BS2 録画
世良公則は階段から降りてくる薬師丸ひろ子よりずっと離れたところにいた気がするが、薬師丸に駆け寄る高木美保を見た後あっという間に薬師丸と高木の間に割り込めるというその素晴らしい俊敏さはさすが世良さんですね。
まず、香織役を演じた上野みささんがいい。
元レディースの特攻隊長で今は魚屋という役。
最初の登場シーンでは斜め後方から映されてよく顔が見えなかったので渡辺満理奈かと思った。
めちゃくちゃ美人でもないけれど、とにかくかっこいい。そしてかわいかったり綺麗だったり。
魚でウエイトトレーニングしているシーンは特に可愛かったな。
ばりばりの関西弁でどすをきかせる姿がえらい魅力的。
香織が百合姉百合姉と慕うその未亡人百合子を演じたのが室井滋。
どうみても上野みさの方が強そうだった。スタイルもいいし。
あと未亡人百合子の娘役の中尾貴子という子役の声が渋い。かわいい顔してしゃがれ気味の声でしかも関西弁。
作品の方は出だしからああ、なんか疲れそう、と思ったけど、中盤の橋の上でギャラリーに取り囲まれてのダンスシーンや、感動のラストでは不覚にも涙が出てしまう。
コメディとしてはあまり笑えなかったけど(ふん、と鼻で笑うところはたくさんあり)、これは感動ドラマです。
ラストは盛り上がって満足したところで余計なその後の話など一切入れずに終わったところが気に入る。
室井滋のファッションが手編み系で家庭的ながらもおばんくさくてださいところがGood
見ていて暫く、僕はなんでこの作品を録画したんだっけと考えていた。
一郎君が家族の疎開先に初めて訪ねて行くシーン、家族のいる家を探していた一郎君は庭先で幼い弟達が「いち、にぃ、さん、しぃ」の掛け声と共に体操をしている姿を見つける。
このシーン見てはたと思い出した(というか確信した)けど、僕以前この作品見てるや。
一度見たくせにほとんど覚えてすらいない作品をなんで録画したんだろう?
全部見終わってから漸く知ったのは監督が木下恵介だったということ。
そうか、木下恵介だから録画したのか。
無名の監督だったらまず見なかったと思う。
氷川きよしを初めて見たときどこかで見たことあると思っていたけど、石浜朗に目の感じが似ていたからだったのかな。
小林トシ子がメガネかけてもんぺ履いた女中役をやっていて面白い。
『二十四の瞳』では土手を行進する子供達を追った移動ショット一つで涙流した記憶があるが、この作品ではそこまで泣くようなシーンはなかった。
ストーリーはほぼ忘れていたけれど、ぶつ切りでシーンの記憶が結構蘇る。
岩下志麻が川津祐介と結婚しようとするのだけど、どちらも親や親族にひとくせもふたくせもある人物がいて・・・
ホームドラマでコメディ。
で、まじで面白い!
川津祐介としたデートの回数を知らず知らずに喋らされたことに気づいた岩下志麻が、「ひどい、ひど~い、ひどいわお母さん」と連呼しながら母淡島千景の腕をつかんでぐらんぐらん揺らしたり体をひっぱたいたりする。
ほのぼの~とした光景のはずがなんでしょう、この違和感。絶妙に度を越えたじゃれあい具合がなんとも面白い。
違和感というか不自然さかな。不自然なリアルさ。が面白い。
岩下志麻が奈良の大仏によく悩み相談を声に出して話しかけてするのだけど、婚約相手がグレゴリーペックに似てると思うとか言うのさ。大仏に。
酒好きという設定の淡島千景は本当に幸せそうに(表情が笑える)酒を飲む。正座してしとやかに。湯飲み茶碗で。
岩下志麻との待ち合わせ場所に駆けつける川津祐介をわざと修学旅行生の群れの中に突っ込ませたり。
妻の女友達の料理屋で正座して無言で酒を飲んでいた笠智衆が女性達の馬鹿笑いに閉口したのか気が振れたかのように歌いだしたり。笑っていいのかなんなのか。
とか、文章で書いてもよくわかんないだろうな。僕も今書いていてだから何なんだろうって思ったし。
とにかくコメディ部分も好き嫌いはあるだろうが僕は結構笑った。
テンポもいい。黛敏郎の音楽もよい。キャストもいい。映像もかなり面白い。
イタリアの小さな村。広大な麦畑を少年達がその成長する命を惜しみなく燃焼させながら駆け抜けていく。
黄金色に輝き豊かに揺れる麦畑には圧倒される。
青く突き抜けた空の下に存在する小さな村の住人は皆素朴で温かく、と思いきや村は貧困なのでしょう、大人たちにはある秘密の闇があり・・・
少年ミケーレはある日、家から遠く離れた廃屋の側で秘密の地下室を見つける。
地下室には血だらけで汚れた不思議な金髪の少年がいた。
しっかしこの少年の登場シーンはどんなホラー映画よりも怖かった。心臓飛び出るっていうのはこういうときに使うもんなのだと納得。
『夏解』を見たとき、無意味に驚かす演出は大っきらいだと思ったけど、この作品ではそれほど怒りが湧かない。
少年の視点で描かれているから、少年と一緒に常に冒険気分だったし。
ミケーレの妹マリアが面白い。
可愛らしい少女だが野暮ったいメガネをかけていて、リカちゃん人形みたいなお人形さんを水の中で溺れさせて遊んだりお人形さんを持つときは髪の毛を握り締めてぶらんぶらんさせていたり。
なんか怖い。
途中少し飽きてきたけど、ラストの親子三人のスナップショットには涙。(冒頭でも流れてたか?)
