2004年8月19日木曜日

映画『美術館の隣の動物園』

1998年 監督:イ・ジョンヒャン
BS2 録画


美術館の隣の動物園

題名が結構惹かれる。
ラブストーリーながらもまあまあ面白い。
役者さんの演技が良いし、映画の表題もストーリー上、上手い事になっているし。
でも2回は見る気にはなれないけれど。

主人公二人はどちらもめちゃくちゃ美形ってわけでもないんだな。普通な感じ。
と、思っていたけど女性の方のシム・ウナさんは「八月のクリスマス」の主演女優の人だ。
えーっ、同じ98年製作なのに全然印象が違うなぁ。「八月の~」の方がやせてた気がするけど・・・だぼだぼの服着てるせいかな。
もっとびっくりしたのは男性の方のイ・ソンジェさんは「アタック・ザ・ガス・ステーション!」って映画の主演男優だった。
「アタック~」の方では坊主頭で鋭い眼光がかっこよかったな。全然気づかなかった。
二人のこの雰囲気の変わりようってそれだけ演技の幅を持っているってことか。
シム・ウナさんはほぼノーメークで髪もぼさぼさの恋に臆病な女性を素かと思うくらい素敵に演じているし、イ・ソンジェさんは言いたい事はっきり言って偉そうな男だが結構心優しい奴って役をなんの違和感もなく自然に演じていた。
・・・でもこの作品をまた見ようとは思わないのであった。

あっ、シム・ウナさんがバスを追ってばたばた走る姿の野暮ったさは素晴らしかった。素?

2004年8月16日月曜日

映画『さよなら子供たち』

1987年 監督:ルイ・マル
BS2


さよなら子供たち

夕飯作りながら見始めたのだけど、茹でていたパスタがふにょふにょになるくらい面白かった。

1944年、ナチス占領下のフランス。カトリック系の寄宿学校にて生活を営む少年カンタン。
本好きの彼は他の生徒達とはどこか違った雰囲気を持つ。
ある日寄宿学校にジャン・ボネという名の転入生がやってくる。
彼も本好きで、父が会計士ということもあり数学も得意。ピアノまで弾ける。
だがボネは謎めいた憂いを秘めた少年だった。
甘えん坊で気取りやのカンタンとどちらかというと暗い感じのボネは、お互いに興味を持ち始める。

ルイ・マル監督の自伝的お話らしい。
実体験に基づくなら思い入れも強いだろうが、作品は殊更に美化される事も無く落ち着き安定した映像を見せてくれる。
そのくせ監督の想いがひしひしと痛いくらいに伝わってくるのだから凄い。
映画見てストーリー上泣きそうになっても、こんなんで泣いてたまるか、と思うこともあるが、この作品は素直に泣ける。

2004年8月15日日曜日

映画『ショコラ』

2000年 監督:ラッセ・ハルストレム
BS2 録画


ショコラ【廉価2500円版】

フランスの田舎町。で、なんで英語?
チョコレートで人の抑えられていた欲望を喚起させる魔女のような流れ者の子持ち女性にジュリエット・ビノシュ。

まあまあ面白かったな。飽きずには見れたし。
でもこの監督は映画というより良質のドラマを作る人だな。演出にうんざりする程のあざとさはないものの、ほんわかさらっと流れて行ってしまうような。
ジュリエット・ビノシュがどろどろで艶のあるチョコレートをかき混ぜてるのはなんだかエロい。

花火と火事

ドン、ドンドン、って何事だ!って思ったらそういえば今日多摩川で花火の日だ。
毎年終戦記念日にやってんだよね。
うっさいからサンダルつっかけ歩いて見に行く。

惜しみなく開いては消えていく。
特大の花火は沈黙の夜空にひゅるひゅる点滅しながら他のどの花火より高く昇っていく。
誰もがこれはでかいぞと息を呑む。
光球が失速し始めると期待は頂点に達す。
ひらいた!でかっ!
あっというまに消える光の遷移を感傷的に想いながら体は無意識に数秒遅れの爆音に備える。
ドゴン!
この体を震わす爆音がたまんない。

