2004年5月16日日曜日

映画『伊豆の踊子』

1974年 監督:西河克己
BS2 録画


伊豆の踊子

映画の伊豆の踊子を見るのはこれで2回目。
1回目は高橋英樹、吉永小百合版で見ている。この時の監督も西河克己だった。
別に百恵ファンでもないから大して興味もなかったのだけど出演者に石川さゆりという名前を見つけたので録画していた。

期待していなかったわりには結構面白かった。
百恵さんが好演していて。
書生役の三浦友和は高橋英樹よりかは頭よさげに見える。
百恵友和の初共演作とのこと。

ラストシーンが面白い。
座敷で芸を続ける百恵だが刺青をした酔客にまとわりつかれ、さりげなく払っていたのだけどついに抱きつかれてしまい百恵さんが「うっぷ」という顔をしたところで画面が静止し、「終」の文字が浮かび上がる。
ちょっと笑ってしまうようなこれがラストシーンでいいの?・・・というかこの抱きついたエキストラはこの役を貰ったときに小躍りして喜んだのだろうな。

時折友和の心情がナレーションで入る。
この声が友和ではなくて宇野重吉なのだ。
確か高橋英樹版では大學の教授かなんかになった書生さんが過去を振り返るという形式で物語が進んでいたような気がする。そしてその教授役を宇野重吉が演じていた。
ということは友和版もこれ昔を振り返るという形式をとっていたのだろうか。書生の未来の姿など一切出てこないのだけど。

見終わって、ふー、っと一息ついてから思い出した。あっ!石川さゆりは!?
早送りしながら探していたら、病気で死ぬ寸前だった女郎のおきぬちゃんが石川さゆりさんだった。
う~ん。そうか。影うすいなぁ。

百恵さんを金で買おうとしたエロおやじは三遊亭小円遊。
百恵さんの覗き見に熱中するあまりに、つい友和が落としてしまったガラスの釣燈籠。落ちて割れた釣燈籠を拾い上げた板前さんは鈴木ヒロミツ。やせてる。
一瞬だけ出てきて百恵さんの可愛さを褒め称える飴屋は青空はるお。

2004年5月15日土曜日

映画『私の小さな楽園』

2000年 監督:アンドルーチャ・ワディントン
at ギンレイホール


私の小さな楽園

ブラジルのコメディドラマ。
要は淫乱女性の話なんだけど、淫乱などとは口を滑らせても言いたくない、恐れ多い気持ちになる映画(あ!2回も言っちゃった)。
主人公のダルレーニという女性はあまり美人とはいえない女性(というかおばさんか)なのだが、なぜかもてもてで子供を4人生む。
しかも4人の子供の父親が皆別人。そして実の亭主との間に子供はいない。いんらんじゃ~!
と、言いたくなるのだが、ダルレーニはふくよかで豪快で笑うとむきっと歯茎が飛び出し時に可愛らしい表情を見せるおばさんで、・・・えーっと、つまり野性的なんだな。
だから奔放な性は汚らしさよりも湧き上がる生命の思わず拝みたくなるような輝きを見せる。

性交→出産→性交→出産・・・
ガキが簡単にぽんぽん生まれてくるところがダルレーニを神にする。
(生まれた子がこれまた亭主とダルレーニとは似ても似つかない)
出産シーンはほとんど描かれない。本当ぽんぽん人種も目の色も違う子供がダルレーニから飛び出してくる。
苦しんで苦しんでやっとの思いで一つの生命を産み落とす偉大な女性が描かれない。いいのだ、ダルレーニは。もともと偉大な母なる女神なのだから。

ブラジルのどこまでも広がる底の無い青い空と、空に張り合うかのように体を横たえる荒涼とした大地。そしてダルレーニ。

ところでハンモックって乗った瞬間布がびりびり破けて落ちちゃう気がするのだけど。
ハンモックって丈夫なんだね。

映画『かげろう』

2003年 監督:アンドレ・テシネ
at ギンレイホール


かげろう

主演エマニュエル・ベアール。
顔はもう結構おばさんになっているのに脱いだら凄い。
なんかこの"脱いだら凄い"ってパターン最近あったなぁと考えてみたら『ピアノレッスン』のホリーハンター。
顔だけ見ていると少しもそそられないのに、脱いだら完璧なまでの体のラインと張りにびっくりしたあのホリーハンター。
今回のエマニュエル・ベアールも相変わらず美しいとはいえ老け始めの顔に似合わず20代かと思うぴちぴちした裸体に驚く(本物?)。
それにしてもエマニュエル・ベアールって痩せたよなぁ。
『美しき諍い女(いさかいめ)』の時はもっと太っていた気がするけど。

