2018年5月27日日曜日

映画『gifted/ギフテッド』

2017年 監督:マーク・ウェブ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




叔父のフランク(クリス・エヴァンス)と二人で暮らす7歳のメアリー(マッケナ・グレイス)は、馬鹿な授業や馬鹿な同級生と時を過ごすことに我慢ならず、小学校に行きたがらない。
メアリーは7歳にして57かける135を暗算で答えられるほどの天才児だった!
先生は彼女は天才児だから特別な学校へ、とフランクに勧めるが、それはなんとかなんとかという暗算法で俺も8歳でマスターしているし大した話じゃないと一蹴する。
えっ?凡人・・・
というのは振りで・・

ジャンルとしては家族ドラマになるのかな。それと天才児をどう育てるべきかドラマ。

メアリー役のマッケナ・グレイスがとにかく凄い。
最初見たときクリーチャー的不気味さがあって怖かったのだけど、見慣れるとなかなか可愛らしい。
怖い一因としてはまつげが異様に長いのね。
つけまつげの2倍くらいはあるんじゃないだろうか。
それのせいか、7歳の体に30歳の女性の顔が乗っているかのような不気味さがある。
その不気味さが天才児とマッチしているし、それに演技もころころ変わる表情が無邪気な幼児性だったりきりっと大人びた表情だったりと、こちらを惹きつけてくる。
いやぁ、天才児だわ。

映画『はじまりのボーイミーツガール』

2016年 監督:ミシェル・ブジュナー
製作国:フランス
at ギンレイホール




落ちこぼれのヴィクトール(ジャン=スタン・デュ・パック)は優等生のマリー(アリックス・ヴァイヨ)に密かに憧れていた。
やがて二人の距離は近づいていくのだが、チェリストを目指すマリーはある秘密を抱えていた。

12歳の少年少女の爽やかな恋物語というテイストだけど、なんだかいろいろ消化不良のまま終わる感じ。
入院して治療に専念したら治るのかそれとも絶望的なのかとかその辺はよくわからないけど、とりあえず入院しろよと思う。
入院して試験の時だけ外出して記念受験すればいいじゃん。
どうせろくに練習してないんだし入院してもしなくても変わらない。
師匠も出てこないから独学なんでしょ。(なぜか上手いけど)
少年少女の恋愛ものにありがちな大人との対立だけど、大人を応援したくもなる。
入院しないのがずっと先のことよりすぐそこの夢を大事にするという子供の考えによるものならもっとそこを分かりやすくしてほしい。
頑固な親父の心変わりの契機もなんだか弱いし、何に心動かされたんだろう。

とはいえ可愛らしい少年少女のくっつき離れる王道の展開はそれなりに爽やかで面白かった。

校舎の黄色や赤の柱は絵になりそうだ。

2018年5月13日日曜日

映画『ノクターナル・アニマルズ』

2016年 監督:トム・フォード
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




肉塊が、、裸の肉塊がスローモーションでぶよんぶよん踊っている。。

アート・ディーラーのスーザン・モロー(エイミー・アダムス)は一応の成功を収めてはいるが、夫との関係は醒めきっており生活に満たされていない。
そんな時、小説家を目指していた20年前に別れた元夫から著作が送られてくる。
本を読み進めると、その面白さにのめり込んでいくスーザン。
以降、小説世界と現実と過去が描かれ、それぞれ小出しに関連づいていく。
予告編を見ると少し超常的な事象も含めたサイコサスペンスかな、と勝手に思っていたけど、実際はごりごりのドラマだと思う。
しかしこの予告編よくできてるな。
このカットの並びに肉塊入れるのかよ、とか、本編見た後だとこのつなぎ方の妙に感心する。

小説世界のあの絡まれ方は怖い。中指立てちゃ駄目だよ。。
冒頭の醜悪さ(失礼かもしれない)に比べると本編はおとなしい気もするけど、自分勝手な人たちや復讐心は小説世界で寓意的に誇張されて十分醜悪だよな。

