2003年11月16日日曜日

映画『ベルリン天使の詩』

1987年 監督:ヴィム・ヴェンダース
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ベルリン・天使の詩 デジタルニューマスター版

慈愛の映画。
胸の深部に小さく光が刻まれる。
この映画から感じる温もりは異常とさえ思える。
あまりシーンの一つ一つを覚えていない。見ているとき自分の過去の思い出や未来のことを自然に考えてしまった。
なんかシンプルなくせにスケールでかくてね、この映画。

2003年11月15日土曜日

映画『アンリエットの巴里祭』

1954年 監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ
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アンリエットの巴里祭

『アンリエットの巴里祭』という題名で映画を作ろうと思いますがストーリーはどうしましょうか、っていう映画。
コメディ、アクション、ロマンス?
ラストのオチはなかなか。遊び心が面白い。

アクションシーンがほとんどぼつになる。ぼつ原稿は大体斜め映像で映される。
斜めの傾き具合が変わったり、天秤のように左右に傾いたり。モーリス(ミシェル・オークレール)が劇場に駆け込み、客席を走り抜けるところの斜め具合は面白かった。

2003年11月13日木曜日

映画『秋のミルク』

1988年 監督:ヨゼフ・フィルスマイアー
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面白い。

先の展開が読めない。
といっても奇抜であっと驚くストーリーでは全くない。
ストーリーの流れを書いたら、そんだけ?と思うだろう。
ただ、思わせぶりなシーンが結構あるから騙される。次の一手に対して緊張感が続く。

第2次世界大戦前のドイツ。農村地帯の農家の娘であるアンナが主人公。二十歳前後の娘。
一見幸せそうな娘であるが、幼少の頃母親を亡くし、それ以来母親代わりとして10人以上はいる家族の世話や、家事、農家の仕事までこなしてきた。
アンナが幼少の頃のシーンが度々挿入される。現在のシーンと過去のシーンつなぎ目が分からずに初めは混乱するが慣れてしまえば、その滑らかな移行が美しい。

幼少のアンナ(5,6歳?)は雪が降り積もる外で手や足がかじかみながらも洗濯をする。
または、つぼの中をかき混ぜているアンナに兄が近づき、つぼの中のなにか食べ物を味見する。まずかったらしくほっぺをはたかれるアンナ。
つらい。

娘をこき使い、息子達にも厳しいアンナの父。嫌な人物として描かれているのかと思ったら、誰よりもアンナや家族を愛する優しい父でもあったりする。
家族全体としても、自然の中で強く温かく暮らす幸せな家族といった印象も受ける。
他にも見ていてアンナの境遇につらさを覚えることがしばしばあるけど、必ずそれを和らげる一面や展開がある。
あるイメージを提示して、後で違うイメージも与える。その付加の仕方がつつましい。

主人公のアンナ役のダーナ・ヴァブロヴァは、ふくよかで綺麗な女性。
後半にお手伝いにやってきた少女にアンナが啖呵を切るシーンがある。
「こんな白い手で白靴下なんか履いて、豚小屋で働けるの? あん!? 年寄りの足のつめ切ったり下の世話したり、そんな生白い顔で出来るの?」
と叫んで追い返してしまう。たくましい。

写真屋の女性が出てくるのだけど、この女性(エーファ・マッテス)のあまりに自然な動きとセリフには驚く。

冒頭にも出てくる義母は雪が降り積もる中自転車引いてどこに行くのだろうな。一人、不幸。

以上、感想をだらだらと。

2003年11月12日水曜日

映画『駅馬車』

1939年 監督:ジョン・フォード
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駅馬車

見るのにあまり乗り気じゃないまま見始めたが、いやぁ、面白かった。エンタテインメント傑作。

アメリカ西部、トントからローズバーグまで駅馬車が走る。折りしもアパッチ族が反乱を起こしているため命の危険を伴う旅路。
まあ、そんな話(こんな説明じゃわかんないか)。

いよいよ駅馬車が軽快な音楽とともに走り出す。旅と危険と広大な荒野と。高揚するね。
でも駅馬車はすぐ止まり、音楽も止まる。
また走り出し、軽快な音楽が流れる。
駅馬車の乗員の会話シーンになり、音楽が止まる。
次に駅馬車の走る姿が映り、また軽快な音楽が流れる。
続く・・・
この、音楽の小刻みな断絶は面白い。

ジョンウエインはどこに出てくるのかなぁって思っていたら、銃声が音楽を一瞬でかき消す。護衛の騎兵隊が河を渡るシーンという間を入れた後、撃った本人をカメラが捉え、そいつの顔面に向かってズームしていく。か、かっけぇ。
このかっこいい登場するのがジョンウエイン。

後半インディアンがばったばったと死んでいく。ずる賢く極悪な"敵"という設定である。

人物設定も交わされる会話も展開もみんな面白いので楽しく見れる映画。

2003年11月10日月曜日

映画『小早川家の秋』

1961年 監督:小津安二郎
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小早川家の秋

今日小津監督作見た。小津作品初めて。初小津。
本当は『突貫小僧』や『大学は出たけれど』っていうサイレントをパテベビー短縮版とかいうので以前見ているがあまり覚えていないため、今日が初小津ということにしておこう。