アレックスの恋人役で、かわいらしいんだけどくせのある顔した女優チュルパン・ハマートヴァさんは『ツバル』や『ルナ・パパ』の主演女優さん。
『ルナ・パパ』ではしつこい顔芸演技が気にくわなかったのだけど、この作品はまあまあ。
奇しくも『アンダーグラウンド』の次に見た作品。
外の世界で起こっていることを全く知らない人。
閉じられた空間で他者から嘘の情報を伝えられる。
愛する祖国の現状を知らない。
騙されている方は傍から見ると滑稽でコケにされていると言えなくも無いが、それもこれも深い愛情ゆえに・・・
嘘だからこそ作れた理想(夢)も、いつか現実と寄り添い合わせながら前に進まなければならない。
共産主義パルチザンでゲリラ活動を続ける二人の男と、多情な一人の美しい女優。
男女三人の恋愛事情が、多民族国家ユーゴスラヴィアの激動の歴史と共に悲劇の運命を辿っていく。
共に、っていっても彼らが被った悲劇は戦争や国の事情でやむなく被ったものというわけでもないのだけどな。
でももちろん全く関係ないわけが無く、恋愛事情のうねりと世界事情のうねりが独立しながらもからみあって運命の歯車を回していく。
陽気に滑稽に騒々しく。
おおっぴらに戦争批判をしているわけでもなし、自己愛の狡猾な人間を悪と決め込んでいるわけでもなし。
皮肉屋が人の一生の、重みと醜さと滑稽さと、そして不思議なまでの素晴らしさを描いた人間賛歌。
レナート・カステラーニはこの『2ペンスの希望』で1952年カンヌパルムドールを受賞している。
1954年には『ロミオとジュリエット』も撮っている。
この人の監督作を見るのはこの作品が初めてだけど、デ・シーカの『ああ結婚』の脚本にレナート・カステラーニが名を連ねていた。
普段は監督の経歴とか調べもしないのだけど、なんせ滅茶苦茶この作品は面白かったからな。
まだ9月だけれど、今年度に見た映画の中でナンバーワンにしたい。
舞台はナポリ近郊の田舎村で、青年アントニオが除隊し村に戻ってきたところから始まる。
彼の父は既に他界しており、彼は家族の中で唯一の男として母や姉妹を養うために働き口を探す。
しかし失業者が列を成すこの村ではなかなか仕事が見つからないのである。
そんな時、花火師の娘カルメラと出会う。カルメラはアントニオにぞっこんほれ込む。
でもアントニオは恋愛などしてる場合じゃない。カルメラなど気にもかけていなかったのだが次第にアントニオもカルメラに惹かれていく。
ってまあ、ちまちま書いていてもしょうがないから大まかに言うと、結婚しようとするが金が無くてできない!って話。この辺の時代のイタリア映画によくある話。
カルメラの父は無口で厳しい人なのね。そしてカルメラの家はある程度金を持っている家らしい。だから父はまともに職にもついていないアントニオなど身分が違うといった感じで認めない。
家族を養うため、結婚資金を作るため、日雇いで転々としながら必死に働くアントニオ。
あらすじだけ書くと暗そうな気がするが、映画は逆に底抜けに明るく楽しい。
そして映画見て涙出たのは久しぶり。
泣いたのは3,4箇所あるのだけど、1つ挙げるなら村に初めて通ったバスの開通式でアントニオがそのバスの運転手に就任したため、カルメラは仕事を抜け出して開通式に駆けつける。
着いたと同時に騒々しく爆竹を鳴らして風のように去っていく。
イタリアの明るい自然の中を腰を曲げて野生のように駆け抜ける姿が軽快な音楽に乗せてローアングルで映される。→泣
父の作業場に戻り何事もなく作業を再開するカルメラに父は爆竹を鳴らしたのは誰かと聞く。
カルメラはしらを切るが、続けて「お前がぬすんだのならただじゃおかん」という父の言葉を聴いて瞬時に判断したカルメラは「お仕置きを」と自ら頬を差し出し、父も間髪入れずがつんとはたく。→泣
鼻を手でくしゅっとさせ身震いした後に顔を上げ体を揺らせて明るくカルメラは歌いだす。→泣
・・・文章で書くっていうのは難しいなぁ。爆竹が鳴ってからカルメラが歌いだすまでの流れが涙出るくらい最高に素晴らしいのさ。
村人はよく歌を歌うのだけど、カルメラは特によく歌う。あばずれた声が非常に魅力的なのね。
人の家のうさぎを盗んでおいて責められても巧みにすっとぼけたりする自己中心的なアントニオの母親が次第にたくましくて頼りになるキュートなおばちゃんに見えてきたり、しゃがみこんで夢中でいたずらをしているカルメラをアントニオが蹴っ飛ばして突っ込みを入れたり、鎖でつながれ監禁されながらも三角座りで暴力的に声を張り上げ歌うカルメラに母が優しく近づき手を差し伸べるがその差し出した手に向かって「ワンワンワン」って叫びながら噛み付くそぶりをしたり、教会で働く小柄でよぼよぼのじいさんがとてもいい顔していたり、カルメラが店先から振り向いて走り去ろうとした瞬間に店の軒先に付いた日よけだか雨よけのテントを張るための紐に演出なのか素なのかぶつかったり、アントニオの着ているランニングシャツが無残なまでに穴だらけだったり。
演出も音楽も役者も全部いい。
役者は無名の新人と撮影場所の村人とのこと。
DVDに焼こっと。