2008年 監督:イ・ユンギ
製作国:韓国
at ギンレイホール
仕事もなく貯金も底をついた30過ぎの女性ヒス(チョン・ドヨン)は1年前に分かれた元彼に350万ウォンを貸していたことを思い出し、元彼ビョンウン(ハ・ジョンウ)を探しに競馬場へやってくる。
ビョンウンを見つけたヒスだが、ビョンウンもまたプー太郎になっていた。
ビョンウンは返せる金なんか持っていないで、彼の幅広い交友関係を当たって金を借りてヒスに返そう考える。
ビョンウンとヒスの借金返済のための借金ロードムービー。
ビョンウンって奴は、どうしょうもない奴ではあるけど、なんか憎めない。
彼の交友関係はほとんど女性だけど、別に関係を持っているわけでもなさそうで、しかもいまだにヒスに一途だったりするところが誠実とさえ思えてしまう。
ヒスにちゃんと借りていた金を返そうとするところも誠実だ。
よくよく考えれば、そもそも人から借金したり、借金返すためにまた人から借金する行為のどこが誠実なんだって話だが、快く彼に金を貸す友人達や彼の愛嬌のある人柄を見ていると、そんな事実が裏に隠れてしまうから不思議だ。
男は度胸女は愛嬌、っていっても男も愛嬌があると世渡り上手になるもんだ。
ビョンウンを演じたハ・ジョンウは雰囲気が浅野に似ている。
チョン・ドヨンはそんなに若くなさそうだから30くらいかと思っていたけど、撮影当時35歳くらいだ。
2012年9月9日日曜日
映画『ポエトリー アグネスの詩(うた)』
2010年 監督:イ・チャンドン
製作国:韓国
at ギンレイホール
本編見ている時はそうでもなかったのに、後から予告編見直すと涙出そうになる。
分かりにくい暗喩や寓意をちりばめて詩的だろう?と自己満足している映画は多々あれど、本当に詩的な映画っていうのはこういうのをいうんだと教えてくれる。
66歳のミジャ(ユン・ジョンヒ)は中3の孫ジョンウクと二人で暮らしている。
ジョンウクの母親は釜山で働いているらしいが仕送りはほとんど無い様子で、ミジャの介護ヘルパーの仕事で生計を立てている。
ある日ミジャはずっと気になっていた詩のカルチャースクールに通いだす。
しかし同時に病院ではアルツハイマーの初期状態だと診断され、さらには他人事だった少女の自殺に孫が行ったひどい仕打ちが深く関わっている事実を知る。
つらい現実が襲い掛かりながらもカルチャースクールの仕上げである一編の詩の作成を目標に、詩が自分から流れ出る瞬間を不安と期待を込めて待ち続けるミジャだった。
ストーリーだけ見ると強い母(祖母だけど)、力強く生きる女性を描いているみたいだが、全然違う。
ミジャはなんか変な人で、空気が読めない、嫌なもの醜いものは直視しようとしない、っていう我侭な少女のような性格で、傍から見ると馬鹿なんじゃないかと思えてしまう。
映画の主人公なのに魅力的な人物でなく、むしろいらっとするような人なのに、何故だかこの主人公が気になって仕方ない。
見たくないものは見ないで逃避しても現実に発生している問題からは逃げられない。
逃避してもすぐに絡めとられる現実の残酷な事実を他人事のように受け流せばただの頭の変なおばさんになるけど、ミジャはちゃんと現実を理解している。
だからまるで叱られた少女のように一人蹲って嗚咽をもらす。
美しいだけの世界に逃避してもすぐに現実が引き戻す。
そのサイクルがとてもつらい。
のどかな農村地帯の自然に目を奪われ、満面の笑顔で幸せそうに農民と談笑して別れた後、この農村に来た目的をふっと思い出す瞬間、アルツハイマーの進行という事実の認識と、抱えていた問題の再認識が同時に起こり、笑顔がみるみる驚きと苦渋の表情に変化するのを見たとき、苦しいくらいぞくっとした。
ミジャのファッションもポイントになっている。
劇中でも「おしゃれなおばあちゃん」と呼ばれるように、おしゃれなミジャは安物の服をいつもかわいく着こなしている。
しかしどんな場所でも変わらず派手な格好は次第に痛々しくなってくる。
もうなんか全てがこの主人公に興味を惹くようにできていて、かつその全てが苦しさやせつなさを際立たせる要素にもなっているから凄い。
カルチャースクールの講師に教えられた通り、普段見慣れたものを再度見つめなおし、そこから詩をあふれ出るように呼び起こそうとするミジャだったが、つらい現実から目をそむけてしまうミジャには何も見えていなかった。
醜いものもつらいものも真摯に見つめるようになったミジャから生まれた詩とは?
