2022年1月4日火曜日

映画『街の上で』

2019年 監督:今泉力哉
製作国:日本
at ギンレイホール




やば、今年一番の名作かも。
下北沢が舞台で、古着屋で働く荒川青(若葉竜也)自身とその周りの人々のそれぞれの恋愛模様が描かれる。
群像劇とまではいかなくて主役はあくまで青なんだけど、周りのエピーソードもなかなか濃密で楽しい。
「この人達はどういう人たちでどういう関係なんだろう」っていうわくわくを簡潔なセリフやシーンで小出しに表していくのがうますぎる。
簡潔さもあればじっくりな長回しもあって、初対面の男女が部屋の中で机挟んで会話しているシーンなんか長いのに1秒も飽きなかった。
会話の緊張感とかぎこちなさとか不思議なシチュエーションとか全てが絶妙で役者も監督もすごいや。

全体のストーリー構成もなかなか不思議。
起承転結のわかりやすい構成ではなくて、終始にやにやしていたらいきなりクライマックスっぽい大爆笑の山場に遭遇する感じ。

なんか常識に囚われていないところが若い才能って気がして今泉力哉監督は20代くらいかと思ったけど、そこそこキャリアのある方だったのね。
他の作品も観てみたい。

主人公青をとりまく女性は以下の4人
・川瀬雪(穂志もえか):元カノ
・田辺冬子(古川琴音):馴染みの古書店店員
・高橋町子(萩原みのり):卒業制作で映画を撮る美大生
・城定イハ(中田青渚):その衣装スタッフ

町子だけは少し印象悪い感じで残念かも。
ビーバーみたいで可愛らしい中田青渚が演じた城定イハがミステリアスでいてなんか頼りがいもあってよかったな。

あと朝ドラ俳優成田凌が朝ドラ俳優役として出演している。

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』

2021年 監督:タナダユキ
製作国:日本
at ギンレイホール




福島県南相馬にある映画館「朝日座」の支配人森田保造(柳家喬太郎)は経営難から100年続いた映画館を閉めることを決意する。
しかしそにに一人の女性(高畑充希)がやってきて映画館を継続するように説得を始める。
このちょっと口の悪い初対面の女の子と喧嘩しながらもその熱意と行動力に動かされて保造も継続に光を見出していくのだが、、

単純な好みだけど高畑充希があまり好きじゃないというのと、芸人さん(大久保佳代子)が重要そうな役で出ているっていうのであんまり期待していなかったけど、結構面白かった。

高畑充希は朝ドラ『とと姉ちゃん』で食傷気味になって以来避けがちだった。
久しぶりに見ると普通に見ることができる。(なんか失礼なことばかり言っている気がする。。)
演技の上手い下手はよくわからないけど、学生時代の野暮ったい感じと社会人以降の化粧ばっちりの輝いた表情のギャップが面白く、美人顔じゃないのに時折すごく美しかったりする。
役柄としては学生時代と社会人で性格が180度変わっているのが(原因は不明)面白い。

大久保さんは最初こそ違和感あったけどすぐ慣れた。むしろ役にはまっているし。
芸人で役者をやる人は多いけど、どうもコント見ているような変な感じになるんだよな。最初は。
劇団ひとりなんかはくさい演技を笑いにしているような人だけど、いつだったか朝ドラ出ていたときは慣れて結構普通に見ていたっけな。
演技力が一定水準以上ある人ばかりだから慣れれば普通。
ただ、芸人さんで役者としてすごいと思うのはビートたけしくらいしか思い浮かばないけど。

竹原ピストルがエキストラみたいなちょい役で出ていてなにこれって思ったら、ドラマ版っていうのがあってドラマ版の主役が竹原ピストルなのね。
ドラマが先でこの映画版はその前日譚。
なにこれめっちゃ見たい。

2021年12月18日土曜日

映画『モロッコ、彼女たちの朝』

2019年 監督:マリヤム・トゥザニ
製作国:モロッコ / フランス / ベルギー
at ギンレイホール




夫を事故でなくしたアブラ(ルブナ・アザバル)は小さなパン屋を営んで娘ワルダと二人で細々と生活していた。
ある日お腹の大きい妊婦が仕事を探して訪ねてくるがそんな余裕も無いアブラが冷たくあしらって追い返すのだが。。

最初からいかにも善人ですっていうお人好しじゃないのね。
母娘の二人生活じゃ他人にかまっている暇もないのだろう。
しかしアブラはこの追い返した女性のことをずっと気にかけてそわそわしっぱなしっていうところがいい人すぎる。
やがて一緒に住むことになる妊婦サミラ(ニスリン・エラディ)によって生活に変化が訪れる。

