2004年9月17日金曜日

映画『怒れ!力道山』

1956年 監督:小沢茂弘
BS2 録画


面白かったぞ。
力道山が子供好きで非常に紳士的な男で。
プロレスはショーじゃありません。八百長もありません。エンターテインメントに特化した特殊なスポーツです。
力道山も映画の中でショーと言われた事に憤慨しているし。
子供達のため、悪を粉砕するために、どうしてもラッキー・シモノビッチに勝たなければならないというシチュエーションがラストの試合を興奮で包む。
といってもどう考えても力道山が勝つ事が決まっているのだけど。
それでもストーリー上プロレスも含めて結構楽しめる。
恩師である代議士大橋と親交のある赤岩という人物が実は悪どい人物だと知った力道山は、大橋に進言しに行く。
しかし大橋にレスラーごときが政治の世界に口出すとは身の程を知れ!政治家はお前達が考えているよりもっともっと高い観点から物事を見ている!などと言われてやりこめられてしまう。
ああ、意思の疎通ができない。自分は無力だ。
しかし落ち込む力道山に飛び込んできた知り合いの記者からの話で、落ち込んでいた気持ちが怒りに変わる。
(展開のテンポがいい上に面白い、っていう例を挙げようとして書いたんだけどこれじゃ分かんないか)

銃で撃たれても試合に出てしまうとはさすがプロレスラーだ。
反則を繰り返すはだしの悪役ラッキー・シモノビッチに怒った植木基晴はシモノビッチに襲い掛かる。
シモノビッチに人形のように軽々放り投げられてしまう。ひどいやつだ。怒れ力道山!
子供がレスラーにぶつかっていくほど熱狂的にプロレスを見れるっていう時代があったんだなぁ。

掃き溜めの鶴のような小宮光江さんが綺麗だ。ふっくらしていて気が強くて美しい。
有馬稲子や岸恵子と比べても見劣りしない美貌の女優だけどネットで調べてみてもあんまし情報が得られない。

大橋役に早川雪洲。
小児麻痺の友人に会わせるべく力道山を呼んで来た元気で小生意気な顔した貫一君は、植木基晴。千恵蔵の実子。
田代百合子が新聞記者。新聞社の名前は「マイチョウシンブン」だ!新井英樹が「ザ・ワールドイズマイン」で「マイチョウシンブン」を登場させたのはこの映画を見たから、ということはまずなさそう。
他、いろいろ。

実際の力道山は凶暴な人だったらしい。三面記事によく「力道山また暴れる」と記事が載っていたとのこと。
高田延彦と永田裕志を足して割ったような顔してるんだね。
力道山は1963年に赤坂のナイトクラブで暴力団員に錆びたナイフで腹部を刺される。
1週間後に死亡。
死因は麻酔医が気管内挿管に失敗したかららしい。

2004年9月16日木曜日

懐かしさ

映画の後、図書館で「ぴあ」でも読もうかと久しぶりに大学に寄ってみる。
夜の外堀公園を歩いて正門に行くとなにやら工事中みたく壁が立ちふさがっている。壁沿いに学生会館の方に向かっては入れるようなので一応進んでみる。
通路を歩いていると夜目でよく見えないがBOX棟が封鎖されているみたいだった。
学生会館は明かりが灯っていて、中に入ろうとしたら、昔置いてあった自販機もなにもかも撤去されてがらんどうだった。
少し恐ろしくなって正門の外に出る。
別の入り口から構内に入る。
図書館は普通にやっていた。
中に入ると、受付がなくなっていて、代わりに改札機みたいな無機的な機械が置いてある。
ライブラリカードを通して入るらしい。近くに学生に向けて、地下1階でカードを発行するように、とか書かれている看板がある。
たぶん僕の持っているカードじゃ入れないのだろうな。試してみる気もカードを発行する気もなれず、帰る。

蒲田から自転車で帰る途中信号待ちをしていると、蒲田行きのバスがのんびりと信号を左折する。
人気(ひとけ)のない暗い夜道。乗客の一人もいないバスの車内が幻想的に青白く光っていた。

映画『みなさん、さようなら』

2003年 監督:ドゥニ・アルカン
at ギンレイホール


みなさん、さようなら

ガエル(マリナ・ハンズ)よりかはナタリー(マリ=ジョゼ・クローズ)の方が好きだな。
セバスチャン(ステファン・ルソー)は婚約者を想い、よくとどまった。

老齢のレミは今病床についている。息子のセバスチャンはロンドンのやり手証券マン。カナダに住む父とは仲が悪い。
それというのも、大学で歴史学を教えていた父は非常に女ぐせが悪かったから。
真面目なセバスチャンはそんな父のだらしなさが納得いかない。

