販売停止という激しい向かい風の業界に新入社員として森詩織(杏花)がやってくる。
「エロ本作れる編集者になれば、どんな本でも作れるようになるよ」
右も左も分からない入社直後のシュレッダー係から始まり、徐々に仕事をまかされるようになり連日の徹夜泊まりのハードワークを経て、1年後にはもうベテラン編集者の風格が。
杏花が凄くいい。
エロ本編集部に全く似合わない美少女で浮いていたのにいつのまにか溶け込んでいる。
「私たちはこんなことするために本なんて作ってるんですか」魂の叫びもぐっとくる。まだ2年目とかだよねと思いつつ。

群像劇っぽくもあり、登場人物達が皆魅力的なのがいい。
冴えないおっさんだけどなんか頼りがいのある局長(山岸拓生)。
年下上司にどやされる営業の人(菊池豪)。一度スマホ投げつけた後一呼吸置いてからまた営業声に戻るシーンは胸がきゅっとなる。年下上司(山口大地)の目力やばい。
パワハラ上司かと思いきや有能で安心感のある澤木(春日井静奈)。
ちょっと抜けているけど基本いい人のマスコット的巨漢酒本(西洋亮)。
独特の感性を持った自由人元AV女優のコラムニストハル(架乃ゆら)。
等々。
唯一向井英(ヤマダユウスケ)だけはいけすかない奴だったな。

全般的にはなんか切ない映画ではある。ただ、全力で駆け抜けたあの瞬間があるからこその切なさで、その先には前向きな再生が待っている、ような気がする。
面白かった。


2026年9月20日日曜日

映画『蟹工船』

2009年 監督:SABU
製作国:日本
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SABU監督って20年以上前に見たきりで懐かしいなと思って見てみた。
冒頭の目を見開いた男の青白い顔のドアップっていう導入のやり方、SABUっぽい、ってほぼ作風覚えていないのに思った。
で、TKOが出てきたの見てちょっと見るのやめようかと思った。。

小林多喜二の蟹工船を現代風?にアレンジしたのものらしい。原作未読なのでよく知らないが。
TKOを最筆頭として、西島秀俊の目の傷や恰好キャラクターとか皆川猿時の全力の下っ端感溢れる演技とかも含めてB級に片足突っ込んでいるような中途半端な映画だった。
映画というか演劇のよう。
美術班頑張ったねっていう謎の巨大ギア、油圧レバーの適当な上げ下げで缶詰の蓋が付く謎仕組みとか、セットがまんま演劇風だった。

出演者が異様に豪華。
主演松田龍平。かっこいい。
西島秀俊。何これというキャラクターながら頑張っている。
高良健吾に柄本時生、そしてあまり大きな声で言えなくなった新井浩文。
矢島健一、中村靖日、あれいたんだって感じの滝藤賢一、利重剛。
ちょい役で大杉漣、でんでん、谷村美月、内田春菊や森本レオ。
中村靖日は2024年に心不全で急逝していたんだな。
亡くなっている方とか犯罪者とか追放された人とかいろんな意味で今では見れない組み合わせだな。

2026年9月13日日曜日

映画『リオ・グランデの砦』

1950年 監督:ジョン・フォード
製作国:アメリカ
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メキシコ国境近くにあるリオ・グランデ河のスターク砦でカービー・ヨーク中佐(ジョン・ウェイン)はアパッチ族討伐の任についている。
そこに、数学で赤点になったことをきっかけに士官学校を退学した息子(クロード・ジャーマン・Jr)が1兵士としてやってくる。
訳があって離れ離れになっていたので15年ぶりの再会。
そして息子を追って妻のキャスリーン(モーリン・オハラ)までやってくる。
家族愛のメロドラマでありもちろんアパッチ族との闘いのアクションも見ごたえあって面白い。
個性的なキャラの面々もいいよね。愛嬌の塊の曹長クインキャノンとか小生意気なブーンとかいい奴でできる男トラヴィス(ベン・ジョンソン)とか。短い時間でピンポイントエピソードでキャラ立ちさせている。
歌が多めなのは少し眠くなるw