ミジャがした決断とは?
後になってからじわじわくるなかなかいい映画だった。
ミジャを演じたユン・ジョンヒは60年だ70年代に活躍した大女優らしい。
とにかくこの女優さんがやばい。
おそらく素に近いんだろうな。
この人以外のミジャなんて想像できないくらい自然にはまっている。
結婚後フランスで暮らし、映画出演は16年ぶりとのこと。
おっとりしているけど気品があって、雰囲気は田中絹代に似ている。
ああ、あとどうでもいいけど、黙々と食事している孫をミジャがじっと見つめながら「おいしい?」と聞くシーンで、思春期の頃母親から言われるこの「おいしい?」が大嫌いだったなと思い出した。
製作国:韓国
at ギンレイホール
本編見ている時はそうでもなかったのに、後から予告編見直すと涙出そうになる。
分かりにくい暗喩や寓意をちりばめて詩的だろう?と自己満足している映画は多々あれど、本当に詩的な映画っていうのはこういうのをいうんだと教えてくれる。
66歳のミジャ(ユン・ジョンヒ)は中3の孫ジョンウクと二人で暮らしている。
ジョンウクの母親は釜山で働いているらしいが仕送りはほとんど無い様子で、ミジャの介護ヘルパーの仕事で生計を立てている。
ある日ミジャはずっと気になっていた詩のカルチャースクールに通いだす。
しかし同時に病院ではアルツハイマーの初期状態だと診断され、さらには他人事だった少女の自殺に孫が行ったひどい仕打ちが深く関わっている事実を知る。
つらい現実が襲い掛かりながらもカルチャースクールの仕上げである一編の詩の作成を目標に、詩が自分から流れ出る瞬間を不安と期待を込めて待ち続けるミジャだった。
ストーリーだけ見ると強い母(祖母だけど)、力強く生きる女性を描いているみたいだが、全然違う。
ミジャはなんか変な人で、空気が読めない、嫌なもの醜いものは直視しようとしない、っていう我侭な少女のような性格で、傍から見ると馬鹿なんじゃないかと思えてしまう。
映画の主人公なのに魅力的な人物でなく、むしろいらっとするような人なのに、何故だかこの主人公が気になって仕方ない。
見たくないものは見ないで逃避しても現実に発生している問題からは逃げられない。
逃避してもすぐに絡めとられる現実の残酷な事実を他人事のように受け流せばただの頭の変なおばさんになるけど、ミジャはちゃんと現実を理解している。
だからまるで叱られた少女のように一人蹲って嗚咽をもらす。
美しいだけの世界に逃避してもすぐに現実が引き戻す。
そのサイクルがとてもつらい。
のどかな農村地帯の自然に目を奪われ、満面の笑顔で幸せそうに農民と談笑して別れた後、この農村に来た目的をふっと思い出す瞬間、アルツハイマーの進行という事実の認識と、抱えていた問題の再認識が同時に起こり、笑顔がみるみる驚きと苦渋の表情に変化するのを見たとき、苦しいくらいぞくっとした。
ミジャのファッションもポイントになっている。
劇中でも「おしゃれなおばあちゃん」と呼ばれるように、おしゃれなミジャは安物の服をいつもかわいく着こなしている。
しかしどんな場所でも変わらず派手な格好は次第に痛々しくなってくる。
もうなんか全てがこの主人公に興味を惹くようにできていて、かつその全てが苦しさやせつなさを際立たせる要素にもなっているから凄い。
カルチャースクールの講師に教えられた通り、普段見慣れたものを再度見つめなおし、そこから詩をあふれ出るように呼び起こそうとするミジャだったが、つらい現実から目をそむけてしまうミジャには何も見えていなかった。
醜いものもつらいものも真摯に見つめるようになったミジャから生まれた詩とは?
ミジャがした決断とは?
