2016年10月2日日曜日

映画『レヴェナント:蘇えりし者』

2015年 監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




予告編のグリズリーに襲われているところが衝撃で気になっていたんだけど、本編はもっと凄かった。
まじ怖いわー。

真冬の西部劇といった雰囲気をかもしつつ、圧倒的な大自然の驚異がこれでもかと押し寄せてくる。
そういえば学生の頃はこういう人間がちっぽけに思える映画が大好きだったな。今も好きだけど。
人間がちっぽけではあるけれど、そのちっぽけな人間ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)のダイハード以上の不死身っぷりや生命力がすさまじい。
普通なら4,5回は死んでるよ。
生命力の源は、復讐!
死んでいる場合じゃない。

瀕死の男の生命力と、それを簡単に飲み込み押しつぶす雄大な自然の対比に常に息を呑む。面白かった。
マイナス20度の極寒の地っていうから撮影は過酷そうだな。

映画『サウスポー』

2015年 監督:アントワーン・フークア
製作国:アメリカ/香港
at ギンレイホール




殴られまくって怒りを蓄積して最後には逆転するスタイルのボクシングチャンピオンの物語。
王者として栄光の日々を送っていたビリー・‘ザ・グレート’・ホープ(ジェイク・ギレンホール)は、その怒りを抑えられない性格がわざわいして最愛の妻を失ってしまう。
娘とも離れ離れになって豪邸も失い、どん底まで落ちたビリーは再起をかけてあるジムの門をたたく。

危険な匂いのするビリーをジェイク・ギレンホールが好演している。
『ナイトクローラー』もそうだったけど、危ない男を演じさせたら1,2を争う役者にいつのまにかなったと思う。
『ムーンライト・マイル』やら『ドニー・ダーコ』のあの細い青年はどこにいったんだろう。

妻役にレイチェル・マクアダムス。
こういうけばい格好も似合う。

他、フォレスト・ウィテカーって久しぶりに見たな。

2016年9月22日木曜日

映画『さざなみ』

2015年 監督:アンドリュー・ヘイ
製作国:イギリス
at ギンレイホール




原題は『45 YEARS』。
45年っていうのもなかなかの時の流れを感じるいいタイトルだけど、『さざなみ』っていうのもいいタイトルだよな。
邦題を原題と変えると大抵は興味本位のうすっぺらいタイトルになるのに、この変更は結構いい。
正にさざなみだから。

長年連れ添った夫婦、ケイト(シャーロット・ランプリング)とジェフ(トム・コートネイ)は45周年の記念パーティを迎えようとしていた。
そんなある日、スイスから一通の手紙が届く。
50年前にクレバスに落ちて亡くなった夫の元恋人の遺体が昔のままの状態で発見されたという知らせ。
元恋人とはいえ大昔の話であるのに、45年間もの長い月日で築き上げられた強固な夫婦の信頼関係がさざなみのように揺れはじめる。

基本的に静かに流れていく映画だけど、トム・コートネイとシャーロット・ランプリングとの間に漂う空気感が凄い。
熟年の寄り添い合ってきた空気感だったり、小さなしこりのように膨れてよどむ不信や嫉妬の空気感だったり。
カメラもなんていうか知らないけどパンフォーカスの反対で被写体のみにピントが合って奥のピントがぼやけるから、非情なくらいに役者の演技に視線が集まる。
そのフォーカスに耐えられる、どころか十二分に生かしきるシャーロット・ランプリングがやっぱり凄いよな。

ところでシャーロット・ランプリングを見るといつも倍賞千恵子を思い出すんだよね。

映画『最高の花婿』

2014年 監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン
製作国:フランス
at ギンレイホール




なかなか面白いコメディ。
フランスロワール地方に住むヴェルヌイユ夫妻には4人の娘達がいる。
3人までは嫁に出ているが、夫はそれぞれアラブ人、ユダヤ人、中国人と国際結婚になっている。
末娘こそはフランス人をと願う両親の思惑とは裏腹に、末娘が連れてきた婚約者はコートジボワール生まれの黒人だった。

アラブ人、ユダヤ人、中国人の3人が気づいたら仲良くなっているのが本当に面白い。
人種間で見た目も全然違うしお互い相容れないくらいの関係だったのに、後半で見せる生まれたときから兄弟だったかのような親密な距離感には感動すら覚える。
皆一応フランス籍なのかな。国際結婚でここまで円満なのはフランス語ペラペラだからというのもあろうが。

精神病みつつある三女が絶対どこかで見たことある女優だと思っていたけど、所見っぽい。エミリー・カン。
どの女優と見間違えたんだろう。

2016年9月4日日曜日

映画『キャロル』

2010年 監督:トッド・ヘインズ
製作国:イギリス/アメリカ/フランス
at ギンレイホール




なにこのスリリングで甘い視線の交錯劇。
めちゃくちゃ面白かった。

1952年のニューヨークが舞台の女性同士の恋愛物。
古ぼけた淡い色彩に映える衣装。
映えるといえば、ケイト・ブランシェットがかっこいい、そしてルーニー・マーラがかわいすぎる。
特にルーニー・マーラ、惚れそうだ。

118分もあったのか。
冒頭から目が離せない。


===
今日のギンレイホールは一本目に見た『リリーのすべて』が凄い混んでいたんだけど、なんだったんだろう。
ジョニーデップだのディカプリオだのが出ていたわけでもないのに謎すぎる。
この『キャロル』は見た時間帯にもよるのかもしれないけど半分以下に減ったから『リリーのすべて』だけなんかあったのかな。