女性に厳しそうなイスラム世界でのそれぞれの彼女たちの朝。
原題は『ADAM』。意味はネタばれ。

娘のワルダが幼いのに利発で可愛らしく明るい。
無表情な母親との対比でなおさら輝いてみえる。
いろいろ抱える大人の母親たちだけじゃどんよりするだけだしね。その辺のバランスがよかった。

映画『ベル・エポックでもう一度』

2019年 監督:ニコラ・ブドス
製作国:フランス
at ギンレイホール




ファニー・アルダン。。。この人妖艶な魅力はそのままで全然歳取らないな。
ダニエル・オートゥイユより年上かよ。70って。

元売れっ子イラストレーターで今は時代に取り残されたヴィクトル(ダニエル・オートゥイユ)。
妻のマリアンヌ(ファニー・アルダン)は自由奔放。時代に取り残された皮肉屋の夫にほとほと嫌気がさして不倫しいてる。
ついに妻に追い出されるヴィクトル。
やることもなく、ある日ヴィクトルは息子からプレゼントされた「映画の撮影セットを駆使して好きな時代の好きな役を演じることができるというサービス」に行ってみることに。。

年齢、時代、虚実を超えた恋愛コメディー。
ファニー・アルダン演じるマリアンヌが最初の方ただの嫌な女なんだけど夫を追い出しておいて速攻自分を責めたりとか情緒不安定で謎の人物。
自由奔放な直情型みたいなのにカウンセラーなんていう知的な仕事をしていたりもする。
まあ長年一緒にいるといろいろあるってことかな。
自分のことを誰よりも大事に思ってくれる人が一番大切ってことさ。

2021年12月4日土曜日

映画『イン・ザ・ハイツ』

2020年 監督:ジョン・M・チュウ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




マンハッタンの北部に位置する移民の街が舞台。
ストーリーは移民2世3世達の若者たちの夢と苦悩の物語。
差別とか生活環境の悪化とか。
まあミュージカル映画だしストーリーは結構どうでもいい。
最初のダンスシーンまでだいぶ引っ張られて、やっときたか、ってところでタイトルロゴどーんは上手い。
と思ったけど全般的に歌中心でダンスは少なめだった。

ダンスのジャンルは多岐に渡っていて面白い。
プールの水しぶき使ったダンスとかなかなか盛り上がる。
ただ、、全体的な話、カット割りが細かすぎてダンスをじっくり見たいのに次々に切り替わるからいらっとする。テンポはいいんだろうけど。

かき氷売りが原作/作詞・作曲/音楽/製作のリン=マニュエル・ミランダらしい。多才!

映画『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』

2018年 撮影:シドニー・ポラック
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




予告編見てもいまいちどういう映画かわからないのね。
しかもクライマックスっぽいアメイジング・グレイスの歌唱が予告編で一部聴けてしまうし。
で、本編見るとこれは、、ライブ映像だね。

1972年1月にロサンジェルスの教会で2日間に渡って行われたライブで、このライブのライブ・アルバム『AMAZING GRACE』は大ヒットしている。
そのアルバムのライブ映像が実はありました、ってことらしい。
アルバム聴き込んでいる人は歓喜なんじゃないだろうか。
私なんかは『ラヴ・ソングス~バラード・ベスト~』っていうベストアルバム持っているだけのほぼ初心者なんだけどなかなかおもしろかった。

アレサ・フランクリンの歌をすべての起点として、荘厳な熱量・熱狂で空間が満たされている。
宗教的な祈りにも似ている。
観客もサポートの聖歌隊も撮影スタッフも皆自由で、興奮して立上がる、叫ぶ、吠える、手を叩く、踊りだす、歩き回る、物投げる。
原始的な衝動と熱狂にあてられてこっちも映画館でおとなしく座っているのがもどかしくなってくる。

撮影を指揮しているのはなんとシドニー・ポラック。
画面にも映りまくっている。
このライブ映像がお蔵入りになった理由がなんかの技術トラブルらしいけどいまいち意味がわからず、なんらかの利権的なもんが絡んでいるんじゃないかと勝手に想像していたけどそんなことはなく
「カットの始めと終わりのカチンコがなかったために音と映像をシンクロさせることができないというトラブルに見舞われ」
らしい。
トラブルというかミスなんじゃねという気もする。。自由だ。

2021年11月21日日曜日

映画『ジェントルメン』

2019年 監督:ガイ・リッチー
製作国:イギリス / アメリカ
at ギンレイホール





マシュー・マコノヒーが登場からいきなり退場で、えっ!てなるけど一応ちゃんと物語の中心。
ロンドンのマリファナ王ミッキー(マシュー・マコノヒー)が引退して事業を売却しようとしているという噂が裏社会に流れる。
利権総額500億。
この一大イベントに表裏関係なくユダヤ人富豪やチャイニーズマフィアの野心家とか私立探偵とか格闘家とかゴシップ紙編集長とかチーマーとかロシアンマフィアとか様々な人物が様々な思惑で関わってきて壮大な駆け引きと運命のスリリングなお祭りが始まる。