第2次大戦下のフランス。戦火に包まれるパリから南仏に逃げるエマニュエル・ベアールと2人の子供。
南仏へと行進する群集を突如襲うドイツの戦闘機。
道の縁でおびえながら伏せている人たちの上に戦闘機から黒い物体が重力に従い降ったかと思うと大爆発。
一つ、二つ、三つ。
爆発で吹き飛ぶおっさん。子供達をかばって泣きながら(確か泣いていた)伏せるエマニュエル・ベアール。
これが本当に戦闘機から爆弾が投下されているかのように見えるんだな。だからエマニュエル・ベアールと一緒に僕は泣いたよ。

ストーリーはこの戦闘機の爆撃時に知り合った青年とエマニュエル・ベアール親子が森の奥深いところにある立派な無人の屋敷で戦争が終わるのをひっそり待つ話。
戦時下なのに人間の戦争なんて無縁に広がるフランスの自然に覆われひっそり佇む屋敷で登場人物一人一人の心の揺れ(変化)がもろくも力強い躍動を見せる。
過去、現在、未来。人間はどれを真摯に見つめるのが一番いいのだろうな。

結構面白かった。見ていて何度も緊張させられるし。
ラストシーンってなんだったんだろう。意味ありげに知らんおっさん映してるし。

「巨匠アンドレ・テシネ監督」・・・って言ったってボクしらな~い、って思っていたけど『夜の子供たち』という映画を以前見ていた。
『夜の子供たち』はめちゃ面白かったのさ。
この監督、もう2,3作見て気に入ったら好きな監督リストに入れよう。

2004年5月14日金曜日

映画『大学は出たけれど』

1929年 監督:小津安二郎
BS2 録画


小津安二郎 DVD-BOX 第四集

高田稔を『朗かに歩め』で初めて見たと思っていたけど、この『大学は出たけれど』で見ていた。
大卒の真面目な男を演じているがこれはこれでかっこいい。

この作品は本来約70分あるらしい。しかし現存するのは11分の短縮版のみ。
あっというまに終わる。
昔フィルムセンターで見たときもマーベルグラフ短縮版という11分の断片だった。全部見てみたいなぁ。
ラストで歩道橋から夫の乗った電車を見送った田中絹代は何かを思い出したかのように突然駆け出す。
えっ?なんだろう?鍋の火でも点けっぱなしだった?

映画『朗かに歩め』

1930年 監督:小津安二郎
BS2 録画


小津安二郎 DVD-BOX 第四集

ナイフの謙と恐れられる不良モダンボーイが当時日本で一番素敵な女性だった筈の川崎弘子さんに一目ぼれする。
弘子さんは不良が大っ嫌い。だからナイフの謙は更生する。
単純と言えば単純なストーリーだが、めちゃくちゃ面白い。

モダンな洋室に住むナイフの謙と貧しい日本家屋に住む川崎弘子。かっこいいオープンカーに乗って行ったデート先は鎌倉の大仏。
大仏のすぐ側にオープンカーを止め、大仏を背に石段に腰掛ける二人。ナイフの謙はかっこいい洋装で弘子さんはしとやかな和服。
デートについてきた弘子さんの妹は洋装で、大仏の側で紙風船で一人遊ぶ。
何気なく異質のものを画面に並置している、そのしれっとした感じが面白い。

ナイフの謙は一度弘子さんの妹を車で轢きそうになる。その時泣く泣くうち捨てられた妹のキューピー人形。人形の足が割れちゃったから。
数日後、三人で大仏見に行った帰り、妹を轢きそうになった現場を車で通る。
今じゃもうあの事件も笑い話だ。道端に捨てられたキューピー人形は何度も通りを行く車に踏み潰されたため無残にもぺちゃんこになっていた。
ぺちゃんこのキューピー人形はもう笑いの種でしかない。三人でキューピー人形の変わり果てた姿を心ゆくまで笑い飛ばした後、あれほど名残惜しげに足の割れて捨てられてしまった人形を振り返りつつ見ていた妹が、ぺちゃんこ人形を車内からぽーんと後ろに笑いながら放り投げてしまった。
再び道端に転がるぺちゃんこ人形。この残酷さが妙に可笑しい。
この映画では、捨てる、拾う、という動作が何度も出現する。帽子だったり人形だったり細切れの紙だったり縄跳びだったり・・・
苛立ちの表れの捨てるだったり、父のような義兄が出来たことによる人形との別れ(ちょっと強引な解釈か?)であったり、ナイフの謙と仙公との間に細く引かれた溝を一気に飛び越す縄跳びだったり、相手を馬鹿にした意味での捨てるだったり、特に意味はなかったり・・・
意味というか、物が放物線を描いて落ちるという動きが画面に入るとなんだか面白いよね。唐突に画面にスピード感が加わった後、投げられたものは直前の躍動が遠い過去の事のように死んだように静止する。
放られた後、捨てられ置き去りにされる哀愁があったり、執拗に拾う可笑しさがあったり。