後になってからじわじわくるなかなかいい映画だった。
ミジャを演じたユン・ジョンヒは60年だ70年代に活躍した大女優らしい。
とにかくこの女優さんがやばい。
おそらく素に近いんだろうな。
この人以外のミジャなんて想像できないくらい自然にはまっている。
結婚後フランスで暮らし、映画出演は16年ぶりとのこと。
おっとりしているけど気品があって、雰囲気は田中絹代に似ている。
ああ、あとどうでもいいけど、黙々と食事している孫をミジャがじっと見つめながら「おいしい?」と聞くシーンで、思春期の頃母親から言われるこの「おいしい?」が大嫌いだったなと思い出した。
2012年8月26日日曜日
映画『アーティスト』
2011年 監督:ミシェル・アザナヴィシウス
製作国:フランス
at ギンレイホール
『THE ARTIST』とはまた変なタイトルをつけたもんだ。
芸術家の自伝映画などでよくありそうだと思ったら『金城武の ピックアップ・アーティスト』とか『エロティック・アーティスト』など数件ひっかかるだけなので意外と今までなかったんだね。
サイレント映画の大スターのジョージ(ジャン・デュジャルダン)既婚は、ジョージを慕う女優の卵ペピー(ベレニス・ベジョ)といい感じになる。
で、トーキー時代が到来するけど、ジョージは「アーティスト」なのでサイレントにこだわり、自主制作でサイレント映画を作るが大コケして大スターから一気に転落していく。
方やペピーはみるみる人気が上がり、いまや国民のアイドルにまで登りつめる。
立場の大逆転。
しかしペピーは今でもジョージのことを想っていた!!
予告編のとおりの内容。
基本サイレントのモノクロ映画になっている。
サイレントだけど終始音楽が付属していて、10分くらいでいらっとしてきた。
サイレントならサイレントで押し通せばいいものをラストでなんか分かりやすくトーキーになっちゃっているし、なんなんだろう。
そもそもちょび髭と研ナオコのラブロマンスを見たい人がいるのか?
うとうとしてハッと目覚めたとき、ペピーがジョージのジャケットの袖に自分の片腕を通してジョージに抱かれているような演技をしていて、そこだけ印象に残った。
あと、犬か。犬って演技するんだね。
製作国:フランス
at ギンレイホール
『THE ARTIST』とはまた変なタイトルをつけたもんだ。
芸術家の自伝映画などでよくありそうだと思ったら『金城武の ピックアップ・アーティスト』とか『エロティック・アーティスト』など数件ひっかかるだけなので意外と今までなかったんだね。
サイレント映画の大スターのジョージ(ジャン・デュジャルダン)既婚は、ジョージを慕う女優の卵ペピー(ベレニス・ベジョ)といい感じになる。
で、トーキー時代が到来するけど、ジョージは「アーティスト」なのでサイレントにこだわり、自主制作でサイレント映画を作るが大コケして大スターから一気に転落していく。
方やペピーはみるみる人気が上がり、いまや国民のアイドルにまで登りつめる。
立場の大逆転。
しかしペピーは今でもジョージのことを想っていた!!
予告編のとおりの内容。
基本サイレントのモノクロ映画になっている。
サイレントだけど終始音楽が付属していて、10分くらいでいらっとしてきた。
サイレントならサイレントで押し通せばいいものをラストでなんか分かりやすくトーキーになっちゃっているし、なんなんだろう。
そもそもちょび髭と研ナオコのラブロマンスを見たい人がいるのか?
