2006年4月9日日曜日

映画『ザ・ミッション 非情の掟』

1999年 監督:ジョニー・トゥ
BS2 録画


ザ・ミッション 非情の掟

なんで録画していたのか忘れたが、まあ面白かった。
何者かに命を狙われたボスを護るために集められた五人の精鋭。
敵はいつでもどこでも突然やってくる。
常に緊張感に溢れます。
ただボスを護るという単純なミッション。しかしこのミッションの後にはもう一つのミッションが待っていました。

ばらばらだった5人が徐々に仲間意識を持ってくるラストに向けて、クールな男達が熱さを帯びてきます。
美男子と呼べそうな人はいないけど後半に行くに従い一人一人が魅力的な顔をしてきます。
目がやばくて非情そうに見えたロイ(フランシス・ン)は情に厚い男でした。
人を無視して態度がでかかったフェイ(ラム・シュー)も友情に厚くしかも初めとはうって変わってコミカルな面も見せてくれます。
かっこいいのかもしれないけれど馬顔なマイク(ロイ・チョン)も一匹狼的で魅力的になってきます。
頭の悪そうな若者シン(ジャッキー・ロイ)はやっぱり頭が悪かったです。
4人を束ねるグァイ(アンソニー・ウォン)の目は最初から最後まで堀部圭亮でした。

2006年4月2日日曜日

映画『あふれる熱い涙』

1992年 監督:田代廣孝
BS2 録画




主演ルビー・モレノ。
外国人労働問題、過疎問題、環境問題、少年犯罪、マスコミの高慢、等々、いろいろ盛り込んでみました。
いろいろ盛り込まれているが最終的にはルビーモレノと鈴木正幸の成長譚みたいな話、ということで収斂。
岩手の寡黙な男を鈴木正幸が演じ、ルビーモレノをまっすぐに見つめたときの視線の熱さは結構いい。

真っ赤っ赤ーや真っ青っ青ーな画面等赤と青を基調とポイントにして僕が子供の頃一番汚い街だと思っていた新大久保がメインの舞台になる。
この雑多な街とあまり美しくない赤と青のフィルターに最もよくなじんだのが佐野史郎と戸川純の奇妙なカップル。
ああ、とても強烈。
役どころもそうなんだけど一体二人から滲み出るこの不幸さはなんなんだろう。

2006年4月1日土曜日

映画『ヴェニスの商人』

2004年 監督:マイケル・ラドフォード
at ギンレイホール


ヴェニスの商人

なんか凄いな。キリスト教徒がとんでもなくひどい人達に見える。
ラストの方、判決後ののバッサーニオとポーシャ達のやりとりなんて俗悪そのものでした。

映画『ロバと王女』

1970年 監督:ジャック・ドゥミ
at ギンレイホール


ロバと王女 デジタルニューマスター版

『ロバと王女』のデジタルリマスター版。
ジャック・ドゥミの妻アニエス・ヴァルダとその二人の子供で修復監修したらしい。

青の国には宝石のうんこをするロバがいました。
このロバのおかげか知らないが王国は裕福で人々は幸せに暮らしていました。
青の国ということで従者やどうでもいいエキストラが顔を青く塗りたくられていますが、それでも彼らは幸せでした。
青の国ということで馬が青いペンキで塗りたくられていても、調度品や剥製のいくつかがぽつんと青く塗りたくられていても、彼らは幸せでした。
しかし青い色の毒々しさと趣味の悪さにやられたのか王妃が病に倒れて死んでしまいます。私より美しい人を見つけて再婚してくださいと遺言を残して。
王様は国中の女性から再婚相手を探しました。
しかし王妃を超える女性はいません。
と思ったところ、一人娘の王女様が全ての条件をクリアするただ一人の女性だと気づきます。
王様は娘と結婚しようとします。
王女は戸惑います。
悩んだ王女はリラの妖精のアドバイスを受けて王様に無理難題を突きつけます。
難題は次から次へと簡単にクリアされてしまいます。
困った王女は最後の難題で得た宝石を生むロバの皮をかぶって逃げ出します。
はいだばかりの生皮ですがぬいぐるみのかぶりものみたいで可愛いです。
遠く離れた地で、蝦蟇蛙のつばを吐く老女の下女として王女は働きます。
この村に赤の国の王子がやってきます。
馬は赤く塗りたくられています。
王女はこの王子の心を射止めようと結構打算的に行動するのでした。
続く。

衣装も調度品も豪華絢爛なのだけどちゃんとファンタジーの世界に収まっているからなんか楽しい。
金かけて豪勢なだけで高尚さを押し付けられたらなんも面白くないしな。
ファンタジーといっても色彩も登場人物の言ってる事もやってることも結構毒々しかったり残酷だったりするのだが。
ひとつ気になったのは指輪が合う女性探しで、「ロバの皮」の一つ前に現れた召使の娘は「どうせあたしなんて試しても無駄です」と言っていた。
試すのが無駄だと言いながら、この娘は指輪が合って王子と結婚し、今の身分を脱却できることを夢見ているはず。
指輪をはめてみると当然「試すだけ無駄」だったのだけど、ショックが大きかったのか娘は泣きながら走って出て行ってしまう。
なんか残酷だな。
この娘以外は皆コミカルに指輪と指の不一致シーンを描いていたのに。

