at ギンレイホール
山奥の湖の真ん中に寺が浮かんでいる。
その寺に老僧と一人の子供が住んでいた。
以前予告編で見たときに、ああ綺麗な映像ばかり撮ってつまんなそうだと思ったけど、程よく制御されて嫌味なく堪能できる。
題名どおり春夏秋冬そして春で話が進むのだけど、季節が変わるたびに数年、数十年と時代が進む。
春から冬、子供時代から壮年まで。
永遠に移ろう自然の中、残酷さ、欲望、憎悪を経てたどり着いた冬が一番美しかった。
冬で出演したおっさんがキム・ギドク監督本人らしい。
圧倒的破壊活動を一時停止する戦車に博物館の壊れた天窓から雨が静かに降り注いだり、とかまあかっこいいシーンがいっぱいある。
牧師は存在感抜群にかつ美しく佇んでいたかと思うと、元からそこには誰もいなかったかのように突然消えてしまったり、神出鬼没でとらえどころがない。
ラストの決闘もまるで暗殺者のように姿をさらさず一人また一人と倒していく。
しかし大ボスとの対決では惜しみなくその姿をさらす。無防備とも言える位平然と敵に向かって歩く牧師。
歩きながら弾丸を補充する余裕まで!
大ボスにありえないくらい超接近して我ここにありと言わんばかりに存在感を見せ付ける。
幻のように現れたり消えたりする緩急が弥が上にもその存在の強さを高めていくのね。
現れる→消える、消える→現れる、の移行をいかに効果的に見せ、存在感の増幅装置にすることができるか、ってところがよく計算されている。
無口で素性も不明。存在感抜群の幻。めちゃくちゃかっこいい。