ガイ・リッチーって名前だけは記憶していても過去作をすぐに思い出せないくらい記憶があせていた。
そうそう、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』『スナッチ』の監督だよ。
ガイ・リッチーファンだったら「これこれ、これが見たかったんだよ」と言いそうなテンポのいいクライムコメディ。

コリン・ファレルも気づかなかったけど、あの私立探偵ヒュー・グラントだったのか!
大物ぶった小賢しい小物感とあの顔がやけに合う!
主役に近い準主役のレイ役の人も存在感抜群だったし誰だったんだろうと、調べてみるとチャーリー・ハナムって人。初めて見たかも。

映画『Mr.ノーバディ』

2021年 監督:イリヤ・ナイシュラー
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




妻と子どもたちと暮らすごく平凡な男ハッチ・マンセル(ボブ・オデンカーク)。
路線バスで職場に通い火曜のゴミ当番はいつも出し遅れるような平々凡々な日々。
本当にどこにでもいる無個性で「誰でもない」男ハッチ。
ある日家に強盗が押し入るのだが、果敢に強盗に立ち向かう息子をよそに、ハッチは家族の安全を優先する。
戦わなかったことで周りからは散々な言われようで家族もぎくしゃく。
しかし愛する娘から「猫ちゃんのブレスレットがない」と言われ。。

久しぶりに頭空っぽで痛快に楽しめる映画を見た気がする。面白かった。
超人的な強さではあるけど結構普通にやられもするところがハラハラしてまた楽しい。
結構グロいのには顔をしかめつつも、ゆるいギャグとバイオレンスの絶妙なバランスとか、coolなかっこよさとださかっこよさっていうギャグと表裏一体な感じとか最高だね。
ユリアン(アレクセイ・セレブリャコフ)登場シーンの流れるような長回しもシビれる。

クリストファー・ロイドは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の時はまだ40代だったのか。。知らんかった

2021年11月6日土曜日

映画『騙し絵の牙』

2020年 監督:吉田大八
製作国:日本
at ギンレイホール




この予告編改めて見るとよくできているな。
物語上大したことないシーンや結構重要なシーンとかを予告のあらすじ紹介という目的の映像としてうまいこと切り貼りして当てはめている。
編集の力、すごい。
本編は本編でたぶん原作の力が強い面もあるだろうが結構面白かった。

キャストがうまいことはまっているよね。
はまりすぎて逆につまらなくなりそうなギリギリのライン。

松岡茉優はバラエティもこなす芸達者な部分がわりかし胡散臭さを帯びて少し興味が薄れていたけどこの人やっぱりいいな。画面が映えて明るくなる。

大泉洋は役者であまり見た記憶がない。
けどこのひょうひょうとした役柄はよくはまっているなぁ。切れ者に見えるし。
あ、なんか原作は大泉洋をイメージしてあてがきしたらしい。

うーん、気付いてしまったかも。
さっき胡散臭いって言葉使ったけど、キャストがはまっていると思ったのは胡散臭い役者しか出ていないからだ。
リリー・フランキー、小林聡美、大泉洋、中村倫也、斎藤工、坪倉由幸、國村隼、佐藤浩市,、佐野史郎、etc

映画『犬部!』

2021年 監督:篠原哲雄
製作国:日本
at ギンレイホール




実在したサークル犬部の創設メンバたちのお話。
青森県十和田市の獣医学生、花井颯太(林遣都)は大の犬好き。
同じく犬好きの盟友柴崎涼介(中川大志)と、ボロアパートのご近所さんの猫派、佐備川よしみ(大原櫻子)と、真面目な後輩くん秋田智彦(浅香航大)を仲間に引き入れて犬部を設立する。
犬、猫たちの保護活動ね。
この学生時代から16年後、サークルメンバたちはそれぞれ動物たちと向き合ってきて。。

ノンフィクション小説やらコミカライズやらいろいろメディア展開しているらしい。
映画化に際してはベテランの篠原哲雄を起用するあたり結構本気。
安定して面白かった。

林遣都はデビュー作の『バッテリー』で見て以来、一時期消えかけていたような気がするけど気のせいか。順調にキャリア重ねて今や超売れっ子俳優だな。
犬への愛に溢れすぎて少し常軌を逸したところもある人物像とぶっきらぼうな台詞回しがよく合っている。
中川大志の役も犬愛に溢れているけど、中川大志の雰囲気からしてなんか本当にやばいやつに見えるときがある。。

安藤玉恵さんが癒やしだわ。