2013年10月6日日曜日

映画『ゼロ・ダーク・サーティ 』

2012年 監督:キャスリン・ビグロー
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




158分で主演女優もあまり美人じゃないし耐えられそうにないかもと思ったけど、意外と最後まで見られた。
特にラストはすごい緊張感。

どこまでフィクションなんだろうと、Wikiを見ると、ステルスヘリが一揆墜落したとか諸々事実らしい。
世界中を回って行った関係者への取材を通して脚本が書かれたらしいので、ほぼ実話に近いフィクションっぽい。
そりゃあこの題材で広く知れ渡っている事実だけ合わせて後は適当な作り話、なんてことはないよな。

アメリカ映画でアメリカ人が主人公だから、なんとなくアメリカ寄りで見てしまう。
ラストは下手なガンアクションより面白いし、主人公の、そしてアメリカ市民の憎き敵をやっつけるというシチュエーションはさらに喝采を起こさせるのだろう。
でも、フィクションならともかく、事実ならまたちょっと違う。
問答無用に撃ち殺していく様は結構残酷だから。
拷問にしろラストにしろ、やられたらやり返す倍返しだ!的な仕組みが恐ろしい、ということを教えてくれる映画。

映画『東ベルリンから来た女』

2012年 監督:クリスティアン・ペツォールト
製作国:ドイツ
at ギンレイホール




1980年の東ドイツ。東ドイツから脱出を図る女性の物語。
西側の移住申請が却下され、東ベルリンから田舎の小さな病院に左遷されたバルバラ(ニーナ・ホス)。
シュタージの監視の中、誰にも心を開かず密かに西に逃れる準備を進めるバルバラだったが。

舞台は冷戦時代の東ドイツだけど、物語の中心はバルバラという女性の生き方にある。
豊かな西の恋人と、真摯に患者と向き合いやれることに全力を尽くす東の男との間で揺れる心や、西への脱出と医師としての使命の狭間等々、繊細な心の機微が映像や音で丁寧に描かれる。
なかなか面白かった。

2013年9月25日水曜日

映画『天使の分け前』

2010年 監督:ケン・ローチ
製作国:イギリス/フランス/ベルギー/イタリア
at ギンレイホール




子供の頃から凶暴な性格のロビー(ポール・ブラニガン)は暴力事件により裁判所から300時間の社会奉仕活動を命じられる。
その社会奉仕活動の指導者であるハリー(ジョン・ヘンショウ)はスコッチ・ウイスキーの愛好家で、ロビーの息子誕生のお祝いに年代物のウィスキーを振舞ったことをきっかけにロビーの才能が目覚めていく。

予告編の紹介で『フル・モンティ』が引き合いに出されていたりするから、すかっとする成功譚なのかなと思ったら微妙に違う。
いや、すかっとする成功譚には違いはないけど、目覚めた才能はそんなに関係ないから。
クライムロードコンゲームムービーみたいな感じ。
はらはらどきどきほろっとしてかなり面白かった。

監督はケン・ローチ。
この人の何気ない日常に潜む温かいユーモアを捉える才能って凄いよな。
※僕が今まで映画見て一番爆笑して記憶に残っているのはケン・ローチの『ケス』のサッカーシーン

主役ロビー役のポール・ブラニガンは背も小さいし美男子でもないけど、演技が自然でひきつけられる。
これまで演技経験0だったのに主役に抜擢されたらしい。

映画『世界にひとつのプレイブック』

2012年 監督:デヴィッド・O・ラッセル
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




あからさまに笑わせようという感じはそんなに無いけど見ていて楽しいラブコメディ。
恋愛物としての盛り上がりもあるし、なかなか面白かった。

ティファニー役は30くらいの女優さんかなと思って、でもどこかで見たことあるなと思ったらジェニファー・ローレンスだった。
2010年の『ウィンターズ・ボーン』ではまだ少女だったのに。。
メイクを濃くして大人っぽくしているからブラッドリー・クーパーと並んでいても違和感が無い。

