2025年2月11日火曜日

映画『Winny』

2022年 監督:松本優作
製作国:日本
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東出君っていつも一人だけ別世界の住人のように浮いた感じになるイメージがある。
でも「プログラミング言語以外の言語で喋る術を知らない」とか言ってしまう天才プログラマーでプログラム以外のことはからっきしというどこか浮いた存在の役柄がよく合っている。
東出君自体のプライベートも浮いてるしある意味この人も天才なのかも。
ラストに金子勇のインタビュー映像が流れて、それを見る限り流暢に喋るしそんなにずれた人に見えなかったけどどうなんだろう。

腐敗した京都府警や司法、それにそれほど関係ない滋賀県警の裏金事件とか絡めて、善と悪っていう対立がはっきり描かれている。
小悪党がよく似合う渡辺いっけいとか、地味に怖い渋川清彦とか、腐敗っぷりを効果的に演出している。
そして一番悪役っぽい吹越満はなぜか善の弁護側。
っていうのが善悪をあまりに区別しすぎるとうさん臭くなるから針の穴ほどの緩みを与えるためにとった配役なのかも。
といってもあまりにも善悪の構図がはっきりしすぎてうさん臭いことに変わりはないけどね。
たった2行書き換えるだけで今ある情報漏洩を止めることができる、ってそんな簡単な事なら逮捕前に直しとけよと思わないでもない。まあ脆弱性ってそんなもんか。突かれるまで気づかない。

Winny事件って話題になっていたものの詳細はよく知らなかった。
映画見た後でもよくわからないっちゃ分からない。
包丁が犯罪で使われたらその包丁を作った人が罪に問われるのか?っていうのは当時からよく耳にした気がする。
弁護団事務局長の壇氏はこの刃物の例えは使ったことがなく、例えるなら「高速道路でみんなが速度違反をしていることを知っていたら、国土交通省の大臣は捕まるのか」っていうのをよく言っていたらしい。
高速というインフラの上で違法行為が行われているっていうのでこっちの方が多少わかりやすいか。


この動画なかなかに気持ち悪い。
優秀な弁護人っていうジョークのひろゆきとのやりとりとか、その程度のオツムとか。。

例えでいうと川上量生の「殺人につかう刀を作って、包丁だと言い張っていた」っていうのがしっくりくる。
Winny自体に一貫して否定的な産業技術総合研究所の高木浩光は「Winnyネットワークはワームプラットフォームである」「Winnyはネットワークに参加する人が全員適法に使わない限り、適法に使えない」と言っている。
高速道路の例えでいうと、麻薬の運び屋御用達の高速道路を作って、さらにはこの高速道路を走った車には勝手に麻薬が搭載される機能付き、みたいな話か。(例えが下手か)
金子勇が天才プログラマーであったことは確かだけど、Winnyが「世界にも類を見ない危険なツールであった」っていうのはちゃんと認識していた方がいいだろうな。

2025年2月8日土曜日

映画『バトルクリーク・ブロー』

1980年 監督:ロバート・クローズ
製作国:アメリカ / 香港
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ジャッキーチェンの昔の映画はだいたい見ている気になっていたけど、なんか見たことないやつが何本かありそう。
これもその一つ。

舞台はアメリカ。
マフィアに店を脅かされなんやかんやでバトルクリーク格闘技選手権とかいうのに出る話。
ストーリー上の面白さはなきに等しいかな。
ローラースケートの賭けレースにしろ、格闘大会にしろ、ルールがなんでもありすぎて大らかというかぶっ飛んでいて面白い。
レースなんか選手同士の妨害ありどころか、観客まであからさまに妨害して、それでなんとなくレースが成り立つんだから、無法地帯どころかむしろかなりお行儀がいい。
格闘技大会も、決着の場面を観客が誰も目撃していないのに優勝者が決まって誰も文句言わないという。。
思えば冒頭の高所での謎の筋トレ(しかもドライブデート中?)からぶっ飛んでいたな。普通に凄くはあるので構わないけど。
暴力反対の父がジェリー(ジャッキー)の格闘技大会での活躍を大喜びしているのも深い謎。