ほんの少し飽きてきた頃、隣に立っていた知らない若夫婦の男の方がなにやらきょろきょろしている。
なんだうざいなぁと思っていると、男が花火とは全然違う方を見上げながら「あ、火事」と言う。
えっと思って男が見上げている土手沿いの高層マンションを見ようと首を振ったら消防車の赤い光が目に入りサイレンの音が聞こえる。
土手に所狭しとひしめいている群衆が騒ぎ出す。
高層マンション最上階の角部屋が、コントの火事みたく赤く点滅している。
花火の爆音が響く。群衆は「ほら、花火見なきゃ!」「でも、火事・・・」とざわめき立っている。
なんかこのシチュエーションがかなり面白かったな。前方に花火で後方で火事。中間にいて騒ぐ人間。

花火終わって人の波につられて歩いていると、何台も消防車や救急車が見えた。
結局、火事はどうなったんだろう。

2004年8月11日水曜日

映画『雄呂血』

1925年 監督:二川文太郎
BS2 録画


Talking Silents3「雄呂血」「逆流」

自分はただ正義という信念に基づいて動いているだけなのに・・・
人々の安直で卑怯な心がいつしか久利富(阪東妻三郎)にならずものというレッテルを貼る。
なにをやってもひたすら誤解されるだけの久利富の苦悩は深い。誰も自分のことを分かってくれない。
純情すぎる久利富は心底惚れ抜いた女性にすら誤解を受け、彼の信念は無情の世間にむき出しにさらされ削られていく。

阪妻の初期の作品。当時24歳。
日本映画史で言えばこれまでは一人斬っては見得を切るという立ち回りだったが、この作品からばったばったと大人数と乱闘するチャンバラ劇が始まったらしい。
してその大立ち回りは荒々しい力に溢れてスピード感と迫力ともに魅了される。押しては引いてのリズムの心地よいこと。

2004年8月10日火曜日

映画『AKIRA』

1988年 監督:大友克洋
BS2 録画


AKIRA DVD SPECIAL EDITION

未だに見たこと無くて。初めて見た。
めちゃ面白いじゃん。今度原作読もっと。
暴走族の少年達は友情に熱い。
劣等感から発したけんかが多くの無関係の命を巻き込んで、けんかしたことで友達の大切さを知ってハッピーエンド、・・・なんてこともなく。

2004年8月9日月曜日

映画『マグノリアの花たち』

1989年 監督:ハーバート・ロス
BS2 録画


マグノリアの花たち コレクターズ・エディション

どうも見始めてから長い間気分が乗らず、早送りか停止かと迷っているうちに結局最後まで見た。
アメリカ南部の田舎町に美容学校をトップで卒業したアネル(ダリル・ハンナ)がやってくる。
丁度その頃、町ではシェルビーの結婚式の準備が着々と進んでいた。
シェルビーを演じたのはジュリア・ロバーツ。
そしてその母親役がサリー・フィールド。始めこの二人は姉妹役かと思ったよ。実年齢の差が21歳か・・・
他にも口が悪くてきつい性格だが実は心優しいばあさん、って役を演じたのがシャーリー・マクレーン。
前村長夫人で澄ました気品を持つばあさんがオリンピア・デュカキスで、ダリル・ハンナが就職する美容院の女主人にドリー・パートン。

予備知識を全くなしで見たから最初どういう映画か分からなかった。
美容院にてジュリア・ロバーツ、サリー・フィールド、オリンピア・デュカキス、ドリー・パートンの4人(あまり喋らないがダリル・ハンナも加えれば5人)が結婚話に花を咲かせているところなんて本当停止しようかと思った。
このシーンまでに面白いところがほとんど見当たんなかったんだもん。
まさかこのまま町の住人の世間話を延々と聞かされジュリア・ロバーツが無事結婚して終わり、なんて訳はないだろう。
なんかしらドラマが展開するはず。
というか、ここまで結構ユーモアシーンがいくつかあったのでもしかしたらコメディドラマなのだろうか。
いや、そうだとしたら描かれたユーモアが少しも面白くなかった僕としてはここでさっさと停止するべきなんじゃなかい?とかいろいろ考えた。
まあ、実際はこれ、ユーモアも入った泣いて笑える感動ドラマだった。
泣いて、って泣きはしなかったけどラストの方のサリー・フィールドには結構危ういところまで持っていかされた。

最後まで見た感想なんだけど、ちょっと全体的に胡散臭い気がした。
完全にシリアスにしないでユーモアも交えて、っていう作品だがそのユーモアが胡散臭いからかな。
それとも死と生の循環や人々の温かさをこれみよがしに表現してるところかな。