息子をテントに呼びつけ中佐として息子と話した後、息子の背の位置と自分の背の位置をこっそり確かめてすぐテントの外を体を反らして伺い見る一連の流れがうまい。

モーリン・オハラは当時いくつなんだろう、めっちゃ若くて美人。

騎馬の疾走は倍速にしているんじゃないかと思うほど速くて怖い。
落馬のスタントもこれ死んでなくても絶対大けがしているだろみたいな落ち方もある。
簡素な馬車なんてこのスピードに耐えられずちょっとの窪みで大破しそうで、実際車輪一個もげているから芸が細かい。

ジョンフォードの騎兵隊三部作『アパッチ砦』『黄色いリボン』に次ぐ三作目。
『アパッチ砦』は昔見たよなと思ってなんとなくこのブログ検索したら『リオ・グランデの砦』すでに見ていた。こわっ。

2026年9月6日日曜日

映画『衝動』

2021年 監督:土井笑生
製作国:日本
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大学生が好きそうなアンダーグラウンド青春もの。
ネカフェ在住の通称ハチ(倉悠貴)は薬の運び屋をやっている。
全てに無気力で死にたいと思っている。
なんかの水商売をやっている声が出ないアイ(見上愛)。
復讐相手がいなくなって怒りのやり場をなくしている。
二人が出会う。
すれ違いレベルの接点の二人だけど、その出会いは生きる気力を取り戻していくことにつながっていくのだが。。

ネカフェの従業員の子がいい。
山本月乃さん。まだあまり出演作少ないみたいだな。
あとムラジュンも出ている。
見上愛見たさに鑑賞したので見上愛ももちろんよかった。
倉君は朝ドラおちょやんの弟役の子か。

ラストはなんかもやもやする。


2026年8月30日日曜日

映画『Z Inc. ゼット・インク』

2017年 監督:ジョー・リンチ
製作国:アメリカ
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夢と希望に溢れ大手法律事務所に入社したデレク(スティーヴン・ユァン)はなんだかんだで上層階の角部屋をもらうまでに出世する。
だが、同僚にはめられてあっさり解雇。
っていうところまでなかなかのテンポのよさで面白い。
そもそも何の会社なのこれとか(たぶん法律事務所)サマラ・ウィーヴィングとのやりとりとか罠にはめられたってどういう罠なのかとか、細かいことははてなマークだらけだったものの、主眼はそこではないのでそこまで気にならない。
狂暴化ウイルスによるパニックというメインに行くまでの導入としては、テンポといい長さといい丁度よかったということ。
で、パニックが始まった後は、、まあなんというか普通。

アジア人が主演ってめずらしいよな。監督は別に中国系ではなさそう。
暴力がものいう世界で、アジア系で特別がたいがいいわけでもないスティーヴン・ユァンがなんか頼りない感じだけど、いつのまにか主人公補正で最強の男になっているw

2026年8月25日火曜日

映画『ローリング』

2015年 監督:冨永昌敬
製作国:日本
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歩いているのを横からドリーで映すのいいな。
予告編は見ない方がいいかもしれない。なんかストーリーのポイントと主要なシーンがネタバレしているような。
舞台は水戸。盗撮で辞職した元高校教師の権藤(川瀬陽太)は東京で拾ったキャバ嬢のみはり(柳英里紗)を連れて水戸に戻ってくる。
慰謝料を求める元女子生徒達といざこざはあってもなんやかんやで再会した教え子たちとなんかなかよくやっていく。
権藤に一番優しい貫一(三浦貴大)はみはりを奪い、他の元生徒達もなんか馬鹿っぽさを醸し出しつつ、元々どうしようもないくずだった権藤がこの生徒達とともにさらにくずになっていくという。

