製作国:フランス
at ギンレイホール
田舎町の食料品店の二階で毎日空想に夢を膨らます少女がいた。
その少女エンジェルは出版社に送った原稿が認められて処女作を出版。
一躍流行作家となりセレブの仲間入りを果たす。
小さい頃から住むことを夢見ていた大豪邸「パラダイス」を購入し、売れない画家だが色男のエスメも手に入れる。
しかし独善的で空想と嘘で塗り固めた彼女の人生は・・・
貧しいめの庶民だったエンジェルは一躍セレブに。
そんなエンジェルが不幸のどん底の中で、過去にお嬢様だったが今は家が凋落してしまった女性と対面するシーンがある。
落ちぶれたとはいえ真のお嬢様。質素ななりから滲み出す上品さ。
一方対面するエンジェルはというと疲れ果てた白い顔がまるで幽霊のよう。
それまで豪華に着こなしていたドレスもごてごて派手なだけで趣味が悪く、中身がうずもれて貧相になっている。
このシーンにはエンジェルに訪れた不幸が痛烈に凝縮される。
人の言葉には一切耳を貸さない、嘘偽りは当たり前、常識なんて気にしない、自分の夢と理想だけを一心に見つめて才能と嘘で現実に変えていくエンジェル。
そんなエンジェルが現実に徹底的に打ちのめされる瞬間。
エンジェル自身が打ちのめされたと感じているんじゃなくて飽くまで観客が元お嬢様との対比で打ちのめされているエンジェルを見る瞬間。
だってエンジェルは死ぬまで空想と現実をリンクさせながら物語風に生きていく滑稽な存在なのだから。
だからこそ愛すべき存在。
この対面シーンにくるまで、往年のハリウッド映画のような合成使ったりエンジェルの成功も駆け足だったりとどこかふわふわした紙芝居風のものがあっただけに一層悲劇に見える。
映画に付加する現実味の量とタイミングが絶妙で楽しい。
『ブロークバック・マウンテン』で頑張って起き過ぎた為、途中で寝てしまう。
凄い後悔。
『ブローク~』の数倍面白かったのに。
主演はロマン・デュリスと並んでフランス映画界の最重要若手メルヴィル・プポーです。
売り出し中のファッションフォトグラファーのロマン(メルヴィル・プポー)は癌で余命3ヶ月と宣言されます。
幼年時代の姉との思い出をフラッシュバックさせ、不仲の家族、理解者の祖母(ジャンヌ・モロー)、恋人との関係、種の保存等、かけがえのない生の温もりを愛しくなぞりながら、死に向けての準備をしていきます。
静かな映画ですが、この監督独特の色合いの非現実的な生々しさが、熱く愛しくさせてくれます。
離婚調停の日から始まり出産結婚出会いと遡っていく。
二人の男女が共に歩んだ人生の断章が遡っていく。
なんだこのホテルの部屋のモスグリーンの壁紙は?
壁紙と同じ色のTシャツ、同じ色のコート。
落ち着いた色なのに落ち着かない配色。
肌のくすみを少しも隠さずひたすらありのままにくっきり映す裸体。
復旧できないバランスの中の強引な結合もむなしく別離の瞬間にかかる不釣合いな明るめのイタリアンポップス。
「?」と思うと時間は遡りいくらか幸せな時期のディナー風景へ。
『ペパーミントキャンディー』のように性格や人生までも変えるほどの事件が起きるわけでもなく、淡々と過去が綴られる。
未来の破綻を知らない出会いの瞬間は淡々ながらも輝いて。
ラストの方は無性にエリックロメールの映画が見たくなる。
『8人の女たち』(2002)で最年少の次女を演じたリュディヴィーヌ・サニエ。
中学生くらいの少女かと思っていたのに20代半ばらしい。
ぽろんぽろん惜しみなくこぼれるたわわな胸。均整のとれた美脚。いたずら少女のような幼いハスキーボイス。そして少しアクの強い顔。
あばずれ女ぶりが可愛らしい。
対するは1946年生まれのベテラン女優シャーロット・ランプリング。
目つきがいやらしい痩せ型のおばさん。
負けじとプールサイドで陽光を受け止める水着姿がつま先からなめるように映される。
しまいにはぺろ~んと。
ぺろ~んとありえないくらいに綺麗な胸が!
さらにさらに陰毛まで!
否応ない理由(?)から訪れたおばさんの性の解放は、シチュエーション、相手、共に滑稽に痛快。