ナイフの謙を演じたのは高田稔。
この人恐ろしくかっこいい。あの視線はまさにナイフ。ただしどこかあやういナイフ。
うつむいている時の美しさは男の僕でも思わず見とれる。
うつむいた美しさと言ったら忘れていけないのが川崎弘子さん。美人ではないのだけどなんでこんなに可憐なのかなぁ。
可憐さと美しさは弘子さんがうつむいたときにピークに達する。見とれちゃうね。
不良モダンガール千恵子を演じるのは伊達里子。この四角い顔した人『淑女と髭』でも弘子さんをいじめていたのだよね。
伊達里子さんはモダン・ガールを代表する女優で小津はこの伊達里子さんや井上雪子さんを連れて颯爽と横浜を歩いていたらしい。
ちなみにゴルフ場のシーンでキャディをしていた少年達の一人にひょっこり突貫小僧がいたよなぁ。

2004年5月11日火曜日

2004年5月9日日曜日

映画『西部の男』

1940年 監督:ウィリアム・ワイラー
BS2 録画


西部の男

ウィリアム・ワイラーが撮った西部劇。
テキサス州ペコスで農民と牛飼いが対立していた。
牛飼いは昔からこの土地にいて牛の放牧をしていたのだが、後からやってきた農民が牛によって作物が荒らされるといって土地に柵を立てる。
牛飼いは生意気な農民め、ってことで柵を壊し農民に発砲。農民も応戦。そんな毎日。
この土地を仕切るのは自称判事のロイ・ビーン(ウォルター・ブレナン)。こいつは牛飼いの味方で、ままごとのような裁判を行っては農民を吊るし首に。
そんな土地にやってきた流れ者がコール(ゲイリー・クーパー)。コールは中立。
だってロイ・ビーンは悪徳ではあるがどこか憎めない男で、コールはこのビーンと仲良くなっちゃったのだけど、一方農民側の娘ジェーン(ドリス・ダヴェンポート)が美しいからジェーンの家にいついちゃってもいるし、ってことで中立。
(…実際にはお互いがお互いの言い分を聞きもしないで争いをしているから話し合いで解決させようとコールは紳士になっているわけだけど)

1シーン1シーンが面白い。意表を突くというか。
夜、ジェーンが家の中で窓辺のランプに火をつけると、窓の外に光る目が!!コールが家の中を覗いていたのだった。(ジェーンの家を知らないコールはそうやって何軒も必死に家の中を覗きまわっていたのだろうか)
他にもロイ・ビーンを殺しにやってきた数人の農民がビーンのいる部屋のドアに一斉に銃を構えてビーンが出てくるのを待っていると、突然後ろのドアが開き銃を構えたビーンが現れたり。
意識を集中させていない画面の一点にいきなり意識を持って行かせる。

ピンチのシーンも多々あり。処刑されるピンチ。馬で追いかけられるピンチ。嘘がばれそうなピンチ。中立という中途半端な立ち位置によるのっぴきならないピンチ。
ユーモアも織り交ぜ切り抜ける痛快さ。

いやあ、つまり面白かったな、この映画。

2004年5月8日土曜日

ゲーム

確か5/2だったと思うけどPS2のゲームを買った。
「ギガンティックドライブ」というロボットアクション。
ロールプレイング好きなのだけど、やると越すまで何も手がつかなくなり1日中やっちゃうから時間がもったいないしってことでこのアクションゲームを購入。
でもアクションゲームのくせに面白くて本当何日も一日中やってたな。
GW最後の5/5が終わるまでに3回クリアした。1日1回クリアくらいのペースで。
ゲーム中CDかけていたのだけど、30枚以上聴いてしまった。

このゲーム巨大人型ロボットを操縦するんだけど、両手両足を一つ一つボタン操作で動かす。
前進するにはR1ボタン(右足)とL1ボタン(左足)を交互に押すとか。

敵そっちのけで街を好きなだけ破壊しまくるもよし、紳士に街の被害を最小限に抑えるように努力するもよし。
逃げ惑う人をロボットでつかんだまま敵めがけてロケットパンチするもよし。
友人のバイト先のパン屋を徹底的に手榴弾で破壊しまくるもよし。
(この子は金に困りショーパブで働こうとしだしたりして、最終的には東京に仕事を探しに旅立ち音信不通になってしまう。ちょっと笑った。)