ジェイク・ギレンホールが二役。
警官役のマイケル・シャノンって人はなかなか存在感があって気になる。74年生まれだから結構若かったのか。
ちんぴらにアーロン・テイラー=ジョンソン。

映画『否定と肯定』

2016年 監督:ミック・ジャクソン
製作国:イギリス/アメリカ
at ギンレイホール




ユダヤ人歴史学者のデボラ・E・リップシュタット(レイチェル・ワイズ)は、著書で非難したホロコースト否定論者のデイヴィッド・アーヴィング(ティモシー・スポール)から名誉毀損で訴えられる。
否定論者とは話にならないので討論する気もなかったリップシュタットだったが、この戦いを受けて立つ決意をする。

実際にあった物語らしい。
最高峰の弁護士達による綿密な調査に基づく戦略の裏側が面白い。
弁護士役にトム・ウィルキンソン。

リップシュタットはプライドと我が強く、あまり好きなタイプではないけどレイチェル・ワイズならOKだ。

2018年5月2日水曜日

映画『ゲット・アウト』

2017年 監督:ジョーダン・ピール
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




予告編よく出来てるなぁ。一体何が起きているんだという期待感にあふれている。
見終わった後でいろいろシーンを思い出すと、警官にIDを提示させなかった理由とか祖父や祖母の話とかそもそもこの映画のタイトルとか、いろいろ伏線がはられているんだなと思う。
2回目見るともっと面白いかも。

映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』

2017年 監督:アンディ・ムスキエティ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




予告編でピエロが映っているしネタばれじゃん、と思ったけど、ピエロは冒頭からがっつり登場してしかも普通に喋る。
そこで怖くないぜと安心してしまうと。。

見始めてからそういえば俺ホラー映画苦手だったなと思いだした。

スタンド・バイ・ミーのような雰囲気も醸し出しつつ、少年少女達の青春物、成長譚にもなっていて、なかなか見ごたえがあった。
少年少女の冒険譚とホラーはよく合うものなんだと初めて知ったよ。
ラストステージも用意されていて、ペニーワイズのぼこぼこっぷりがキュートだった。

2018年4月15日日曜日

映画『婚約者の友人』

2016年 監督:フランソワ・オゾン
製作国:フランス/ドイツ
at ギンレイホール




これは面白いね。
モノクロとカラーのしっとりとした映像の美しさ。
モノクロとカラーを使い分ける映画って、回想や過去シーンをモノクロとか、主人公が壁を乗り越えたらカラーになるとか、なんらかのストーリーに連動してこれみよがしに切り替わる映画が多いと思うけど、これはそういうのが無い。
いや、あったのかもしれないけど気づかないくらい違和感なくモノクロとカラーが使いこなされている。

ストーリーも面白く、ミステリーと恋愛、戦争、贖罪、家族ドラマ等々、常に惹きつけてくる。
舞台は第一次大戦後のドイツで、婚約者フランツを戦争で失くしたアンナ(パウラ・ベーア)が、失意の毎日を送っている時、フランスからフランツの友人を名乗るアドリアン(ピエール・ニネ)が訪ねてくる。
アドリアンからフランツの事を聞くうちに元気を取り戻していくアンナ。
しかしアドリアンはある秘密を抱えていた。
っていうのが前半。

アドリアンの秘密って絶対フランツの恋人だったとかそういうオチでしょ、オゾンだし、と思っていたら全然違かった。
そもそもこれってエルンスト・ルビッチの『私の殺した男』(1932) の脚本がベースになっているらしい。