シャーリー・マクレーンが鳥の糞をその魅惑的な顔面でキャッチしているのは「まじ?」と思いつつ面白かった。
サリー・フィールドは時におばさん顔、時に20代の小柄でかわいい女性、時に20代の地味で冴えないおばさんくさい女性等々、様々な表情を見せてくれたし演技も良かった。
他、役者陣は皆良かったな。非常に豪華だし。

2004年8月8日日曜日

映画『メイキング・オブ・ドッグヴィル ~告白~』

2003年 監督:サミ・マーティン・サイフ
at ギンレイホール


ドッグヴィルの告白

意外と和気藹々と撮影してんなと思ったら・・・
出演者と気さくに談話した後にラース・フォン・トリアーが憔悴しきった顔をしているのが面白い。

映画『ドッグヴィル』

2003年 監督:ラース・フォン・トリアー
at ギンレイホール


ドッグヴィル スタンダード・エディション

偽善偽善傲慢傲慢。
結局は自分の身を守る事が一番大事でそのためには恐ろしく残酷で醜くなるか弱き人間。
独善的な人たちによって被った深い傷に対してどういう行動に出るか?寛容か?倍返しか?
人の醜い部分が簡素なセットの中、むき出しで見せられて結構気分悪くなるんだけど、醜い部分の演出がどこか滑稽感を伴って描かれるのね。
茶化しているようでもあり、辛辣に批判しているようでもあり。

ところでこの映画、177分もある。
ロッキー山脈の麓に孤立した「ドッグヴィル」という架空の村で起こった出来事を描いているののだけど、撮影場所はスウェーデンにある巨大スタジオなのね。
セットは簡素で、っていうか白線引いて「楡通り」とか「トムの家」とか示しているだけで、家の壁もないし樹もない。
これで177分。
でもそんなに退屈はしなかったな。疲れたけど。
実際にロッキー山脈でロケが行われていたら大分映画の印象が変わると思う。もっと恐ろしく醜悪に。

主演のニコール・キッドマンは着実と大女優の道を歩いている。
この作品での彼女の演技は僕が今まで見た中では一番よかったな。

2004年8月7日土曜日

映画『インテリア』

1978年 監督:ウディ・アレン
BS2 録画


インテリア

始まって1分くらい、登場人物が映っているのに彼女らは一言も言葉を発さないのね。
ちょっとびっくり。

初老の女性イブは元インテリアデザイナー、だったのかな。
彼女には三人の娘がいる。
ある日彼女は夫から別居を申し込まれる。
神経質で完璧主義なイブは「完璧で秩序ある」家庭を築いたが、そこはとても息苦しい空間だった。
見事に統一された室内インテリアは人の感情が入り込む隙間の無い氷の宮殿だった。
別居を申し渡されたショックからイブは一人家を出て行く。
一人暮らしのイブの世話を献身的にしたのは二女のジョーイ。
長女のレナータによると彼女は感受性が強く聡明で繊細な子だったらしい。
三姉妹の中で一番父親に愛されていたのはジョーイだった。(レナータはそんなジョーイに嫉妬する)
ジョーイは神経質な上平気で人を傷つける母を疎ましく思っていた。
母もジョーイの恋人が気に食わないのかなんなのかいつも澄ました態度でジョーイをさげすんでいた。(強い悪気があってのさげすみではないのだろうが)
なのに、今では一人寂しく不安定に暮らす母を誰よりも心配に思っている。
母への愛情と憎しみと罪悪感が複雑にからんだ感情で。
(・・・って細かく書いていたら書ききれないなとふと思った。以下簡単に)
ジョーイは子供の頃は優秀だったのかもしれないが今は自分の感情を表現する手立ても見つけられず、才能を埋もれさせてしまっているが、ジョーイの才能を羨んでいた長女のレナータの方は今じゃ立派な詩人になっているのね。
そしてレナータの夫は売れない作家。ここに夫婦間の歪みができる。
三女のフリンは売れないテレビ女優で、なんだか犯されそうになっちゃたり・・・

笑いやユーモアがこの映画には姿を表さない。
ひたすら家族や恋人、姉妹の間で渦巻く複雑な感情が表出する。
重いといえば重い。
2,3回見るとはまりそうな映画。
『アニーホール』の次の年に作製されてんだな、これ。

母イブを演じたジェラルディン・ペイジが凄い。
可憐で今にも消え入りそうなか細い声。
ラスト近くでジョーイの感情をただただ受け止めていた時の彼女の驚愕の目。
なんて魅力的な女優さんなんだろう。