なにか構えて見出したけど、全然そんな必要なかったな。たぶん誰が見ても面白い。

冒頭の森繁、加藤大介、そして原節子の三者のやり取りからまず面白い。
森繁のセリフ回しっていうかイントネーションっていうかとにかく凄い。

その次のシーンで秋子(原節子)と紀子(司葉子)が部屋の中に座して向かい合って喋っているのだけど、なんか違和感がある。セリフの喋り方に抑揚がないとかそういう訳でもないのに、なにか二人の会話空間に恐ろしさがある。
秋子が「そぅ。そうなのぉ」というところなど普通の相づちのようでいて裏に人間でない生き物が隠れていそうな雰囲気がする。
向かい合う二人をカメラは一人ずつ真正面ど真ん中に捉る。秋子が喋れば秋子を、紀子が喋れば紀子を映す。時にせわしなく切り替わる。
よく見る手法なのだけど、後で思うとこれが違和感の一つの原因だった気がする。

今書いたところまでで、せいぜい10分くらい。この後には中村鴈治郎や新珠三千代や小林桂樹や藤木悠などなど出てくるのだから面白さはまだまだ続く。
以下はしょって。

紀子と寺本(宝田明)が駅のホームにあるベンチに座っているシーンってなんだったんだろうな。
寺本が連発して言う「ああ、愉快だった」の不思議さもさることながら、ホームに電車がやってきた後紀子たちでなく全然関係ない人たちの乗車シーン映してもう一度ベンチを映す。
そのベンチは空で2人の影も形もない。しかもその空のベンチっていうのが二人が座っていたベンチじゃないと思われる。
電車が来て紀子達は同時に立ち上がり、次のカットで知らない人たちの乗車シーンで、その次のカットで二人が座っていたベンチじゃない空のベンチ。
このつながり方って怖いだろう。異質なものが、さも自然な顔して存在している。
紀子と寺本のシーンはスタジオ撮影で、関係ない人たちのシーンは実際のホームだったということだろうか。
しかし、さっき全然関係ない人たちの乗車シーンって書いたけど、実は乗車してるなって予想させるのみで電車の姿は全く映っていない。
空のベンチに走り出す電車の音と車内灯が当たっているだけ。
こんなの全部スタジオで撮影できるだろう。
うーん、まあいいや。

詳細は書かないが、お父ちゃん(鴈治郎)が「違わい!山田君じゃ」って言うシーンがあるのだけど、思わず爆笑してしまった。
映画見て爆笑したのっていつ以来だろう。チャウシンチーの『0061/北京より愛をこめて!?』以来じゃないだろうか。

秋子はお父ちゃんの長男の嫁で紀子はお父ちゃんの娘。この2人は仲がいい。
葬儀やらなんやらで家族親族が集まる時でもいつも二人だけが外を散歩したりと少し離れたところにいる。
秋子は夫の親族と仲が悪いわけでもない。でもこの二人はいつも皆から少し離れている。
鴈治郎を中心とした「家」に収めず、少し距離をとったところに二人を立たせ「家」に客観性を持たせているとか、理屈でいえばどうこう言えそうだけど、理屈ぬきでこの二人と「家」の間にあるたゆたう距離感に不思議な面白さがある。

ひとつひとつ書いてもきりがないからまとめて書くと、なんか全体的に不思議なんだよ。微妙に。
しゃがんでいた秋子と紀子が同時に立ち上がって同時に二歩すすんで同時に止まったりとかさ。ここは特にぞくっとしたな。

そういえば病み上がりのお父ちゃん便所でブッて屁こいてたな。

一本しかみないであんましどうこう書くのやめよっと。
あと『晩春』をビデオに録ってあるのだけどどうしようかな。小津は映画館でしか見たくない気がしてきた。

2003年11月9日日曜日

映画『黄昏に瞳やさしく』

1990年 監督:フランチェスカ・アルキブジ
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思わぬ拾い物。面白かった。

共産主義者の老大学教授にマルチェロ・マストロヤンニ。
義理の娘役にサンドリーヌ・ボネール。

ストーリーは世代間の断絶と少し恋が混じったりする話。
知識教養を最上と捉える老教授と、さみしさにより自分に欠落したものを必死に埋めようと活発に行動しては傷ついていく義理の娘。
2つの生き方が近づいては離れる。
そして、そういう二人の距離と同じだけ離れて立つ5歳の少女。
老教授と義理の娘、どちらも正しいようでどちらも間違っている。というか正誤なんてないのだけど。あとはこの少女が生きていく。

なにげなく映像は流れるけど、セリフといいシーンといい結構じわっといける。

本屋

うすね正俊作『砂ぼうず』の最新刊が発売されているという情報を得る。
で、買いに行った。

最寄り駅の駅ビル内の本屋で見つけた。1巻から11巻までそろっている。
しかし最新刊が何巻だったかよくわからない。包装されているから中身も見れないし。
まあ11巻が新しそうだなと思って買う。
マンガの単行本1冊620円だ。高いなぁ。と思うけど、よくよく考えてみると、毎日昼飯に700円くらい使っているのだよなぁ。