中国人同士のカンフー対決が少しあるくらいで後は巨漢アメリカ人に小柄なジャッキーが無双する。
強敵と戦うって感じは一切なく、無駄な邪魔が入る以外は基本的に無双。
なんか物足りない感じ。。

師匠役にマコ岩松が出ている。
ラスボスのH・B・ハガティは日本でも活躍した往年のプロレスラーらしい。

格闘技大会の出場者がほとんど喋らないのは中国語喋れないからかと思ったけど、字幕版見てみたら皆英語だった。
監督のロバート・クローズは燃えよドラゴンの監督。アメリカ人。
ジャッキーの初のアメリカ進出映画とのこと。
ジャッキーは当時アジアではすでにスーパースターだったが、アメリカでは無名すぎて撮影に口を出すことも武術指導することもできなかったらしい。
この不満が後の80年代の数々の名作誕生につながったりしているのかも。

2025年2月1日土曜日

映画『ビリーバーズ 』

2022年 監督:城定秀夫
製作国:日本
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一応サスペンスなのかな。
ジャンルはどうあれ、久しぶりに面白い恋愛ものを見た気持ち。
そしてエロティック。
孤島に男二人と女一人、って野獣のような本能でめちゃくちゃになりそうなんだけど、孤島といっても食料は定期的に運ばれてくるし、それほど原始的な生活はしていない。
何より彼らの教義から性欲は抑制されているので、気持ち悪いくらい清らかに健全(?)。
(新興宗教の信者だから別の方向で何か狂気があるけど)
副議長さんと呼ばれる女性も若くてきれいな人だがエロいオーラが何もない。
それなのに、雨のシーンを皮切りにスイッチが切り替わったように突如としてエロさが顔を出してくる。
以降はもうエロの塊。我慢しろというのが無理なくらい。
演じた北村優衣さんが体当たりで凄いわ。(綾瀬はるかに少し似ている)
セクシー系の人だったりするのかと思ったら普通に女優さんだった。
出演作見ていたら女子グルメバーガー部っていうドラマで見ているな。あれから数年でこんな体当たりしているとは。

原作は山本直樹の漫画。山本直樹も重要な人物でちょい役で出演している。
ストーリーは細かいところよくわからなかったけど(オペレーターさんの記憶が飛ぶ理由とか大波とかラストとか)、漫画読むとわかるのかなぁ。

冒頭ドローンから始まり、3人の周りをカメラがぐるぐる回るのが受け付けずに速攻見るのやめかけた。やめないでよかったー、面白かった。

2025年1月26日日曜日

映画『響-HIBIKI』

2018年 監督:月川翔
製作国:日本
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原作はスペリオールで読んでいて結構好きな漫画だった。
映画はおおむね原作通りに話が進んでいた気がする。(原作うろ覚え)
主演は平手友梨奈。
主人公響のぶっとんだ恐ろしさとかカリスマ性がよく合っている。
が、ちょっと美少女すぎる。
フードかぶっているシーンなんか美少女オーラ出まくっているし。
響ってかわいらしくはあるけど決して美少女ではない(眼鏡陰キャ)ってイメージだったからそこはなんとなく違和感があった。(書いてみると至極勝手なイメージだな)
原作者と監督が響は平手友梨奈に是非!って感じだったらしい。

イメージでいうと編集者の花井役が北川景子で、これもなんかイメージが。。
元ヤンの武闘派なのに大人しく社会に適合した敏腕編集者っていうギャップがいいキャラだったんだけど、映画ではなんか強そうじゃないし、凛夏の一件が印象強くなっちゃって無能な編集者って感じだった。

脇役は他にもなぜか豪華。
小説家役で小栗旬に柳楽優弥に北村有起哉、あとちょい役で吉田栄作。
他には高嶋政伸とか山村紅葉とか。
祖父江凛夏役のアヤカ・ウィルソンは子役出身でそこそこ有名そう。