うとうとしてハッと目覚めたとき、ペピーがジョージのジャケットの袖に自分の片腕を通してジョージに抱かれているような演技をしていて、そこだけ印象に残った。
あと、犬か。犬って演技するんだね。
映画『幕末太陽傳』
1957年 監督:川島雄三
製作国:日本
at ギンレイホール
日活創立100周年でデジタルリマスターされた『幕末太陽傳』。
ジェットコースタームービーっていうと息もつかせぬストーリー展開で最後まで魅せるって感じがするけど、この映画はそんなにストーリーっぽいものがないのに、話術、カメラワーク、音楽などががっちり組み合わさって最高のジェットコースタームービーになっている。
左幸子と南田洋子がとっくみ合いの喧嘩をするシーンなんか、加速していたスピードをさらに振り切るくらいの爆発力で感動して泣きそうになった。
出演者が豪華すぎる。
主演フランキー堺。
女郎おそめさんに左幸子、こはるさんに南田洋子。
女中おひさには芦川いづみちゃん。
高杉晋作石原裕次郎、久坂玄瑞小林旭、長州の志士で二谷英明。
楼主に金子信雄、その妻に山岡久乃。
若衆で岡田真澄、突貫小僧。
おくまさんで菅井きん(この人当時すでにおばさん1926生まれ)。
貸本家金ちゃんに小沢昭一。
最初しか登場しない西村晃。
仏壇屋倉造に殿山泰司。
ついでに番頭善八は織田政雄。
この映画を初めて見たのは確か学生時代にフィルムセンターで50年代の映画をひたすら見続けていた頃だったと思う。
当時川島雄三という名前を知らなかったけど(今でも別に詳しくないが)、フランキー堺の所作の流麗さ口上の見事さに魅せられ、石原裕次郎の違和感のある存在感が印象的で面白かった記憶がある。
10年以上たってこうして見直してみてもやっぱり面白いなぁ。
製作国:日本
at ギンレイホール
日活創立100周年でデジタルリマスターされた『幕末太陽傳』。
ジェットコースタームービーっていうと息もつかせぬストーリー展開で最後まで魅せるって感じがするけど、この映画はそんなにストーリーっぽいものがないのに、話術、カメラワーク、音楽などががっちり組み合わさって最高のジェットコースタームービーになっている。
左幸子と南田洋子がとっくみ合いの喧嘩をするシーンなんか、加速していたスピードをさらに振り切るくらいの爆発力で感動して泣きそうになった。
出演者が豪華すぎる。
主演フランキー堺。
女郎おそめさんに左幸子、こはるさんに南田洋子。
女中おひさには芦川いづみちゃん。
高杉晋作石原裕次郎、久坂玄瑞小林旭、長州の志士で二谷英明。
楼主に金子信雄、その妻に山岡久乃。
若衆で岡田真澄、突貫小僧。
おくまさんで菅井きん(この人当時すでにおばさん1926生まれ)。
貸本家金ちゃんに小沢昭一。
最初しか登場しない西村晃。
仏壇屋倉造に殿山泰司。
ついでに番頭善八は織田政雄。
この映画を初めて見たのは確か学生時代にフィルムセンターで50年代の映画をひたすら見続けていた頃だったと思う。
当時川島雄三という名前を知らなかったけど(今でも別に詳しくないが)、フランキー堺の所作の流麗さ口上の見事さに魅せられ、石原裕次郎の違和感のある存在感が印象的で面白かった記憶がある。
10年以上たってこうして見直してみてもやっぱり面白いなぁ。
2012年8月14日火曜日
映画『ヤング≒アダルト』
2011年 監督:ジェイソン・ライトマン
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
30後半の女が故郷に戻っていわゆる自分探しをする話のいったいどこに期待すればいいか分からず、全く見る気がしなかったけど、見てみると意外に予想していたのと違っていた。
アメリカンドラマによくあるような成長譚じゃなくて、ただひたすら残酷だという。
確かに現実を知って成長はしているのかもしれないが、それにしても。。
自称作家のゴーストライターでバツイチのメイビス(シャーリーズ・セロン)は高校時代の元彼バディ(パトリック・ウィルソン)から赤ちゃん誕生祝いパーティへの招待状が送られてきたことをきっかけに故郷に帰る。
バディは運命の人であり、再会すればきっとバディと結ばれると信じて。
美人ゆえに華やかで皆から注目されていた高校時代の栄光を40近くなった今でも引きずっている女メイビス。
自分勝手でえらそうでわがままで思い込みが激しくて。
つまり痛い女なんだ。
こんな女最悪だけど、なんだ、キティちゃんのTシャツ着ているの見たら一気に愛しくなってきた。
ただの嫌なヒロインになりそうなところ、上手い。
結局最後はなんなのかよくわからなかったけど、まあつまらなくはなかった。
人の善意ほど残酷なものはないもんだ。