権藤=川瀬陽太が小梅太夫に似ている。
情けないくずっぷりながら、途中なぜかかっこよくみえてきたりする。隣の奥さんをいつのまにか手なずけているあたりくらいからか。
権藤とみはりの不釣り合いなカップルも、覚醒した権藤を見ているとありえそうに思えてくる。
くずってなんかもてるよね。

隣の奥さんとの絡みとかドリル延長!とかシリアス雰囲気の中でちょいちょい笑いを入れてくるの面白い。

川瀬陽太は『ナマズのいた夏』の冒頭の運転手の人か。なんか嫌な感じが特徴的で少し覚えていた。

2026年8月23日日曜日

映画『レッド・サイレン』

2002年 監督:オリヴィエ・メガトン
製作国:フランス
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アーシア・アルジェントを見るのが目的で、めっちゃ堪能した。
大人になって美人度が増してオーラが凄い。
これだけ存在感放っていると逆に女優として使いづらそうでもある。
そのせいか出ずっぱりでなく途中で出番が激減し、後半で少し復活する。
アーシアのターンが終わってレオンか!っていう展開になったときはちょっと絶望したけど、ずっと見ているとやられてしまうのでこの緩急がちょうどよかったのかもしれない。

監督はCM出身の映像作家、という情報だけ見ていて、確かに色彩歪めたり素早いカット割りだったりでなんかスタイリッシュ(うざい)。B級映画なのか真面目映画なのかも判別つかず、最初10分で見るの継続するかどうかずっと悩んでいた。特にタイトルバックの映像と音楽はどちらかというと不快な部類。
アーシアが出てくるのがもう少し遅かったらたぶん観るのやめていた。

見終わった感想としては、まあまあつまらなくはなかった。
B級になりそうでならないすれすれのところで楽しめるアクション映画。
アーシアの役の無能っぷりとか楽しい。
ホテルの銃撃戦は見ごたえある(中盤だがここがクライマックス)。
この監督はリュック・ベッソンが発掘したとか書いてあるな。だからレオン的要素入っているのか。

アリスがヒューゴーを人殺しといったシーンは父親撃ち殺したのかと思った。
あれなんなの?その後アリスも何事もなかったかのようにケロッとしているし。

2026年8月16日日曜日

映画『モーニングセット、牛乳、春』

2019年 監督:
製作国:
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平田満のための平田満ありきの映画っていうくらいハマっている。
佐々木一郎っていうどこか平凡な名前もいいよね。
哀愁漂うおじさんのドラマティックになりそうでならない平凡な日常と幼少期の淡くて少しエロティックな記憶の物語。

ロケ地はどこだろう。
風光明媚でもなく栄えているでもない、ありきたりでどこか殺風景でもある郊外の街。
およそ映画の舞台になりえなさそうなロケーション。
殺風景な国道のラーメン屋の縦置きの電光掲示板にジャージャー麵、博多とんこつ等と表示されている。画角から外したくなるような電光掲示板が外すどころかど真ん中でその広告性をめいいっぱい主張しているw

子ども時代は顔どころか体格までおよそ似ても似つかず、どちらが佐々木でどちらが岡部か予測することすら困難。
こういう潔さが凄いよな。映画は虚構というのを真正面から認識した上で何一つ似せる努力や手配をしないという。そしてそれが確かにこの作品の質を低下させるものではないという事実。

よーい、ドン
でこめかみに当てた時はぞくっとした

ヒロイン達はとびきり美人でもなく、かといって不細工でもなく、いい塩梅な子達だった。
水本佳奈子はその後活躍していそうな雰囲気があったけど、調べてみるとこの後一本の映画に出たっきりみたいだった。いや、インスタ見ると結構活動していて映画も出ているな。

ドラマチックな展開はしないけどなかなか面白かった。
サトウトシキは昔銀座シネパトスで『新宿♀日記 迷い猫』『今宵かぎりは…』を見て以来だった。もっといろいろ見てみたい。