全体的にはまあ面白かった。ああ、そうそうこういう展開だったとか懐かしくて。
続きが見たいけどもう作れなさそうだな。
演出は、緊張感を醸し出す音楽とかちょっとうるさかった。なんかそういう小手先の演出が多めな印象。

2025年1月19日日曜日

映画『あんのこと』

2023年 監督:入江悠
製作国:日本
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アマプラで本当に適当に選んで鑑賞始めたんだけど、もう今年No.1にしたいくらいの名作だった。
冒頭の「この映画は実際にあった事件に基づいている」っていう字幕に最初はふーん程度だったのに、だんだんとこの一文がのどに刺さった骨のようにじんじんとつっかえて気になってくる。
「事件」ってなんだよ。。
主人公のあんちゃんが真面目でいい子すぎて、事件なんて起こらなくていいからとにかく幸せになってほしいと願わずにはいられない。
終始どきどきしていた。

杏の母親がなかなか強烈。
家からベルトかちゃかちゃした男が出てくるってだけで全てを悟らせる。(しかも家に婆さんいるし)
その後の激しいDV。。
ばあさんはある程度まともそうなんだけど、どうしてこうなったか。
家族に男がいないことが関係しているのだろうか。
もうとにかく狂っている。
演じた河井青葉さんは役柄から鬼女のように怖いけどよく見るとなかなか奇麗な人。

物語の最重要人物の刑事多々羅を演じたのは佐藤二朗。
ヨガシーンで少しコメディチックになるけどそれ以外はシリアス。
多々羅は昭和の男。
そして男って馬鹿だねとかそんな言葉で片付けられないレベルの阿呆。

ある目的をもって多々羅に近づく雑誌記者役に稲垣吾郎。
50代でこんな若い素人いるかっていうのは置いといて、「あんちゃん」ってちゃんづけで呼んでいるのは少しきもい。

そして主役が河合優実。
この子凄い。
なんというか対比で他の役者があざとく見えてしまうくらい役柄に自然に溶け込んでいて、見てるだけで心が揺さぶられる。
この映画は確実にこの子を中心に回っている。(主人公だからとかではなく)
とんでもない才能だよな。
初めて見たと思ったら『由宇子の天秤』の女子高生役の子か。妙に雰囲気あって結構覚えている。
ふてほどにも出ているらしいので今度見てみるかな。
そういえば『由宇子の天秤』の主人公の父親もやらかしていたな。
人柄や善性と下半身は別の生き物なんだろうか。

入江監督はドラマでやっていたサイタマノラッパーを見たくらいなのでもっといろいろ見てみたい。

2024年8月6日火曜日

映画『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』

2023年 監督:阪元裕吾
製作国:日本
at ギンレイホール




タイトルバックまでのイントロでなんかハマらなかったので嫌な予感はした。
結果、まあまあ面白かった。
1作目の完成度が高すぎるんだよな。

日常のあるある雰囲気やバイオレンス部分が縮小して、主役二人のゆるいやり取りが増えた気がする。
それがなにか上滑りしているような出来上がりだからノレなかったのかな。
まひろが食べ物こぼすシーンがまた見れたのはよかった。

神村ゆうり(丞威)と神村まこと(濱田龍臣)の兄弟は下請けの殺し屋をやっている。
給料も扱いも下の下の二人は、殺し屋協会の正規の殺し屋を殺してそのポストを奪えば自分たちが正規になれる、という噂を本気にしてちさととまひろをターゲットする。
一方当のちさととまひろは金が無く、しかも謹慎処分まで受けてアルバイトで生計を立てる苦しい日々。
この二組の対決がクライマックス。

兄弟は強いのか弱いのかよくわからん。
正規じゃないしすぐやられているしクソ雑魚扱いなのかと思っていたらなぜかめっちゃ強かったりって混乱する。
まあ強くないとラストの戦闘が盛り上がらないっていうのは分かるのだが、強敵に挑みに行くのではなくてクソ雑魚を軽くひねりに行くって雰囲気だったから少し肩透かし。
丞威って人は岩永ジョーイで経歴見るとジャニーズとかダンサーとかアクション俳優とか、ドニー・イェンの映画に出ていたりとかって伝記書けそうなくらいの経歴。
『孤狼の血』の養豚場のあんちゃんか!
濱田龍臣は子役時代のあのおしゃれパーマが嫌いだったけどだいぶ成長してた。

