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2026年3月14日土曜日

映画『タロウのバカ』

2019年 監督:大森立嗣
製作国:日本
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合う合わないが明確に分かれそうな映画。
面白いのか面白くないのかよくわからない映画でもあった。
私の場合どちらかというと不快感が勝っている。
社会からはじき出された少年達、未来を見ていない無敵状態の彼らの刹那的なあがきが描かれていくのだけど、それが一瞬のきらめきで輝いて見えればまだいいのだが、ひたすらに不快な苦しさだけがある。
河原で白マスクの演劇集団が出てきたときは昔のATG映画みたいな雰囲気になるし、この映画の方向性が分からなくなって混乱する。
あと皆ぼそぼそ喋るから半分くらいセリフが分からなかったw

冒頭本物の障害者の人たちがたくさん出演しているのね。
脚本とはいえ役者が結構な暴言を吐く。
本物の人たち使う必要ある?って思うけど、この不快感はこの映画の覚悟の表れかもしれない。真正面から描いていきますよっていう。(それが面白いかどうかは別)

主演菅田将暉と仲野太賀とYOSHI。
YOSHIが雰囲気あってかなりいい。歌手俳優モデルと幅広く活躍していたらしい。2022年バイク事故で逝去。
賛否両論ありそうな映画だけどYOSHIの唯一の映画出演作として貴重な気がする。
あと、植田紗々という子が意味もなく(しかもシーンとして唐突に)脱いでいる。

2019年5月5日日曜日

映画『日日是好日』

2018年 監督:大森立嗣
製作国:日本
at ギンレイホール




予告編にもあるけど樹木希林のこのタイトルの読み上げ方っていかにも樹木希林って感じでいいよね。
二十歳の大学生典子(黒木華)はひょんなことから従姉妹の美智子(多部未華子)とともに茶道を習い始める。
お茶の先生役に樹木希林。

典子が茶道の才能に溢れていて、何気なく始めたのにめきめき頭角を現して大会で優勝しました!とかそういうストーリーじゃない。
才能というかセンスがあるのは後から入ってきた女子高生(山下美月)で、典子の方はそんなにセンスない。
まあ、形から入ってあとで心が付いてくる世界では継続が重要なんだろうし上達の速さはたぶん些事。
おっちょこちょいと言われる典子が茶道を好きなり、茶道を通した「気づき」が人生の悲喜こもごもに寄り添っていく支えていく物語。

なにで見たか忘れたけど映画においてモノローグの多用はださいという通説があったと思う。
心象とか状況とか、映画なんだから言葉で説明しないで映像や演技で表せよ、言葉で説明しちゃったら小説から想像力を奪っただけの作品になっちゃうじゃん、とかそんな理由だと思われる。
ただ個人的には別にモノローグは嫌いじゃないし、むしろ説明してくれてありがとうなんだけど、この映画見ていたら「うっせーな、おい」と思ってしまった。
「掛け軸は字を読むんじゃなくて絵として眺めればいいんだ(どや)」
「ある日些細な音の違いがわかるようになった(どや)」
等々、中学生か!と思うようなことを私って感受性豊かでしょとひけらかすように言われ続けるとうるさくもなる。
「日日是好日」の額が前半の浅い理解から、後半で人生を経た上で新たな意味を持って再度映し出されたときに、おおーってなったのに間髪入れずにモノローグ(セリフだったかも)で説明が入るもんだから、「ここも説明するんかい!」って心でつっこんでいたら何におおーってなったのかも忘れてしまった。

原作は森下典子のエッセイ『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』。
エッセイが原作ならモノローグも多くなっちゃう、かな。

これは確か90年代初頭くらいからの話だったと思うが、最近『1987、ある闘いの真実』のキム・テリを見てから80年代あたりの女性ファッションや髪型が好きで、だからかわいい多部ちゃんが見れて満足した。

2014年4月20日日曜日

映画『さよなら渓谷』

2013年 監督:大森立嗣
製作国:日本
at ギンレイホール




予告編をいつも眼鏡かけないで見ているからいつも細かいところがぼやけているのだけど、却って良かったかな。ネタばれしなくて。

緑の夏の匂いがむっと立ち込める田舎町で、薄着の夫婦がバラック小屋のような家に帰っていく。
美男美女の夫婦。
この二人が絵になるんだな。
何十年もよりそってきたようなこの夫婦だけど実は、って話。

真木よう子がかなりのベッドシーンを演じている。
エロさというよりか、肌のくすみ具合とか大人の女の色気がむんむんと空気を満たしていくような感じ。

渓谷のシーンとか西川美和の『ゆれる』を思い出した。


記者役の子、なんか味のある顔した女性だなと思ったら鈴木杏だった。
もう一人の記者に大森南朋。知らなかったけど大森立嗣と兄弟だったんだ。じゃあ大森立嗣も麿赤兒の息子か。

2011年8月7日日曜日

映画『まほろ駅前多田便利軒』

2011年 監督:大森立嗣
at ギンレイホール




アウトロー、は言い過ぎだけど、ちょっと社会からはみ出し気味に便利屋を営む若者二人の物語。
っていうと高校生や大学生なんかが喜んで飛びつきそうだ。
実際僕も昔こういう映画が大好きで、阪本順治が撮った傷だらけの天使とか大好きだったな。
ただ、この手のストーリーは「俺達ってかっこいいだろ?」みたいなすかしてガキくさい雰囲気をかもし出すものが多いから、無条件に喜んでいた昔と違って単純に楽しめなくなってきている。

この映画も予告編を見る限りあまり期待していなかったのだけど、いやあ、面白かった。
破天荒すぎず、真面目すぎず。いい塩梅。
惜しげもなくゆったり間を撮った撮影のリズムが不穏な空気を漂わせながらもなぜか安心する。

主演は瑛太と松田龍平。
松田龍平は今まで無表情で棒読みな印象が強かったのだけど、この映画では役柄もあいまってか彼の持っている雰囲気が凄く魅力的になっている。
いい役者さんだったんだな。
あの飄々とした感じは何度も父親とだぶる。
それを踏まえて「なんじゃこりゃー!」だもんな。
父親の雰囲気に加えて、父親よりも壊れやすそうな危うさがあって、それが松田龍平の特異な武器だろう。
瑛太の方もあまり意識したことなかったけどこの人はごく自然体になんでもできる。
この配役は見事。
ジャニーズ系とか森山未來とか松山ケンイチとか、後誰だ?とにかくそういう寒くなりそうな人達を使わないところが嬉しい。

脇役も豪華かつそれぞれほんのり胡散臭さを潜ませながら驚くほどはまっている。
本上まなみ、柄本佑、大森南朋、松尾スズキ、麿赤兒、高良健吾、岸部一徳。
あと、若そうだけどあまり可愛くなくてパッとしない子、でもどこかで見たことあると思いながら大分してからはっと気付いた鈴木杏。

知らなかったのだけど大森南朋は麿赤兒の子供だったんだね。
しかも監督の大森立嗣も。