BS2 録画
大友克洋総監督で3話の短編。
Episode.1 「彼女の想いで」
時は2092年・・・SF
ハインツの娘の声が×
Episode.2 「最臭兵器」
これが一番分かりやすいか。
ありえないくらいずさんな管理。ありえないくらいにぶい田中信男。
世界を揺るがす一大事件もとことんギャグアニメ。
Episode.3 「大砲の街」
どう話が展開していくのかと思ったらあっというまに終わり。
ブリジット・バルドー主演。当時とても40目前だったとは思えない。
他にジェーン・バーキンまで出演している、という映画。
副題が「ドン・ファンがもし女だったら」。
親の遺産で金に困らないジャンヌ(ブリジット・バルドー)がその持て余した美貌を使って様々な男を誘惑、破滅させていく。
誰にも理解されない空虚な心を埋めるべくもがき苦しむ悲しき女。
色彩、衣装、ゴシック風音楽、不自然なカメラの動き、不自然なアングル、不自然なシチュエーション、もう全てが怪しくて妖しい。
ジャンヌのせいで地位も家族も失った男が失意の中彷徨う場所がなぜ食肉の解体場なんだ?
なんなんだ、男の家の異様なまでに赤い色した趣味の悪い部屋は。
挙げたらきりがないくらいにあふれる不自然、無意味、奇抜、チープ、そして思いのほか堅実なシーンのひとつひとつがとても面白い。
まあ鍵っていうのは千代子が女優になる前に出会った青年活動家の持ち物だったのね。
そして幼き千代子はこの青年活動家に恋する。
憲兵に追われて行方知れずになった青年活動家に鍵を返すため(青年と再び再会するため)の長いながーい道程が彼女の出演作とシンクロしながら描かれていく。
とりあえずごちゃごちゃしているのだが細かいところはどうでもいいや。
一人の青年を愛し、一生探し続けた可憐な女性の物語。
青年を求め、走り叫ぶ姿や泣きの描き方が上手いのか泣き所がいくつかある。
「もう 顔も思い出 せ な い」この静けさと呆けた社長とカメラマンの顔。泣ける。
この映画の山場である青年の手紙を読み北海道にひたすらかけて行く中年にさしかかった千代子の駆ける姿なんかカットバックのカオスと音楽と合わせて少し鼻で笑いながらも泣ける。
「待って 待って! お願いです! 待ってぇ~!!」泣ける。
千代子のラストの台詞はいくらか救いか。
このアニメ、老いと人生の積み重ねも一つのテーマになっている。
千代子のファンでお茶目な社長なんて顔といい格好といいどっからどうみても怪しいおっさんなんだけど、青年時代の純朴で心優しい姿と現在の姿が重なる瞬間に時の流れと一人の男の人生が浮かび上がる。
撮影所の下っ端がそのまま映画界にとどまって小さな制作会社の社長になったのか。
愛しいおっさんだ。
ラブロマンスが結構いける。
パーティ会場で敵の本拠地でもある屋敷の中、袋の鼠状態で他の客にまぎれて主演二人がダンスをするシーン、逃げ出す方法を考えなきゃいけないのに二人はキスするんですね。
そんな状況じゃないのに。
ラストにロバート・カミングスを救い上げようと手を差し伸べるプリシラ・レインの表情もいいし。プリシラ・レイン泣いてるし。
ってなんか別にラブロマンスに力が入っている作品では決してないんだろうけど。
ヒッチコックの映画は全体的に妙にエロティックで。
主人公の親友が炎に飲まれるシーンが凄い。
圧倒的火力に圧されて消火器を持った人型が後方へと無情にこてっと倒れた瞬間あっという間に炎が鬼のような表情で猛り狂って全てを包み込んでいってしまう。
炎に包まれる人間を変に合成などせずに人形(たぶん)を使っているのが良くて、自由に動けない人形ができる数少ない動きである「倒れる」という単純な行為が、見事なまでに炎の脅威と逃げるそぶりを見せる間もなく消火活動をする体制のまま倒れて消えてしまうあっという間の出来事という悲しさを感じさせてくれる。
そしてラスト。
音楽が一切無いので息を詰めて見てしまう。
自由の女神の親指と人差し指の間にぶら下がってしまった犯人を助けるべく躊躇無く犯人のところまで降りていった主人公を見て初めてこの主人公がかっこよく見える。
俺だったら見殺しにする。怖いもん。あんな高いところ。
アマロ神父の罪というくらいだからこの男は何か罪を犯していく。
その罪の後で悔いたまま浮浪者にでもなってくれればいいものを。ラストは中途半端なまま終わってしまう。
若者は傷の治りが早いな。
普通に殴られただけでも打ち所が悪ければ死ぬと言うのに、釘の飛び出た木材持って乱闘しても喧嘩では誰も死なないところが凄い。
アンソン役の高岡蒼佑ってどっかで聞いた名前だと思って調べたら『アカシアの道』のあの暗くて冴えない兄ちゃんだ。全然顔が違う。
アンソンの彼女役はおばさんくさくて無名の女優だと思っていたのに、後で調べたら楊原京子なんだな。