新しい学校のリーダーズがカメオ出演(主題歌歌っているからか)しているのは盛り上がるどころかなんか違和感感じた。

よかったのは前回もいた田坂(水石亜飛夢)を掘り下げたところ。
前回はただのめんどくさいコメディキャラだったからな。
いや、今回もそうかw
後輩?相棒の宮内さん(中井友望)も新規登場してやり取りがなかなか楽しい。

まあいろいろ言っても期待値が高すぎたというだけで全体的にはまあまあ面白かった。
3作目映画とか、テレ東でドラマとかがこれから控えているらしい。

2024年8月5日月曜日

映画『ベイビーわるきゅーれ』

2021年 監督:阪元裕吾
製作国:日本
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いろいろ謎なまま見始めたらめちゃくちゃ面白かった。
殺し屋やっているJKコンビが卒業後に向けてバイトしたり二人暮らししたりで社会に馴染む努力を始める。
っていう話でほのぼのコメディかと思いきや結構バイオレンス。
そしてバイオレンスなのにコメディが普通に面白く、そしてほのぼのが本当にほのぼのしている。
どの要素も中途半端じゃなくて質が高いから面白い。
アクションなんか何一つ期待していなかったのにすごい本格的でびびる。
深川まひろ役の伊澤彩織は格闘技経験者かなにかかと思ったらスタントパフォーマーらしい。
そうだよね、普通の女優の動きじゃないもん。
日常シーンですらしれっとぬるっとその身体能力の高さを見せつけてくるし。
もう一人の主演杉本ちさと役の髙石あかりはダンスボーカルグループに所属していたりしてその後女優になっている。
この子の方はそれほどアクションシーンないけど銃をかまえた立ち姿はなかなか様になっていてかっこいい。

社会のはみ出し者の若者二人の物語って結構あるよね、傷だらけの天使とか。
それの女性版みたいな感じ。
JK二人ってそういえばアニメだと最近流行ったリコリス・リコイルとかあったな。この映画が先か。

陽キャのちさとと陰キャのまひろ。
まひろが面白い。
もの食べるときに噛むとその反動で中身が飛び出して落ちるシーンは笑いかわいい。
しかも後で繰り返すし。
ぼそぼそ喋って人とコミュニケーション取るのが苦手な子。
ラストで常人離れしたアクションを披露して終わったカタルシスの瞬間に間髪入れずぼそぼそと独り言つぶやきながら歩き回るっていう緩急の付け方の演出凄いよな。

日常シーンは冒頭のバイト面接がまずはまる。
店長役にラバーズの大水洋介使うところなんかぴったり。
あと、ちさとのバイト先が秀逸だった。
こういう人いるわ。
キレないでちょこまかと対応しているところがもう十分大人。
そして認められるほっこりエピソードのあとの爆発は笑える。

座った状態のまことがちさとに引っ張ってと両手を差し伸べるシーンの冒頭とラストの繰り返しは地味にぐっとくる。

やくざ親子のメイド喫茶シーンも面白かったな。
あのメイドの子は物怖じせずよく突入したもんだ。
ここはいきなりの展開でなく「あ、やばそう」っていう笑い顔のどアップを間に挟んでいて、いきなりブチ切れてほしいところだけどワンクッション置くのもそれはそれで面白い。
この親分がやばいやつっていうのはおつり200万円のおっさんとのやりとりで既に証明されているからな。
おつり200万のおっさんシーンも日常のあるあるとバイオレンスが高度に噛み合ってすごいシーンだった。
おっさんの取り繕う演技が秀逸。
仁科貴、川谷拓三の息子か。

親分の娘役の子を演じた秋谷百音は表情豊かでなかなかいい女優さんだった。これから活躍しそう。
ソロ活女子のススメ2の2話サバゲー回に出ているみたいで見返すとたしかにこの子だ。普通に見える。