買って店を出た後、なんとなく中身をぱらぱら見てみると、あれ?最新刊じゃないじゃん。
この巻持ってるよ。
返品できるかなぁ。返品無理でも取替えなら大丈夫かなってうつむいて考えながら店に戻る。
色白の女性店員に巻を間違って買ってしまったことを伝える。説明の成り行き上、巻を取替えたいという意思表示をする。
OKらしい。
10巻と11巻は持っているので9巻と取り替えてもらう。
なんか住所やら名前電話番号など書かされた。
俺が前に働いていた本屋では返品も取替えも平気で、「あ、どうぞ」ってOKしていたけど(本当はその店自体返品も取り替えもお断りっていう店だったけど独断で勝手にOKしていた僕)。
なにか店の会計やら犯罪防止などいろいろ理由があって住所とか書かせるのであろう。でもめんどいこった。
紙に住所など汚い殴り書きで書いているとき、横に立った男が「すいませんこれ間違っちゃったんだけどぉ」と言っている。
店員が「・・・返品、ってことでよろしいですか?」「うん」
えっ?返品もありなの!しまった。返品にすればよかった。

まあそんな希望はだめもとで伝えたほうがいいという話。

2003年11月8日土曜日

キムヨンジャさん

『BSにほんの歌』でキムヨンジャの鼻の穴を見つめていた。
ブラックホールのように吸い込まれそう。
凝視していると、2つの見事な黒丸が目ん玉に見えてきてキュートだ。

映画『ベアーズ・キス』

2002年 監督:セルゲイ・ボドロフ
at ギンレイホール


ベアーズ・キス スタンダード・エディション

名作『コーカサスの虜』のセルゲイ・ボドロフ監督作。

サーカスのブランコ乗りの少女ローラ(レベッカ・リリエベリ)。ローラはある日小熊を買ってもらう。
小熊はすくすく育ち、しかも愛しすぎたゆえか熊は人間に変身できるようになった。

ファンタジーものだ。でも人間に変身できるなんてどうでもよかったな。熊は熊のままでいいよ。
捨て子(実は違うのだが)のローラが愛情を疑いなく向けられるのは熊しかいない。
ローラは少女であり、熊は猛獣。必然的に映画全体で悲しさを帯びる。
ラストを見るとああ、このラストを違和感なくするために熊が人間に変身っていうのをまかりとおしたのかと納得するけど、なんかさみしいなぁ。

少女と熊が抱き合ってダンスをするシーンは予告編で見たときより印象としてさらっとしていた。
なんかストーリー上で劇的な展開があった後、悲しげに街中で熊とダンスして、回りに見とれる人だかりができるというシーンだと勘違いしていたから。

熊の変身した人間を演じるのはセルゲイ・ボドロフ・Jr。中村雅俊が整形に失敗したような顔をしている。
後で知ったことだがこの俳優『コーカサスの虜』のワーニャ役の人だった。しかも2002の9月に他界してしまったらしい。
ご冥福をお祈りします。

ローラ役の子はかわいいね。

にしても期待の割りに少しだけもの足りなかった。

映画『トーク・トゥ・ハー』

2002年 監督:ペドロ・アルモドバル
at ギンレイホール


トーク・トゥ・ハー リミテッド・エディション

もう何年も飯田橋のギンレイホールに通っているけれど、今までで一番今回のプログラムが楽しみだった。

昏睡状態の女性アリシアを献身的に介護する介護士ベニグノ。
そして女闘牛士リディアとその恋人のマルコ。
この四者の物語。

愛の深さの映画。異性にだったり友人にだったり。

アリシアが昏睡状態になる前、アリシアとベニグノは出会っている。
ベニグノの方が一方的に彼女を愛しており、アリシアの方は彼の存在すらよく知らないのだが。
アリシアがベニグノの存在を知ってまもなく、アリシア交通事故により植物状態になる。

アリシアを4年間も介護し続けるベニグノ。体をくまなく拭いたりマッサージしたり手にクリームをつけてやったり、彼女の好きなサイレント映画の話をしてやったり。
ベニグノにとって人生で最も充実した4年間。
崩壊の契機は1本のサイレント映画。
このサイレント映画っていうのが、燃え滾る情熱が行き着く究極の形をエロティックに描いたものであった(結構笑えもするのだが)。
ベニグノのアリシアへの愛情はあまりに深い。一方通行では満足できない刻がやってくる。
体に触れているだけでは足りない。サイレント映画で見た究極の一体はベニグノにある行動を起こさせてしまう。
・・・ラストではほんのり心が温かくなる。

以前に見た『オールアバウトマイマザー』では5分に一度は泣いた。涙ちょちょぎれた。
この『トーク・トゥ・ハー』にもそういうの期待したけど泣きはしなかったな。
期待が高かっただけにいい作品だが少し喰い足りなさを感じてしまった。
ちなみにアリシアを演じた女優はむっちりして綺麗な人だった。
あと、昨日見た映画にも出ていたジェラルディン・チャップリンが出ていたな。
あと、エンドロールで流れた音楽はなんだろう?ホーミー?