しかし病気の父のためにセバスチャンは婚約者のガエルを連れて父のいるカナダに戻る。
父のため、病院の経営者や組合を買収して広い個室を用意してやったり、世界に散らばっていた父の昔の友人や愛人を呼び寄せたりと、驚くべき迅速な行動力を見せるセバスチャン。
デヴィッド・ドゥカヴニーをさらに甘い顔にしたようなセバスチャン。
セバスチャンを演じたステファン・ルソーはカナダでお笑い界のブラッドピットと呼ばれるコメディアンらしい。

元愛人や友人が病室に来るとひたすら下品な話が繰り返される。少し眠ってしまった。

レミは幸せな死に方したな。死ぬっていうのが、ああ、こうやって友人達の顔を見ている自分の意識が数分後には完全に消滅してしまうんだ、と思うと恐ろしいもんだ。
死に行く意識で初恋の太腿がレミの脳裏に過ぎるのは美しい上に感動的。泣くまではいかなかったけど。

『ビッグフィッシュ』では息子は結局父の生き方に染まったけど、セバスチャンはどうなるんだろう?
ベリーショートの神秘的に美しい容姿を持ったナタリーをほっとけるのか?
父の最期のひとときを一緒に過ごした事で父に感化された、ということはまずなさそうだけど、血は確実に受け継いでいるし。
信念か、血か。いや、どうでもいいや。もうただマリ=ジョゼ・クローズが魅力的すぎて、ひたすらまいっちゃったな。

セバスチャンを演じたステファン・ルソーは、なんでも金で解決する無表情な男を演じているが、嫌味ったらしいどころかその愛くるしい顔ひとつで笑わせてくれる。
幼そうでいてしっかりやり手の証券マンに見えるところが凄い。

レミの生徒役にロマン・デュリスに似た奴がいたな。友情出演かと思ったけどクレジットもないし、見間違いか。

映画『ビッグ・フィッシュ』

2003年 監督:ティム・バートン
at ギンレイホール


ビッグ・フィッシュ コレクターズ・エディション

サンドラ(アリソン・ローマン)よりかはジェニファー(ヘレナ・ボナム=カーター)の方が好きだな。
エドワード(ユアン・マクレガー)は妻を想い、よくとどまった。

老齢のエドワードは今病床についている。息子のウィルはここ3年ばかり父親と口をきいていない。
それというのも、話し上手の父は身長3M以上はあるだろう大巨人と旅をしたとか、魔女のガラスの目を通して自分の死に方を見たとか、蜘蛛や木々が襲いかかってくる危険な山道を抜けると夢のように幸せな村があった、等々ファンタジックなお話を幾百も持っていて、ウィルは幼少期は面白かったが大人になった今ではとても信じられない話ばかりで父の真の姿が全く見えないことに戸惑っていたのね。
息子から見たら父はただのほら吹き男だったのさ。どこまでが事実でどこからがホラか。真面目なウィルにはその曖昧さが納得いかない。

父の話は全て映像化されている。大巨人や魔女に狼男にビッグフィッシュ、一夜にして庭に敷き詰めた水仙とか。
これがファンタジックかつロマンチックで結構面白い。
ラストのシチュエーションが劇的にファンタジー話の意味を解き明かしている。
いい夫だよエドワードは。それだけにジェニファーが寂しい。

2004年9月15日水曜日

映画『ケス』

1969年 監督:ケン・ローチ
BS2 録画


ラストに起こった悲劇には大きな悲しみと怒りが湧いたのだけど、母親の「たかが鳥でしょ!」という言葉によって完全に孤独になった少年の現在と未来を思い、先ほどまで溢れていた感情はそのまま生を見つめる冷徹な視線に変容する。
これが"リアル"ってものなんだな。

60年代後半のヨークシャー地方の炭坑町が舞台で、そこに住む少年ビリーが主人公。
乱暴な兄とほとんど家にいない母親、学校には聖職者気取りの横柄な教師達。
悲惨さをドラマチックなストーリーで大仰に表現しているわけでもなく、芸術家気取りで淡々と日常を描いているわけでもなく、ただ、そこに生きている人々の"人間らしさ"が少ない表現ながら確実にリアルに描かれる。
これは本当凄い。かつ最高に面白い。
校長に伝言を伝えに行っただけの小さな少年が他の悪童(?)達と一緒になぜか理不尽にも体罰を受けてしまう。小さな少年の潤んだ目が痛い。この理不尽さに遭った少年の感情は後にビリーの口から「あの子落ち込んでいたよ」と語られる事で見事に補足される。
物語の展開の仕方、そしてちょっとしたシーンやセリフにさりげなく織り交ぜられたものが、作中人物の人間味や感情を巧みにつないで見せる。
余分を削ぎ語り過ぎないのだが、常に劇的という不思議な作品。

上手くもないのに大のサッカーファンである体育教師は面白かったな。残酷で横柄な奴なんだけど。
サッカーの授業中に見せた横柄さは本当笑える。ドリブル中に前のめりにずっこけた後、それを生徒のせいにしてPKにしてしまったり、PKで失敗したらお前動いたからもう一度だといって再びPKやったり。
こけた所が一番爆笑した。