豪華にも父親役にロバート・デ・ニーロが出演している。
情けないような頼りになるような、お茶目なじいさんがはまっているから凄い。

2013年9月8日日曜日

映画『リンカーン』

2012年 監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




150分っていう事前情報を入れていたせいか、始まった瞬間から眠気が襲ってきて、こりゃぁめくるめくジェットコースタームービーじゃない限り耐えられそうにない、という予感のとおり爆睡してしまった。

リンカーンを演じたダニエル・デイ=ルイスがいい。
サリー・フィールドちゃんが演じた妻が、なんか嫌な感じの女性だったので調べてみたら悪妻として有名らしい。
息子のロバート・リンカーンを演じたのは『50/50 フィフティ・フィフティ』のジョセフ・ゴードン=レヴィット。
タデウスはトミー・リー・ジョーンズだったのか。顔がぼこぼこだったから気づかなかった。

映画『魔女と呼ばれた少女』

2012年 監督:キム・グエン
製作国:カナダ
at ギンレイホール




ストーリーは重い話のはずなのにそんなに重くない。
亡霊が見えるという設定とシーンが幻想的な反面、やや虚構性が勝ってしまった感じ。
というか全体的に、残酷な人生をこれ見よがしに描くわけでもなく、反戦を高らかに謳うわけでもなく、ただ、一人の少女が否応なく巻き込まれる悲劇を静かな視線で見つめ続ける、というスタイルなので虚構性もくそもないのかもしれない。
涙や感動を誘うべく作られているわけじゃないから。
じゃあ冷たい無感動な映画なのかというとそうでもなく、死に近い地平から少女が体験する喜び悲しみ、生と死、激動と安寧、そして恋、は、むやみに感動で流されない分、それはそれでなかなか強烈な印象を残す。

マジシャンだけなんで黒人じゃないんだろうと思ったら、アルビノの少年らしい。

コンゴの情勢とこの映画について、作家の田中真知さんの解説が面白かった。
http://earclean.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-e1d4.html

2013年8月25日日曜日

映画『テッド』

2012年 監督:セス・マクファーレン
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




笑いがくどくて段々疲れてきた。
テッドがつぶらな瞳でリンスだかなんだかを顔にぴゅっぴゅっとかけているシーンに笑ってしまった事を私は後悔している。

映画とかの小ねたがいっぱい散りばめられていて、監督のセス・マクファーレンって何者なんだろうと調べてみると、
俳優、声優、アニメーター、脚本家、コメディアン、プロデューサー、映画監督、歌手
で2013年のアカデミー賞では司会に抜擢されたけどその下品で差別的なジョークがひどかったと話題になっている模様。
で、結局何者なのかよくわからなかったけどオタクなのは間違いなさそうだ。

後半にノラ・ジョーンズがしれっと出てくる。
普通の会話の中でさらっとテッドとの体の関係を暴露しだすからびっくりして一瞬固まったけど、笑いどころだったのかな。
ノラ・ジョーンズ、ラヴィ・シャンカールの娘。
ずっとノラ・ジョーンズは年上なんだと思っていけど生年月日見たら日本で言うところの同級生だった。

主役のマーク・ウォールバーグは誰も違和感感じないのかな。
サブカルオタクの子供みたいな中年ならもっと童顔の優男風の俳優さんにすればよかったのに。
マーク・ウォールバーグはむきむきマッチョで、言ってみればつまりゴリラじゃん。
ゴリラが。。いやマーク・ウォールバーグの口からオタクジョークが飛び出してもなぁ。
はっ!まさかそれも全体で小ネタの一つなのか!!