2026年8月8日土曜日

映画『不死身ラヴァーズ』

2024年 監督:松居大悟
製作国:日本
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長谷部りの(見上愛)は幼少期の命の恩人甲野じゅんにずっと恋をしている。
中学生の時甲野じゅん(佐藤寛太)と再会したりのはじゅんに猛アタックし、ついには両想いに。と思ったら甲野じゅんはなぜか存在ごと消えてしまう。
そしてまた別の人物として現れる甲野じゅん。
ホラー?ミステリー?いや、青春恋愛コメディー。

見上愛の魅力を堪能するための映画って感じ。ファッションもいい。
原作は高木ユーナの同名コミックスとのことでなんか納得する。
思い人が消えるという謎に加えてじゅんの特異な病気が加わってなんかもうしっちゃめっちゃかな雑音ではあるけれど、見上愛の元気が全て吹き飛ばしてくれるわ。
まあでも正統派のきゃぴきゃぴ恋愛物見せられても困るからこれはこれでいいのかもしれない。

ロケーションがよくてどこなんだろうここ。
丘にびっしりと立ち並ぶカラフルな一軒家、ふもとでは新幹線が横切る。
山もあるし川もあるしちょっと出かければ海もある。いいとこだ。

友人役の田中君が結構雰囲気ある。
脇役で最初は気にしていなかったけど、よくみるとイケメンに見えてくる。
主演の佐藤寛太より存在感あったかも。
ああ、朝ドラカムカムエブリバディで川栄ちゃんの弟役だった子か。

冒頭の死にかけの少女がいいもの食ってんだろうなと思うほど血色よくふっくらしているのとその後の子役たちの棒読み合戦見た時に見るのやめようかと思ったw

2026年8月1日土曜日

映画『Sappy』

2025年 監督:上田修生
製作国:日本
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小説家になることを夢見る29歳の男(猪征大)はデリヘルドライバー。
名前の無い男は世の中の人々を「連中」と呼び見下している。
自分は無価値な「連中」とは違う。何より小説を書いている。小説で成功すれば価値ある人間になれる。そしてその瞬間はもう目の前にある。

エンタメなのかアート系なのか、監督は映画を撮りたかったのか小説を書きたかったのか、よくわからない映画で、なんかもやもやしたまま最後までいってあっという間に記憶から消えそうな。。

主人公のキャラがとにかく魅力がない。
むしろめっちゃ嫌な奴。
この嫌な奴がぶっ飛びすぎて逆に爽快とか、嫌な奴がいい奴になるほっこり話とか、どっちの方向に行くのだろうと思ったらどっちにも行きそうでどっちにもいかないというなんとも中途半端なもやもや感。
人を見下す奴は自分に自信がない証拠だ、等々友人やらデリヘル嬢にさんざん批判されぼろくそに言われまくるし、泣きそうなくらいみじめで情けない姿をさらしたりもするけど、最終的には嫌な奴は小説家の個性ってことで正当化される。

男の自分語りに「思春期か!」って笑いで突っ込まれるシーンがあってそれが的を射ている。
思春期の子供が大学生くらいになって思春期の妄想的考えはそのままに自己を客観的にも見れる目がついて自己批判が多少付与された、っていう感じの「思春期か!」が全編を覆っているから。
主人公の男は脚本もしている監督自身の投影だと思っているけどどうなんだろう。
全く異なるのにこういうキャラを主人公にするならやっぱり突き抜けるか改心するかの話になりそうだしな。
自己批判を繰り返しながらもこんな自分を認めてほしいっていう私小説のような感じ。

あと演出は子気味いい早いカット割りが技術的で逆にしゃらくさい。

ヒロインの川上明莉が美人。
昭和歌謡大好きなシンガーでもあるらしい。

以下少しネタバレ


ラストの暗転で終わればまだその意味不明さで印象に残ったかもしれない。
蛇足に蛇足を重ね、結局なんだったのかよくわらかず。
小林(結城あすま)はイマジナリーフレンドみたいな架空の人物ってことでいいのかな。男の理想像。