主演カトリーヌ・ドヌーヴ。ロバの皮を脱ぎ捨てた途端に太陽のドレスのドヌーヴが出現し王子と手を握って並ぶシーンは泣ける感動シーン。
王様役にジャン・マレー。脚が細くて貧弱に見えるが筋肉質。
王子役にジャック・ペラン。最近では『WATARIDORI』の製作や『コーラス』の製作/出演(成長後のピエール・モランジュ役)をしている。
リラの妖精役にデルフィーヌ・セイリグ。リラの妖精はなんでもありです。電池を知っているし、ヘリコプターも持っています。

2006年3月25日土曜日

映画『ザッツ・ダンシング!』

1984年 監督:ジャック・ヘイリー・Jr 製作総指揮:ジーン・ケリー
BS2 録画


That's Dancing (Ws Rmst Sub)

アメリカのミュージカル映画ダンス映画の歴史を数々のダンスシーンで振り返る。
ナビゲーターはジーン・ケリー、サミー・デイヴィス・Jr、ミハイル・バリシニコフ、ライザ・ミネリの4人。
ミュージカル映画には今まで興味がなかったのだけどダンスシーンだけ見ていると面白いな。

フレッドアステアが1930年代ころに出演した映画のシーンがいくつか流れたが、この初期の頃のアステアのダンスは凄い。
『ロバータ』(1935)でのソロのきれとエレガントさ。
そして『有頂天時代』(1936)でアステアとジンジャー・ロジャースの二人が見せたステップは本当かっこいい。
ハイヒールで華麗にタップを踏むロジャースをアステアが見事にリードして。

アステアとロジャースの黄金コンビの後に紹介されたのが8歳のシャーリー・テンプルと56歳のビル・B・ロビンソンのコンビ。
『テムプルの愛国者』(1936)からのシーン。こちらもかなりいかす。
ロビンソンの何気なくも確実なタップとテンプルの上手さと可愛らしさ。
おどけてがにまたでステップするテンプルを見たらその芸達者ぶりに驚く。

エレノア・パウエル。
この人のタップダンスは凄いとしかいいようがない。
『踊るブロードウェイ』(1935)と『踊るホノルル』(1939)のシーンが流れたのだけど、無垢な笑顔で圧倒的な迫力のダンスを踊る姿にあっという間に引き込まれる。
見事なまでにむちむちした美脚にも。

いかにもダンスの上手そうな黒人二人が登場。
ニコラス兄弟というらしい。
『ダウン・アルゼンチン・ウェイ』(1940)からのシーン。
上手いなんてもんじゃないです。華麗にしてダイナミック。タップが早すぎて脚が見えません。

レイ・ボルジャー。
『オズの魔法使』(1939)から、かかし役のレイ・ボルジャーの未公開フィルムが紹介される。
こんな楽しげでよくできたシーンがなぜカット?
レイ・ボルジャーが縦横無尽に喜劇タップを繰り広げる。そしてそれにとことこついてくる可愛い仔犬。危なっかしい。
ジュディ・ガーランドとレイ・ボルジャーが並んで手を大きく振って歌いながら旅立つシーンなんて楽しすぎです。

無知のため知らなかったのだけどシャーリー・マクレーンって幼い頃からバレエを習っていてブロードウェイにも出ていた人だったのだね。
『スイート・チャリティ』(1969)という映画で30半ばのマクレーンが素人じゃできなさそうなダンスを披露していたからびっくりした。
マクレーンの若い頃の映画は『ハリーの災難』しか見たことないから知らなかったのだけど、もう一つプチびっくりしたのはマクレーンは30半ばでもうけばくなっていたのだな。

スカート姿でタップを踊る女性が最高にかっこいいことを知った。
ひらひらのスカートを華麗に翻しながらタップを踏むときに覗く綺麗な脚線美もエロい。

2006年3月21日火曜日

映画『南方飛行』

1935年 監督:ピエール・ビヨン
BS2 録画


航空版西部劇といった趣き。
馬車は飛行機に、広大な荒野は砂漠に、人格のない戦闘集団アパッチはアフリカの部族に。
決して着陸してはいけない砂漠に不時着すればどこからともなく現れた戦闘集団が殺しにやってくる。