日本語字幕でクマもんとかガチャピンとか出てくるから原文はどうなっているんだろうと思って「小ネタ」で調べてみたらいろいろ解説してくれているページがあった。
http://patrikeiji.blog37.fc2.com/blog-entry-450.html
ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記

映画『シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~』

2012年 監督:ダニエル・コーエン
製作国:フランス
at ギンレイホール




脳みそ使わず気楽に楽しみたいときにはうってつけのサクセスコメディ映画。

三ツ星レストランのシェフアレクサンドル・ラガルド(ジャン・レノ)はテレビで料理番組も担当する人気のシェフ。
しかし近頃ではスランプに陥り、オーナーからは古臭いとも言われ、新メニューのアイデアも開かず、有能な助手達もやめていき、近日やってくるだろう審査会では星を落とす可能性が高くなっていた。
一方若いシェフジャッキー・ボノ(ミカエル・ユーン)は数々の有名料理人のレシピを記憶し再現できる上に一流の舌も持つというすばらしい能力の持ち主だが、その料理に対するこだわりと情熱から客にまで文句を言ったりして勤めるレストランを次々に首になっていた。
ボノは婚約者の妊娠をきっかけにペンキ塗りの仕事を始めるが、料理への情熱は冷めることなく、あるきっかけでラガルドと出会うことになる。

ストーリーの展開上はサクセスストーリーだけど、ジャンルとしてはコメディなので笑いもちりばめられる。
サクセスストーリーだけだと説得力にかけるけど、程よいコメディとのバランスが丁度いいので最後まで楽しく見ることができる。
「分子料理」の偵察箇所はちょっとくどかったけど。

ミカエル・ユーンのフィルモグラフィにある『変態ピエロ』という映画が非常に気になる。。

2013年8月11日日曜日

映画『愛、アムール』

2012年 監督:ミヒャエル・ハネケ
製作国:フランス/ドイツ/オーストリア
at ギンレイホール




何度目かの長回しのセリフが始まったとき、127分って情報が頭をよぎって一旦寝る。
その後も結構うとうとしてしまったけど、中盤にあるホラー映画のように恐ろしいシーン以降は目が覚めた。
室内劇で登場人物は基本的にジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)の二人のみ。
たまにやってくる娘エヴァ(イザベル・ユペール)や、かつての弟子とか看護士とか鳩が訪れてアクセントを加えるけど、基本は二人の室内劇。
室内といっても、シーンによって室内は様々な表情を見せるし、妻が壊れていく過程もゆっくりであるがために痛々しく突き刺さり、決して単調なわけではない。
単調じゃないけど、長いセリフは人の話を聞くのが苦手な僕にはちょっと。。

オープニングのコンサートシーンではずっと観客席のみで演奏者を一切映さないということをやってのけ、発病シーンでは流しっぱなしの水道をずっと意識させつつ、それが突然止まることで緊迫感はそのままに期待と不安を上乗せさせたり、っていう細かい仕掛けが最初の十数分以外にもいっぱいあったんだろうな。たぶん。うとうとしていたら思い出せないが。

自分の両親もいつのまにか高齢になってきたので親孝行しようかな、と思った。

映画『ある海辺の詩人 -小さなヴェニスで-』

2011年 監督:アンドレア・セグレ
製作国:イタリア/フランス
at ギンレイホール




労働者斡旋組織を通してイタリアにやってきている中国人のシュン・リー(チャオ・タオ)は、組織に多額の借金を抱え、いつか故国に残してきた息子を呼び寄せることを夢見ている。
一方静かな漁師町キオッジャで漁師を営むベーピ(ラデ・シェルベッジア)は30年前にユーゴスラビアからやってきた移民で、今では地元に溶け込んでいるが、どこか孤独を抱えていた。
このキオッジャの海辺の酒場オステリアにシュン・リーがやってくる。職場として。
同じ故国を離れた者同士、シュン・リーとベーピの間に次第に絆が芽生えてくる。

ストーリー上はそんなに面白い展開をするわけでもない。
ただ、1シーン1シーンがすごくいい。
静かなのに感情が溢れていて。