善意というか意図的な悪意だったのかな。
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
30後半の女が故郷に戻っていわゆる自分探しをする話のいったいどこに期待すればいいか分からず、全く見る気がしなかったけど、見てみると意外に予想していたのと違っていた。
アメリカンドラマによくあるような成長譚じゃなくて、ただひたすら残酷だという。
確かに現実を知って成長はしているのかもしれないが、それにしても。。
自称作家のゴーストライターでバツイチのメイビス(シャーリーズ・セロン)は高校時代の元彼バディ(パトリック・ウィルソン)から赤ちゃん誕生祝いパーティへの招待状が送られてきたことをきっかけに故郷に帰る。
バディは運命の人であり、再会すればきっとバディと結ばれると信じて。
美人ゆえに華やかで皆から注目されていた高校時代の栄光を40近くなった今でも引きずっている女メイビス。
自分勝手でえらそうでわがままで思い込みが激しくて。
つまり痛い女なんだ。
こんな女最悪だけど、なんだ、キティちゃんのTシャツ着ているの見たら一気に愛しくなってきた。
ただの嫌なヒロインになりそうなところ、上手い。
結局最後はなんなのかよくわからなかったけど、まあつまらなくはなかった。
人の善意ほど残酷なものはないもんだ。
善意というか意図的な悪意だったのかな。
映画『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』
2011年 監督:テイト・テイラー
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
1960年代アメリカ南部の人種差別意識の強い町で、黒人メイドの差別の実態を本にしようとした作家志望の女性がいた。
予告編見る限り、重い話ではなくコメディ風の明るい話に見える。
となると偽善的ないやらしさが出てきてうんざりするんじゃないかと思ったけど、結構面白く見れた。
子気味いいほどくっきり分かれている善と悪の悪の主役とでもいうべきブライス・ダラス・ハワードが嫌な女を好演していて、その嫌な感じ、というか悲しい感じがはまっていて最高によかった。
冒頭のだだっ広い一本道を土煙を後方に巻き上げながら走っていくオープンカーがかっこいい。
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
1960年代アメリカ南部の人種差別意識の強い町で、黒人メイドの差別の実態を本にしようとした作家志望の女性がいた。
予告編見る限り、重い話ではなくコメディ風の明るい話に見える。
となると偽善的ないやらしさが出てきてうんざりするんじゃないかと思ったけど、結構面白く見れた。
子気味いいほどくっきり分かれている善と悪の悪の主役とでもいうべきブライス・ダラス・ハワードが嫌な女を好演していて、その嫌な感じ、というか悲しい感じがはまっていて最高によかった。
冒頭のだだっ広い一本道を土煙を後方に巻き上げながら走っていくオープンカーがかっこいい。
2012年7月29日日曜日
映画『戦火の馬』
2011年 監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
『蜂蜜』が静謐すぎたので冒頭から惜しみなく流れる音楽が新鮮だ。
フルートの独奏がなかなか悪くないと思っていたのも束の間、オケの仰々しい厚みがかぶさってきてすぐ辟易する。
しかも木の柵から顔をのぞかせる青年が学生の自主制作映画に出てきそうな安い顔した青年(撮り方によるのだろうが)だったので、結構出だしから躓いた。
農村の牧場で生まれた美しい仔馬は、農耕馬を買いに来た農夫テッドにより買い取られる。
仔馬はジョーイと名づけられ、デッドの息子アルバートにより愛情込めて育てられる。
で、戦争起きてジョーイは戦場に引っ張り出されていろんな馬好きの人たちにめぐり合いながら戦場を転々として最後にはへーっていう展開。
塹壕に挟まれた中間地帯で両軍の兵士がフレンドリーになる、っていろんな映画で見てきたけど、映画人は皆こういうのが何度もやりたくなるくらい好きなのかね。
音楽ジョン・ウィリアムズ。
ちなみに若い頃の一時期、ギタリストのジョン・ウィリアムズとこの人を同一人物だと勘違いしていた。
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
『蜂蜜』が静謐すぎたので冒頭から惜しみなく流れる音楽が新鮮だ。
フルートの独奏がなかなか悪くないと思っていたのも束の間、オケの仰々しい厚みがかぶさってきてすぐ辟易する。