ストーリー自体は漫画っぽいので漫画が原作かと思いきや、監督のオリジナル脚本っぽい。
漫画のようなストーリーの中で是枝監督並みの日常シーンや超本格アクションやちゃんと笑えるコメディをしれっと仕込むんだからとんでもない監督がいたもんだ。
面白かった。続編もあるみたいなので見てみよう。

2024年6月29日土曜日

映画『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』

2014年 監督:ジョン・ファヴロー
製作国:アメリカ
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一流レストランの総料理長のカール・キャスパー(ジョン・ファヴロー)は、人気ブロガーである評論家と対立したことを契機にどん底に滑り落ちる。
で、フードトラック始めました。アメリカ横断。

ロードムービーかと思っていたらなかなか出発しない。
後半少し旅したって程度だったものの、全体的には飽きずに見ることができる。
こういうのギンレイホールで上映してそうだが見た記憶ないからやってないはず。

料理人の所作って美しいよね。
冒頭で料理シーンをじっくり見せてくれるからそれでだいぶ引き込まれる。
主演(監督脚本も)のジョン・ファヴローは料理経験が豊富なんだろうか。なかなかの包丁さばき。
料理人とかこういう手に職を持っている系の職業って、その技術でどこ行っても食べていけそうでいいよな。

2014年頃ってtwitterが急速に広がっていた時期か。
あの評論家はカールのファンだし、カールに発破をかける意図もあったのだろう。
定番も大事だがカールの本領が発揮されていない。
そしてブロガーとして読み手を楽しませるためにちょっとした皮肉を混ぜ込んだり。
SNSに慣れていなく煽り耐性0のカールはブチ切れる。
こういうズレの微妙さが面白い。
ただ、後のシーンで、写真を要求する厚かましい警官に文句も言わずに対応したのは成長なのかなんなのか。時代に迎合するのはつまらないぜ。

登場人物の関係性とかをほどよく小出しに見せていく脚本はなかなか上手い。
ああ、離婚していたのかとか、リーバって何者よ?とか。
リーバのくだりはスカーレット・ヨハンソンだと?ダスティン・ホフマンだと?っていう畳み掛けまでしてくるし。
あと、名前だけ出ていた元夫がロバート・ダウニー・Jr。

不満なところを挙げれば、やっぱりがっつりロードムービーを見たかった。
旅を通じて親子の絆がとかまあいろいろあるものの少し物足りない。
それにしてもこの10歳くらいの息子のパパ大好きっぷりはアメリカじゃ普通なんだろうか。息子は最初から心開いているから楽勝なんだよね。
それと、ロードムービーの始まりと、天才カールの本領が発揮されるのが重なるはずが、フードトラックの料理がキューバのソウルフードって、、なんかもう料理のジャンルが違うじゃん。
それが「激ウマ」だとしてもカールの培ってきた技術や才能が十分に発揮されているように思えず少し消化不良だった。

2023年11月4日土曜日

映画『武曲 MUKOKU』

2017年 監督:熊切和嘉
製作国:日本
at ギンレイホール




藤沢周原作で、原作は以前読了済み。
あ、映画化されているんだと知ったときは、よく映画化する気になったなという感じ。
素人だけど運動神経と本能に基づいた剣の才能に満ちた羽田君とか、剣道八段で達人の域にあるミツムラ禅師とか、映像で一体どう表現すんのよ。