ストーリー終盤でヘリに乗った突撃レポーターの番原さんを偶然殺してしまったのだけど、それ以降のストーリーで番原さんの死に全く触れないっていうゲームの演出によりかなり罪悪感を感じた。

暫くゲームは買わないことにする。

映画『ピアノ・レッスン』

1993年 監督:ジェーン・カンピオン
BS2 録画


ピアノ・レッスン

変態がいて、変態がいて、変態がいて、アンナ・パキンがいる。
アンナ・パキンって昔の表記じゃアナ・パキンじゃなかったっけ。
まあいいや。
エイダ(ホリー・ハンター)は変態的な形で愛を示す男ベインズ(ハーヴェイ・カイテル)のどこに惚れたのか?
カイテルの体?
カイテルがこれまたホリーハンターにピアノを弾かせ、自分はピアノの下に寝そべりホリーにスカートまくれと命令する。そして妻エイダが他の男に体を売ってもこっそり覗き見しているだけの夫スチュアート(サム・ニール)。
ただし心まで明け渡していると知った瞬間には狂気の男に変身。

うーん。ストーリーを書く気にもなれないなぁ。面倒で。
だって面白いか面白くないかっていったらこの映画それほど面白くなかったからな。
ジャンルは恋愛ドラマってことになるのか。
アンナ・パキンが見せた見事な側転くらいしか覚えてないな。
あとハーヴェイ・カイテのむささ。

2004年5月2日日曜日

映画『櫻の園』

1990年 監督:中原俊
録画


櫻の園

顔は若いのにおっさん臭い格好した男と中学生っぽい制服少女がいちゃついている。
男が帰り、入れ替わりに部長と呼ばれるこれまたなんだかおばさん臭く野暮ったい少女が入ってくる。
そこからは少女少女少女が次々になだれ込んでくる。
舞台はどこかのグレードの高い女子高。創立記念日でチェーホフの櫻の園を上演する演劇部の少女達らしい。
中学校かと思ったら高校なのね。
数十人の女子高生で画面がごった返すけど、主要人物の登場の仕方に気が配られているため混乱はそれほどしない。

創立記念日当日、3年の杉山さんが前日に喫茶店で煙草を吸っている所を発見され(実際杉山さんは吸っていなかったのだけど)大問題になり、毎年恒例の櫻の園の上演だが今年は中止するという案が教師の間で持ち上がる。
冗談じゃないよって少女達は怒り、そこに少女同士の恋愛がからんだりしながらごたごたする話。

少女達はそろいもそろって野暮ったい。しかしそこにほんの数人の可愛い子がいる。

なんといってもクールビューティーつみきみほが凄い。昔は可愛かったのだな。
渦中の杉山さんを演じるつみきみほだが、皆の前でしおらしく「すいません」と謝っても彼女がかもしだすしれっとした雰囲気のため可笑しくてしょうがない。

あと、倉田さんを演じた白島靖代。宝塚の男役でもやっていそうな風貌。
櫻の園では女主人役を演じる事になり、自分は男役しか合わないのになぜ自分がこの役?と自信なく悩む。
そしてもっと女の子っぽく生まれたかったとも悩む。
そんなことないさ、十分可愛いよ。と思っていたけど、ラストの方で女主人の衣装と化粧をした白島は男が女装しているみたいでえらい不気味だった。
部長と一緒に曇りのない笑顔で写真撮ってるし。

そして、可愛くないけど気になったのが久保田麻紀を演じた梶原阿貴。
いるよな、こういうやったら偉そうな女。梶原阿貴が上手すぎて笑える。
えらそうな久保田をさしおいて、奥手そうな後輩城丸が彼氏と外泊しているなんてところも面白い。

この映画会話がリアル。
話の内容っていうか群れた少女達が相手に同意を求めながら騒いでいる姿が。
今の女子高生からしたらリアルじゃないけど、女子中あたりの少女なら今でもこんな感じなのではないだろうか。

まあ、つまり面白かった。
脚本がよくできていて少しも飽きない。
そして煙草。様々な場面で(ストーリーの流れに関係あるなしに関わらず)映画に緊張感を乗せるこの小道具。上手い。
原作は吉田秋生の漫画。

ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セッブンエイト(セブンのブンだけ音程が上がる)