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2011年3月6日日曜日

映画『巴里のアメリカ人』

1951年 監督:ヴィンセント・ミネリ
BS2 録画


巴里(パリ)のアメリカ人 [DVD]

『フラッシュダンス』があまりに物足りなかったので、エンドロールもそこそこにもっと「映画観た」と思えるような映画を続けて観ようとHDDレコーダーの録画リストを物色していたら、『巴里のアメリカ人』があった。
どうせお気楽ムービーを作るならMGMミュージカルのように徹底的にやらなきゃ駄目でしょ、ってことでダンスつながりということもあって『巴里のアメリカ人』を見ることにする。
むぅ、ちょっとお気楽すぎたかもしれない。。。

ジーン・ケリーが踊りだすまでが長い。
タップダンス無しかと思ってちょっと焦った。
それにしてもジーン・ケリーのタップダンスシーンが少ない。
と思ったら最後にながーいミュージカルシーンがある。18分あるらしい。
この壮大なミュージカルシーンに向けてそれまでは抑えていたのか!
長々続くお気楽ストーリーも全てはラストのミュージカルシーンのための布石に過ぎない。
アイデアマンだがガタイのいい肉体派の気のいいあんちゃんジーン・ケリーが画家って!
しかも早く生まれすぎた才能ある若手画家っていう設定にばりばりの違和感を感じても、布石なので我慢しよう。

ジーン・ケリー演じるジェリーの友人役で、自称コンサートピアニストのアダムという人物が出てくる。
アダムはよくピアノを弾いているんだけど、弾いているふりだと思ってよく見ていたら、これが本当に弾いているようで、しかも上手い。
キートンの即席百人芸のパロディーのような見所シーンでは、ガーシュウィンのヘ調の協奏曲第三楽章をこれでもかと軽やかに弾きこなしている。
ピアノが弾ける俳優っていうレベルじゃない気がして、一体何者だろうと思ったら有名なピアニストで作曲家らしい。
オスカー・レヴァント。
『巴里のアメリカ人』はそもそもガーシュウィンの「パリのアメリカ人」であり、ガーシュウィンの曲が歌曲も含めてふんだんに使用されている。
オスカー・レヴァントはガーシュウィンの親友だったことから本作への出演が決定したとのこと。
ただ親友ってだけじゃなくて、ラプソディ・イン・ブルーやヘ調の協奏曲を有名にしたのは彼の功績が大きいらしい。
俳優としても結構映画に出ていて『バンド・ワゴン』なんかにも出演していたらしい。全然記憶に無い。

バレリーナとして巡業中にジーン・ケリーにスカウトされたというレスリー・キャロンを中心にバレエの動きを取り入れたダンス、そして歌と上述のオスカー・レヴァントの独演やジーン・ケリーとの共演、「パリのアメリカ人」の音楽にのせてめくるめく展開するラストのミュージカルシーン。
ストーリーはくそだったけどこう書きながら見直していると結構見所がたくさんあるなぁと思えてきた。

カフェでの最初のミュージカルシーンでは、シーンの最後の方でジーン・ケリーの帽子が落ちてしまって、それをキャッチしようとする仕草が入っている。
カットしなかったのは少し長めのカットだから撮り直すのが面倒だったのかな。

2006年7月2日日曜日

映画『バンド・ワゴン』

1953年 監督:ヴィンセント・ミネリ
BS2 録画


バンド・ワゴン 特別版

ハリウッドで落ち目となったかつての名ダンサートニー・ハンター(フレッド・アステア)は、親友夫婦の書いた舞台『バンド・ワゴン』でブロードウェイに出演することになる。
演出は演劇界の大物ジェフリー・コードヴァ(ジャック・ブッキャナン)が行うが脚本は大きくアレンジされ現代版ファウストになる。
トニーの相手役にはバレエ界から新進のプリマ、ギャビー(シド・チャリシー)が選ばれるがトニーは彼女の身長が自分より高いのではないかと心配。
顔合わせ時に身長問題はクリアしたものの、緊張や不安からお互いぎくしゃくといがみあう仲になってしまう。
現代版ファウストは結局大失敗。
やっぱり笑いのある愉快なステージのほうが楽しいよね、ってことに。

アステアは1946年に年齢的にピークを過ぎたということで一度引退している。
しかし怪我をしたジーン・ケリーの代役として1948年に復帰。
ピークを過ぎたとはいえ熟練のステップを見せてくれる。(あまり激しいステップはなかったが)
ダンスの振り付けはのマイケル・キッドは元バレエ・ダンサーでこれが初めての映画だったらしい。
アステアはクラシックバレエの堅苦しさがダンスに取り入れられるのを嫌ったがマイケルは独創的なダンスシーンを創造した、らしい。
あまりミュージカル映画を見ていなかったため、どこがどう独創的だったのかは知らないけど、舞台の「ガール・ハント 殺人ミステリーインジャズ」でのダンスは華麗だったりコミカルだったりでかなり面白かった。
それにしても舞台「ガール・ハント 殺人ミステリーインジャズ」はダンスはむろんチープな雰囲気とストーリーにおいても楽しませてくれる。
「そうとわかれば容赦はしない。ワルは嫌いなのだ」と言ってポーズを決めるアステアとか。

この映画のトニー・ハンターはかなり現実のアステア像に近いのだけど、調べてみると他にもいろいろでてくる。
映画の中でトニーがギャビーとの身長差を気にするシーンがあるのだけど、ギャビー役の考慮時、アステアはシド・チャリシーとの身長差を気にして実際に会うまで彼女の起用に賛成しなかったらしい。
それと、実際と映画とどっちが先行しているか分からないけどアステアは監督の指導のあいまいさに腹を立ててセットを飛び出したこともあったとのこと。
撮影はキャストとスタッフの関係は大分ギクシャクしていたみたい。