映画『エタニティ 永遠の花たちへ』

2016年 監督:トラン・アン・ユン
製作国:フランス/ベルギー
at ギンレイホール




幸せと悲しみが絵巻物のように綴られていく。
映像は見応えあるんだけどなんだろう、ひっきりなしに流れる音楽がうるさい。
ストーリーよりも映像に重きを置いていると思うけど、あんなに音楽流されたら映像に集中できないし眠くもなる。
子沢山だから登場人物が多くて時代も豪快に飛んで役者が変わるから顔で覚えることができず、名前をちゃんと記憶していないと誰が誰だかわからなくなる。
そしてさっき生まれた子がすぐ大人になってかつお亡くなりになってもなんも悲しくない。
というか死にすぎて感覚が麻痺してくる。
絵巻物、またはプロが撮影した家族アルバムといった感じで、音楽が気にならなければ楽しめると思う。

トラン・アン・ユンはたぶん初めてかな。『青いパパイヤの香り』は見たいと思いながらも結局見ていない気がするので。

2018年4月1日日曜日

映画『ダンケルク』

2017年 監督:クリストファー・ノーラン
製作国:イギリス/アメリカ/フランス
at ギンレイホール




フランス北部にある港町ダンケルク。
大戦中、英仏連合軍の兵士約35万人がドイツ軍によりダンケルクに追い込まれていた。
チャーチルはイギリスから軍艦、民間船を総動員して彼らを救出するダイナモ作戦を発動する。
このダンケルクの救出劇を扱った映画。

どんくらい金かかっているんだろう。
とんでもない数のエキストラ、そしてどでかい戦艦やら船やら戦闘機が惜しげもなく沈んでいく。

主人公は若い少年兵で、救出を待つ大量の兵士が海岸に集まる中、少年はあの手この手を使って救出船に乗り込もうとする。
すぐそこにドイツ軍が迫る中、真剣にせこいことをしているのはコミカルでもあるが、なんとしても生き延びて故郷に帰るという確たる意思は伝わってくる。
というかそれしかないから。
少年はほとんど喋らないし過去が描かれることもないから、主人公のパーソナリティはつまり「なんとしても生き延びて故郷に帰る」ということになる。

陸(1週間)海(1日)空(1時間)の異なるフィールド異なる時間軸を交錯させながら、緊迫した脱出劇が描かれる。
セリフは多くないけど(特に陸)、それぞれにちゃんとドラマがあるしなかなか面白かった。


空中戦は後ろをとったら勝ちみたいな紅の豚知識は近代の戦闘機でもそのままなのか。
戦闘機の機関銃を後ろにも撃てるように取り付けておいて、照準は難しいけどミラーごしに撃ったら、後ろを取って安心した敵はびびるだろうな。

映画『ドリーム』

2016年 監督:セオドア・メルフィ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




1960年代のアメリカとソ連の宇宙開発競争の時代が舞台で、主人公はNASAに勤める3人の優秀な黒人女性。
人種差別が色濃く残る中で3人が奮闘する姿がコミカルに、そして時に熱く描かれる。

つまらなくはないのだけど、なんだろう、いまいち乗れない感じがする。
予告編見た時に
「1961年のハイウェイで白人警官に先導される黒人女性3人 奇跡だわ」
っていう言い方がいかにもアメリカ人!って感じで嫌な感じを受けたのを引きずっているのかな。
嫌な感じっていうのはここのオーバーアクションな表現が嫌いってだけじゃなくて、予告編全体から映画の内容自体差別されている黒人側が白人側を馬鹿にしているように思えたから。
差別受ける側が心の中で差別仕返すくらいいいじゃないかという気もするけど、一方方向でも嫌なのにお互いがお互いを下に見るっていう構図はあまり気持ちよくない。
まあ、実際は3人の中でもこの映画の中心となるキャサリン・G・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)は人を馬鹿にするようなこともなく純粋に一生懸命だったけど。
って書くと後の二人は性格悪いみたいになっちゃうか。別にそそれほどでもなく、制限された環境でなんとか道をこじあけようとする姿は素直に感動していい気もする。

というような何が言いたいかわからないようなもやもや感。
虐げられている人たちがあからさまな悪役(白人)をギャフンと言わせるっている痛快エンターテインメントに寄りすぎて、差別もキャラクターも彼女たちの功績もなんか中途半端になっているのかな。