しかも木の柵から顔をのぞかせる青年が学生の自主制作映画に出てきそうな安い顔した青年(撮り方によるのだろうが)だったので、結構出だしから躓いた。
農村の牧場で生まれた美しい仔馬は、農耕馬を買いに来た農夫テッドにより買い取られる。
仔馬はジョーイと名づけられ、デッドの息子アルバートにより愛情込めて育てられる。
で、戦争起きてジョーイは戦場に引っ張り出されていろんな馬好きの人たちにめぐり合いながら戦場を転々として最後にはへーっていう展開。
塹壕に挟まれた中間地帯で両軍の兵士がフレンドリーになる、っていろんな映画で見てきたけど、映画人は皆こういうのが何度もやりたくなるくらい好きなのかね。
音楽ジョン・ウィリアムズ。
ちなみに若い頃の一時期、ギタリストのジョン・ウィリアムズとこの人を同一人物だと勘違いしていた。
映画『蜂蜜』
2010年 監督:セミフ・カプランオール
製作国:トルコ/ドイツ
at ギンレイホール
記憶ではエンドロールも含めてバックミュージックが一切使われていなかったはず。
代わりに聞こえてくるのは自然の音や生活音。
深い森の中をロバを曳いた男が枯葉を踏みしめてフレーム奥から歩いてくる静けさに満ちた冒頭でなんか面白そうと思う。
無駄に音楽を使うくらいなら映画に一切音楽なんていらないと思っているから、これは大分好みかもしれない。
と、思ったんだけど長いわ~。
と、思ったら103分だからそう長いわけでもなかった。
展開がゆったりしているからかな。
6歳のユスフは深い森林に囲まれた山岳地帯で両親と暮らしている。
養蜂家の父親が大好きなユスフは、たまに父親を手伝って一緒に森に入ったりする。
そんなある日、父親が巣箱を仕掛けに行ったまま戻らなくなってしまう。
このユスフって少年の顔が凄くいい。
きらきら光る瞳はまっすぐだけど媚を含んでいて、間抜けに口を開いてきょどっている様は馬鹿なんじゃないかと思うが、大胆にずるがしこかったりもする。
少年、青年、大人と三つの時代を描いたユスフ三部作の三部目らしい。
少年の部なのに三部目なのはこの三部作が未来から過去を辿る流れになっているから。
印象に残ったのは、斜面と空が斜めにきれいに寸断された構図の中を母親とユスフが登っていくシーンと、父親が落ちるシーンの残酷なまでのちゃっちさかな。
製作国:トルコ/ドイツ
at ギンレイホール
記憶ではエンドロールも含めてバックミュージックが一切使われていなかったはず。
代わりに聞こえてくるのは自然の音や生活音。
深い森の中をロバを曳いた男が枯葉を踏みしめてフレーム奥から歩いてくる静けさに満ちた冒頭でなんか面白そうと思う。
無駄に音楽を使うくらいなら映画に一切音楽なんていらないと思っているから、これは大分好みかもしれない。
と、思ったんだけど長いわ~。
と、思ったら103分だからそう長いわけでもなかった。
展開がゆったりしているからかな。
6歳のユスフは深い森林に囲まれた山岳地帯で両親と暮らしている。
養蜂家の父親が大好きなユスフは、たまに父親を手伝って一緒に森に入ったりする。
そんなある日、父親が巣箱を仕掛けに行ったまま戻らなくなってしまう。
このユスフって少年の顔が凄くいい。
きらきら光る瞳はまっすぐだけど媚を含んでいて、間抜けに口を開いてきょどっている様は馬鹿なんじゃないかと思うが、大胆にずるがしこかったりもする。
少年、青年、大人と三つの時代を描いたユスフ三部作の三部目らしい。
少年の部なのに三部目なのはこの三部作が未来から過去を辿る流れになっているから。
印象に残ったのは、斜面と空が斜めにきれいに寸断された構図の中を母親とユスフが登っていくシーンと、父親が落ちるシーンの残酷なまでのちゃっちさかな。
2012年7月15日日曜日
映画『ヒア アフター』
2010年 監督:クリント・イーストウッド
製作国:
at ギンレイホール
最近のCG技術は凄いな。
津波のシーンは水が襲ってくる恐怖に圧倒される。
でも、それ以上に水中で死にかけのセシル・ドゥ・フランスが凄い顔(表情)しているのでびっくりした。
パリ、ロンドン、サンフランシスコでそれぞれの物語が同時進行する。
パリでは冒頭で死に掛けたジャーナリストマリー(セシル・ドゥ・フランス)が臨死体験の果てに死の世界に目覚めて危ない人になり、ロンドンでは仲のいい双子が死に直面し、サンフランシスコでは死の世界とコンタクトが取れる霊能者ジョージ(マット・デイモン)が普通の生活をおくれずに苦悩している。
臨死体験って一時期テレビではやったよね。
結局死に面して(または蘇生して)脳が作り出した幻覚でしょ、って思ってWikipedia見てみると科学では説明できない事象も多々あるらしい。