郵便飛行士のベルニスは今は大使の妻となっているジュヌビエーヴに呼び出され、休暇をとってパリに帰る。
幼少の頃から惹かれあっていた二人は駆け落ちする。
大使の妻を奪う駆け落ちをしながらも勤め先には自分の居場所を報告する律儀なベルニス。
ちょうど人手が足りないときで、休暇中にも関わらず飛行を命じられたベルニスは使命感から仕事を引き受ける。
一人残されたジュヌビエーヴは両親達に見つかってしまうが、叔母の計らいでなんとか逃げる。
と、ここまではベルニスとジュヌビエーヴのメロドラマっぽくて、夫のおっさん大使は権力にものをいわせた嫌な奴だったのだけど、大使と叔母の話し合い中に実は大使は結構愛情深い男だと分かり、同時にヒロインのジュヌビエーヴがどうしようもなくアホに見えてくる。
いいとこのお嬢様ジュヌビエーヴはぬくぬく育って苦労も知らず、節約という言葉も知らず、わがままで高慢な女に見えてくる。
そんなジュヌビエーヴに恋してしまった真面目で情に厚いナイスガイベルニスの運命はというと・・・

ラストはあまりに予想外、あまりのあっさり感にぽけーっとしてしまう。
原作サン=テグジュペリ。

2006年3月20日月曜日

映画『ブラザーズ・グリム』

2005年 監督:テリー・ギリアム
at ギンレイホール


ブラザーズ・グリム

ファンタジーにもホラーにもコメディにもブラックユーモアにも兄弟愛にも成り損ねたまま117分ごたごた進んでいく感じ。
ヒース・レジャーが塔のてっぺんの傾斜のある屋根に立つシーンは高さが怖い。

映画『ポビーとディンガン』

2005年 監督:ピーター・カッタネオ
at ギンレイホール


ポビーとディンガン

オーストラリアのオパール鉱山に住む一家と町の物語。
少年アシュモルには妹ケリーアンがいる。
妹はこの鉱山に越してきてからというもの、空想上の友達ポビーとティンガンとばかり遊んでいる。
ある日ポビーとティンガンが消えてしまう。
気を落としてみるみるやつれていく妹を見たアシュモルはそれまで存在を信じてもいなかったポビーとティンガンを探し始める。

やつれたケリーアンは痛々しかったが、元気なときからやせ細っていたのであんまり可愛らしさはなかったな。

予告編を見て泣いた映画は本編を見ると泣けないというMy法則を見つけ出した一作。

2006年3月11日土曜日

映画『網走番外地 望郷篇』

1965年 監督:石井輝男
TV 録画


網走番外地 望郷篇

網走から故郷長崎に戻ってきた健さん。
黒人の少年に出会います。
舌足らずな喋り方で、声質は中性的で不思議です。
というのもこの子は少年でなくエミーという名の少女でした。
見ていると黒人ではなく日本人の少女にパーマをかけて黒く塗りたくったようにも見えます。
しかし演じるのは林田マーガレットという名前の方。
ネットで検索してみてもよく分かりません。ハーフでしょうか。
劇中健さん自身の口から黒人に対する偏見が世間にあると匂わせる台詞があります。
健さんはそんな偏見など気にせずエミーと親しくしていると暗に主張します。
と言いながらエミーを実の母親の元へ送り届けるときはエミーに荷札をつけてフェリーに乗せるのでした。
まあ、荷札は不器用な健さんのほんの愛嬌で差別とは関係ないでしょうが。

ヒロインは桜町弘子です。
時代物でしか見たことないのですが任侠物にも出ていたのですね。
敵方に雇われた殺し屋役を杉浦直樹が演じます。
口笛吹きながら振り返って健さんを見る登場シーンは世にも恐ろしい登場シーンです。
七つの子を吹いているすぼんだ口と薄い髭が怖いです。
「渡世の仲間は人斬りジョーって呼んでるよん」
ラストの決闘は杉浦直樹の怪念波でHDDレコーダーが壊れたのかと思いました。
待田京介が悪い顔して出ています。でも味方です。こんなに角刈りが決まる人はそういません。
石橋蓮司が敵方のチンピラ役で出ています。ほんとに頭悪そうです。
東野英治郎がちょろっと出ています。ただの港湾労働者で石橋蓮司達にいじめられます。
他にもアラカンやら田中邦衛、由利徹、砂塚秀夫等々。

2006年3月5日日曜日

映画『灯台守の恋』

2004年 監督:フィリップ・リオレ
at ギンレイホール


灯台守の恋

かったるい恋愛物だと思っていたらサンドリーヌ・ボネール主演でなかなか面白い映画だった。
ラストの一枚の写真には久しぶりに映画見て泣く。

抑えきれない感情でグレゴリ・デランジェールを見つめるサンドリーヌ・ボネールの瞳が美しい。
サンドリーヌ・ボネール、フィリップ・トレトン、グレゴリ・デランジェールの三者の感情が変容しながらお互いに絡み合って、瞬間瞬間の細かな機微までが鮮やかに表出していく。
三者のバランスは一人の娘の人生として温かく結晶し、その娘の感情は一枚の写真によって時代を超えて四者の感情として見事に収斂される。

この監督フィリップ・リオレは同じくサンドリーヌ・ボネール主演の『マドモワゼル』を撮った人だったんだな。
感情の襞と瞬間のはかなさをつつましく表していくのが上手い。

そういえば4年くらい前にBSでやっていたジャックリヴェットのジャンヌダルク3部作(サンドリーヌ・ボネール主演)をDVDに焼いていたっけ。
まだ見ていない。