で、いろいろ楽しみにして見てみたんだけど、どうなんだろう。
小説では矢田部と羽田のダブル主人公で、映画でも一応そうなんだけど、どちらかというと矢田部の比重が多い気がする。
そして映画では矢田部が最初からアル中で、映画の半分はアル中が暴れている姿を見せられている感じ。
羽田君はただの生意気な素人って程度。
そこそこ大作な原作の心情描写はとりあえず置いておいて、ストーリーの盛り上がる部分を中心に脚本した感じかな。
藤沢周の中ではストーリーっぽい展開があるとはいえ、原作では心理描写がメインだからなぁ。
ストーリーの上っ面なぞってもそれほど面白いわけじゃない。
かといって立ち会いを魅せようとしても、演じるのは剣の達人じゃなくて役者である以上限界がある。
羽田君を演じた村上虹郎は剣道初段で、矢田部役の綾野剛は未経験者だが撮影前に二ヶ月の特訓を行ったらしいけど。
別に本物の達人や天才の立会が見たいというわけでもなく、映画なんだしそれっぽくあればそれでいいのだが、この作品に関しては立会が目玉になっているし、原作読んでいる人からするとちゃんとした本物の迫力を見たかったな。
綾野剛のアル中演技を散々見させられると立ち会いシーンもなんか笑っちゃうのよね。

熊切監督は『鬼畜大宴会』しか見ていないからか、どうしてもB級映画臭を感じてしまう。
脳天ぶちぬく所とか黒い雨とかホタルみたいなCGとか。

綾野剛が後半むきむきになっているのは、心身ともに回復したことを肉体で表したいという監督の要望に応えて、短期間でバンプアップしたらしい。すご。

前田敦子がちょい役で出ている。
矢田部に彼女なんていたっけって思って原作探してパラパラ読んでいると一応カズノという名前の女性は原作にもいる。彼女じゃないけど。
なんかパンツ(色気のないパンツ)を見せるためだけにキャスティングされたようなちょい役。。

もしかしたら原作読まずに見たら楽しめたのかもなぁ。

2023年10月22日日曜日

映画『最低。』

2017年 監督:瀬々敬久
製作国:日本
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3人の女性を主人公にした群像劇。
主人公の一人あやこ役を演じた山田愛奈がすごい。
クールで心優しい美少女という雰囲気から一転狂気が滲み出る感覚にぞくっとする。
最後の方の早口狂気の演技はうますぎるというかリアルを超えているというか、映画初主演の子の演技に泣かされるとは思ってもみなかった。

3人の主人公はいずれもAV女優に関係する子たちになっている。
エンドロールで知ったけど原作が紗倉まな。
原作は4人の主人公の連作短編らしい。
映画では、というか原作もかもしれないけど、3人の主人公は完全に独立しているわけではなくて物語上緩く関連していたりもする。血縁とかマネージャー繋がりとか。
映画だから繋げたような気もするけど、血縁の方は好きなものが同じっていう結構重要な要素が入るから原作もそうなのかな。

美穂役の森口彩乃はこれが初脱ぎ。
眼力の強い美人。おでこ出している人は自信がある証拠だから大体美人よね。
美穂がなんでAVに出演したのかはなんかよく分からなかった。
欲求不満ならもっと他の手があるしAVというファンタジーで解消されるものじゃないだろうし。

人気AV女優彩乃役の佐々木心音はよく脱いでいるらしい。
Wiki見ると女優・シンガーソングライターになっているな。多才。

この映画は嫌な感じのする人の描き方がうまい。
というか登場人物すべてなんか嫌な面を見せてくれる。
あやこを冷やかしに来る同級生集団のなんといやらしいことか。
いじめ中心人物の子なんか作品によってはかわいいキャラになりそうなのに、あのあごといいめっちゃむかつく。
とりまきの女子高生たちの冴えなさもまたリアル。

彩乃の母親も「私はあなたのことをこんなに心配しているのにどうしてわかってくれないの」系の人でだんだんうざくなってくる絶妙さ。
渡辺真起子がうまい。
「戻るなんてできるわけないでしょ!そういう仕事してんだよ私」
あやこの母は実家に帰ったけどな。娘のために。

美穂の夫健太(忍成修吾)も最初から嫌な感じ。
変態サイコパス役がはまりそうだけど、それもこの作品だけの印象なんだろうな。
ネットで検索すると爽やかイケメンの写真がいっぱい出てくるし。

一人ひとり上げていたらきりがないけど、どの人物もいやーな感じだったり嫌な面が出てきたりとかするのよ。

主人公3人の女優は知らなかったが、脇役は結構豪華に固めている。
渡辺真起子、根岸季衣、高岡早紀、江口のりこ!