映画『洗濯機は俺にまかせろ』

1999年 監督:篠原哲雄
BS2 録画


キザちゃん、キザちゃんって、キザな男についたあだ名かと思ったら名前が木崎だかららしい。
主演筒井道隆と富田靖子。
洗濯機も人生も、くたびれたって諦めずにまだ進めるよ、ちょっと休んで修理してまた頑張りましょうか、って話。

中分けしたボリュームのある髪のサックス青年が、洗濯機を覗き込むため中腰になったとき、前髪を手で後ろに押さえつけながら覗き込む。
ああ、いるいる、そういう仕草する兄ちゃん。しかも店員がそばに立っているし買う気はないけどなんか断りづらい雰囲気。

ほのぼのしながら結構面白い。でもあまり書きたい事が無い。
筒井道隆ぼけーっとしていいね。「今度しゃぶしゃぶ食べにいきましょうねぇ」と自転車で走り去る女性に気の抜けた声で別の女の事を考えながら言ったり。

休み

来週月曜まで夏休み突入。

2004年9月13日月曜日

映画『眠る男』

1996年 監督:小栗康平
BS2 録画


『夏時間の大人たち』を録画したのになぜかこれが入っていた。

群馬県が人口200万人を突破した記念に作られた映画。
群馬県民の税金で製作されたってこと?

小栗監督真面目だな。年をとればとるほど芸術志向が高くなるのはしょうがないのか。
群馬の自然や町並みが鮮やかです。
僕は遠景ショットが好きなんだけど、こうも遠景ショットだらけだと人物が遠い。
自然、家、そこに生きる人、の魅力は充分描かれているから群馬県もとりあえず出来には納得しただろう。
映像にはかなりこだわっている。群馬の自然は辟易するほどの完璧な美を求めて撮らない謙虚さ、故にリアル。でもセット的なところはどれもこれも殊更に"綺麗"だったりする。
と、なんだかいい映画だと言っているのかつまらない映画だと言っているのか、文章のつながりも全くなくて分からないだろうが一つ言いたいのは、現代音楽の作曲家細川俊夫の音楽がひたすら眠気を誘って1時間近くもずっとうとうとしてしまったわけだから感想もくそもない。

2004年9月12日日曜日

映画『ひばり・チエミの弥次喜多道中』

1962年 監督:沢島忠
BS2 録画


ひばり・チエミの弥次喜多道中

今日3本目だからか、このオールハイテンションミュージカル時代劇ムービーはちときつい。
オールハイテンションとは言い過ぎか。緩急は見事にあるのだけど、ハイテンション部分が今の僕の状態ではきつかった。
以前美空ひばり特集の番組で、この作品のワンシーンが取り上げられていた。
それは弥次喜多に扮したひばりとチエミが橋の上を歌い踊りながら渡るシーンで、サビに差し掛かり「タッツタッツタ タッツタァ」と歌いながら走り出した瞬間には何かが弾けたような衝撃があった。
その歌声とローアングルで映された二人の瑞々しい躍動感に感動して泣かされてしまったのだ。
そんなわけで録画しておいたのだけど、疲れているときに見るもんじゃないね。問題の感動したシーンもしらーっと見てしまったし。

ひばりもチエミも演技というか仲のいい友達同士でとにかく陽気に楽しく遊んでいる感じ。そこは愉快ですよ。
美空さんはこの62年だけでも9本くらいの映画に出演しているようだ。しかもほぼ全部主役で。
バイプレイヤーでもないのに1951~1962にかけて毎年7本以上の映画に出演している。驚くべき役者。
歌はもちろん、表情も魅力的だし、立ち回りなんてほんと絶品の素晴らしさ。
江利チエミは江利チエミで田舎娘っぽくておちゃめな魅力を放っている。ちょっとおばさんくさいが。
ただ、ひばりと並んでしまうとどうしてもひばりさんの素晴らしさに目がいってしまうな。
好みの問題かもしれないけど、歌はひばりさんが別格だし、立ち回りや踊りの上手さも際立っているし。

出演者は他にぽっちゃりした濃い顔で色気を放つ東千代之介。
兄と弟一人二役堺駿二。
悪の親玉山形勲。
ひばりとチエミの乳を揉んだ(乳といっても胸の上方部分だったが)田中春男。
凄い役者なのにアホな役もしょっちゅうこなすたんこぶ作って間抜けな千秋実。
茶屋には夢路いとしと喜味こいしが。

映画『リトル・ヴォイス』

1998年 監督:マーク・ハーマン
BS2 録画


リトル・ヴォイス

Wの悲劇を見た疲労が後を引いていたためか見始めてから1時間近くずっと乗れなかった。
でもまあステージで歌っているシーンはよかったな。短かすぎたけど。
しっかしこんなに自分の娘の事を思わない母親っているのだろうか?