霊能者ジョージは相手の手を触れると、あっちの世界につながり、触れた相手の亡くなった近しい人間と話をすることができる。
あっちの世界につながる瞬間は少し衝撃があるらしく、ジョージがびくっとするのだけど、傍から見ると触れただけでそんなに感じるなんて超敏感症?って思われちゃうだろうし、本人が言うように「呪い」の能力だ。
全体的にラストがよく分からなかったものの、まあ面白かった。
製作国:
at ギンレイホール
最近のCG技術は凄いな。
津波のシーンは水が襲ってくる恐怖に圧倒される。
でも、それ以上に水中で死にかけのセシル・ドゥ・フランスが凄い顔(表情)しているのでびっくりした。
パリ、ロンドン、サンフランシスコでそれぞれの物語が同時進行する。
パリでは冒頭で死に掛けたジャーナリストマリー(セシル・ドゥ・フランス)が臨死体験の果てに死の世界に目覚めて危ない人になり、ロンドンでは仲のいい双子が死に直面し、サンフランシスコでは死の世界とコンタクトが取れる霊能者ジョージ(マット・デイモン)が普通の生活をおくれずに苦悩している。
臨死体験って一時期テレビではやったよね。
結局死に面して(または蘇生して)脳が作り出した幻覚でしょ、って思ってWikipedia見てみると科学では説明できない事象も多々あるらしい。
霊能者ジョージは相手の手を触れると、あっちの世界につながり、触れた相手の亡くなった近しい人間と話をすることができる。
あっちの世界につながる瞬間は少し衝撃があるらしく、ジョージがびくっとするのだけど、傍から見ると触れただけでそんなに感じるなんて超敏感症?って思われちゃうだろうし、本人が言うように「呪い」の能力だ。
全体的にラストがよく分からなかったものの、まあ面白かった。
映画『永遠の僕たち』
2011年 監督:ガス・ヴァン・サント
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
事故で両親を亡くし自身も臨死体験をした少年と、余命数ヶ月の少女の恋愛物。
死を身近に経験している少年と、死が間近に迫っている少女っていう、重たかったり感動物になっちゃいそうな内容だけど、なんか終始爽やかな印象。
少年には英語ぺらぺらの特攻兵の幽霊ヒロシ(加瀬亮)が見える。
少年が「死はただ消えるだけだ!」と少女に言ってみても、じゃあヒロシは何なのと突っ込みたくなる。
幽霊ヒロシも含めた3人の物語になっていて、死が来るまでに命を輝かせ続けた少女が、お別れを言えずに死別した者たちの未練を死によって救うという感じか。
少年イーノック役にヘンリー・ホッパー。
ホッパーです。デニス・ホッパーの息子です。
少女アナベル役にミア・ワシコウスカ。
この子『キッズ・オールライト』に出ていた子だ。
ロングだった髪がベリーショートになって、表情の豊かさや可愛らしさがより魅力的になっている。
アナベルが首がねじれて痙攣し出すシーンは、以前仕事中にてんかんの症状を起こした女性を思い出した。
人の葬儀に出席する少年って設定はなんかよく見る設定だな。何の映画か思い出せないけど。
『ハロルドとモード/少年は虹を渡る』とかか。
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
事故で両親を亡くし自身も臨死体験をした少年と、余命数ヶ月の少女の恋愛物。
死を身近に経験している少年と、死が間近に迫っている少女っていう、重たかったり感動物になっちゃいそうな内容だけど、なんか終始爽やかな印象。
少年には英語ぺらぺらの特攻兵の幽霊ヒロシ(加瀬亮)が見える。
少年が「死はただ消えるだけだ!」と少女に言ってみても、じゃあヒロシは何なのと突っ込みたくなる。
幽霊ヒロシも含めた3人の物語になっていて、死が来るまでに命を輝かせ続けた少女が、お別れを言えずに死別した者たちの未練を死によって救うという感じか。
少年イーノック役にヘンリー・ホッパー。
ホッパーです。デニス・ホッパーの息子です。
少女アナベル役にミア・ワシコウスカ。
この子『キッズ・オールライト』に出ていた子だ。
ロングだった髪がベリーショートになって、表情の豊かさや可愛らしさがより魅力的になっている。
アナベルが首がねじれて痙攣し出すシーンは、以前仕事中にてんかんの症状を起こした女性を思い出した。
人の葬儀に出席する少年って設定はなんかよく見る設定だな。何の映画か思い出せないけど。
『ハロルドとモード/少年は虹を渡る』とかか。
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