映画『リリーのすべて』

2015年 監督:トム・フーパー
製作国:イギリス/ドイツ/アメリカ
at ギンレイホール




1926年、デンマーク。
画家の夫婦アイナー(エディ・レッドメイン)とゲルダ(アリシア・ヴィカンダー)は仲睦まじく日々を暮らしていた。
ある日、夫のアイナーがあるきっかけから自分の性に違和感を感じ始める。

ゲルダを演じたアリシア・ヴィカンダーがとにかく魅力的。
冒頭のアップからもう惚れそうになる。
こんな奥さんがいても抗えないのか~。

エディ・レッドメインの女装は男にしか見えないのだけど、劇中でも一応普通に男とばれているのかな。

2016年8月22日月曜日

映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』

2015年 監督:アダム・マッケイ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




サブプライム・ローンの破綻をいち早く予測した男たちの物語。

専門用語が飛び交うけど、途中途中でやさしい解説が入る。
ただ、そもそも空売りが何かよくわかっていないと解説もちんぷんかんぷんだったりする。
とにかくなんか駆け引きしてんなーっていうのと、破綻するという事実をまだ知らない過去の人々(当然自分も含む)を上から目線で見ているだけでも面白い。

変人っぽいトレーダーマイケルにクリスチャン・ベイル。
怒れるヘッジファンドマネージャーマークにスティーヴ・カレル。
マークにCDSを持ちかける胡散臭い顔の銀行家ジャレッドにライアン・ゴズリング。
若い投資家二人組が信用を寄せる伝説の銀行家ベンにブラッド・ピット。

若い投資家二人っていうのが、なぜだか見ているだけでちょっと不快になった。
特にがたいのいい方が嫌な感じがするのだけど、なんだろう。
全然頭よさそうに見えないからかな。

映画『スポットライト 世紀のスクープ』

2015年 監督:トム・マッカーシー
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




神父による子供への性的暴行事件。
ボストンの地元新聞「ボストン・グローブ」の記者達がカトリック教会と社会の闇に迫っていく。
実話に基づいた社会派ドラマ。

字幕ばっかり見ていてあまり映像見ていた記憶がないけど、なかなか面白かった。
主役っぽい人の名前すら覚えられなかったものの。。

対象にがしがし突っ込んでいく記者マイク役にマーク・ラファロ。
しぶいリーダーにマイケル・キートン。
紅一点の女性記者にレイチェル・マクアダムス。

2016年8月11日木曜日

映画『独裁者と小さな孫』

2014年 監督:モフセン・マフマルバフ
製作国:ジョージア/フランス/イギリス/ドイツ
at ギンレイホール




あれ、ストーリーがなんとなくわかるぞ?
キアロスタミ亡き今、もっといっぱい撮ってほしいモフセン・マフマルバフの監督作。

架空の国の独裁者が、クーデターにより小さな孫を連れて逃亡するお話。
ストーリーがわかるぞ、といっても細かいところはよくわからない。
つい先ほどまで大統領家族に歓声を送っていた国民が、いきなり大統領を目の敵にするようになったように見えるけど、歓声は嘘だったのかそれとも大統領にかけられた懸賞金目当てなのか。
大統領がどれほどひどい事をしてきたか?というのは明確に描かれない。
描かれるのは国民は貧困にあえいでいるとか、なんかいろいろ処刑してきたらしいとか、遊びで街の電気を消したり点けたりできるくらいやりたい放題の力を持っている、という点かな。
というか「独裁者」というワードひとつで十分なのかもしれない。
独裁者の非道ぶりが薄れてしまうのは、クーデター後の街の様子、特に兵士の非道ぶりが見るに耐えないからというのもある。
この、クーデター後が前よりひどくなってない?というのがラストの悲痛な訴えにつながるのではあるが。

最初からストーリーを期待していたわけではないけど、映像の方は期待していたほどの感動がなかった。
なかったといってもそこらの映画よりかは大分面白いのだが、昔に見た『サイレンス』のような静謐なイメージの氾濫を期待していたから期待に比べれば、という話。
じいさんと孫のロードムービーのようなシチュエーションだから期待が大きすぎた。
どちらかというとストーリーによるメッセージの発信に重きを置いている作品になっている。
あ、別にだからつまらないといっているわけじゃなくて、今年のベスト3に入れたいくらい面白かったんだけどね。

映画『ヘイトフル・エイト』

2015年 監督:クエンティン・タランティーノ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




冒頭の音楽がいい曲だけど音響設備のせいか耳障りに聞こえてきて、うーんと思っているとオープニングクレジットに音楽エンニオ・モリコーネの文字が現れる。
まだご健在だったのね。

予告編では密室ミステリーとか謳っているけど、それほどミステリー要素が強いわけではなく、いや、ストーリーも面白いんだけど、それよりも登場人物のあくの強さをベースに、簡単に人が死ぬ(それも笑いと紙一重の)圧倒的B級要素が強烈だった。
口から血吹き出しすぎだろ、とか、たかだかリボルバーの一撃で頭蓋骨ごと吹っ飛ぶかいな、とか。
ミニーの紳士洋品店の面々、特に女性陣の描写など、あの明るさと社交性とユーモアは、徹底的に「ああ、いるよねこういう人」とか「ああ、人間ドラマとかの映画とかでよく見るよねこういう人」っていう既視感を十分に与えてくれる。
そっから吹っ飛ぶわけだからB級的見せ方が上手い。

8人の中で唯一の女性役にジェニファー・ジェイソン・リー。
もう20年ぶりとかそんなレベルでこの人見た気がする。
にしても変わらないな。
もともと美人女優という感じでもなかったけど、返り血や肉片で真っ赤になった顔は神々しくさえあった。
もう50なかばなんだね。

他の7人は、
サミュエル・L・ジャクソン
カート・ラッセル
ティム・ロス
マイケル・マドセン
ウォルトン・ゴギンズ
デミアン・ビチル
ブルース・ダーン