2013年11月4日月曜日

映画『きっと、うまくいく』

2009年 監督:ラージクマール・ヒラニ
製作国:インド
at ギンレイホール




予告編を見る限り、独自のミュージカル映画を量産してきたインド映画がハリウッドの娯楽映画に毒されてB級にもならないつまらない映画を作ってしまったんだと思った。
予告編の「ランチョーは超天才の自由人」ってところのどや顔なんてひどすぎる。
170分もあるし予告編の印象も悪いけど、一応見てみる。

で、見た感想は、なんか思っていたより面白かった。
まさにB級という感じで。
映画だからこそできる自由さ。
そしてできすぎているけどしっかり伏線張って徹底的に楽しませるストーリー。
上空からの撮影とかCGとか、無駄に金をかけている豪華さ。
2曲だけだけどミュージカルもあり。セットや衣装も豪華。

予告編のどや顔のところは、何か難問を解いてどや顔しているのかと思ったら全然違うシーンだった。

インドで歴代興行成績ナンバーワンらしい。
インドに馬鹿が増えなければいいけど。。。
この映画の主人公達に共感して真似したら9割方挫折してひどいことになるだろうから。
人生狂って「強姦を輸出」されたら迷惑だし。

この映画が高らかに謳っている「詰め込み教育は駄目」はインドだと青天の霹靂並みの衝撃なのかな。
ストーリーのテーマにまで据えて何度も声高らかに主張なんて、日本や欧米の映画ではまず作られないだろうし。
詰め込み教育の象徴であるサイレンサーが普通に社会で成功しているところがミソ。
そういえばこないだテレビでやっていたけど、秋田の国際教養大学ってところは凄いな。
いわば全校生徒がランチョーみたいな感じ。
もうちょっと遅く生まれていたら行きたかった。

フィクションの娯楽映画だから別にいいのかもしれないけど、結構やっていることがひどい。
サイレンサーに対する仕打ちなんか、もう悪質ないじめだよね。
嬉々として改竄されたヒンドゥー語でスピーチするサイレンサーが哀れだった。
他にも自分の都合で飛行機の離陸を止めて、なんか格好よく走り去っていったり、酔っ払って学長の家の玄関にしょんべんかけたり。
しょんべんって中学生かよ。大学生は普通そんな非常識で低俗なことはしません。
(ん?なんか僕も大学のゼミの合宿中似たようなことをした記憶がうっすら脳裏をよぎったけど。。)

ヒロインは一応美人ということなのかな。
インドでは美人なのだろう。
でも昔見たルノワールの『河』に出ていたインド少女は美人だったな。インド映画じゃないからか。

映画『カルテット!人生のオペラハウス』

2012年 監督:ダスティン・ホフマン
製作国:イギリス
at ギンレイホール




引退した老音楽家達が暮らす老人ホームが舞台。
かつて四重唱で名を馳せたレジー(トム・コートネイ)、シシー(ポーリーン・コリンズ)、ウィルフ(ビリー・コノリー)の3人もここで慎ましく(?)余生を過ごしていた。
この老人ホームビーチャム・ハウスが存続の危機にさらされる中、カルテットの最後の一人ジーン(マギー・スミス)がやってくるのだが、ジーンとレジーにはある確執があり。。

マギー・スミスがどうも苦手なのだけど、全体的にはまあ面白かった。
ダスティン・ホフマンの監督第一作。
もう75歳なんだね。

脇役の老人達はみな有名な音楽家達らしい。
クラシックからジャズまで。

トム・コートネイより存在感があったので最初主人公かと思ったウィルフ役のビリー・コノリーはコメディアンとして有名な人らしい。

2013年10月20日日曜日

映画『舟を編む』

2013年 監督:石井裕也
製作国:日本
at ギンレイホール




『大渡海』っていう新しい辞書の編纂に取り組むことになった男のお話。
原作三浦しをん。
133分あるけど飽きずに見ることができる。
なんといっても今や日本映画界の至宝となりつつある松田龍平と、結婚したい女優No.1の宮崎あおいが出ているから。
(松田龍平はよかったんだけど暗めの真面目人間役をやらせたら変質者っぽく見えなくもない)

辞書ってこんなに時間かけて作っているんだな。
儲けってあるんだろうか。

他に加藤剛、八千草薫、小林薫、伊佐山ひろ子、オダギリジョー。
下宿のおばちゃんに渡辺美佐子。
池脇千鶴はエンドロール見てやっと気づくくらい分からなかった。
あと麻生久美子もクレジットされていたけど、どこに出ていたんだろう。

映画『かぞくのくに』

2011年 監督:ヤン・ヨンヒ
製作国:日本
at ギンレイホール




ところどころ手持ちカメラがうざかったものの、全般的に面白かった。役者陣の演技も濃厚だし。

喫茶店を経営する家族のもとに兄が帰ってくるらしい。
北朝鮮から。
病気療養のための特別な帰国。
家族や仲間達は25年ぶりの再会に喜ぶ。

25年ぶりっていったい何歳の頃に渡ったのだろう。
井浦新の年齢を知らなくて、でも妹役の安藤サクラは20代のはずだから、井浦新の見た目30代くらいだとすると小学生?
でも小学生とかならこんな親密な仲間達がいるとも思えないし。
京野ことみが同級生ならやっぱり今30前半くらい?
と思ったらどうも15,6歳くらいに地上の楽園に行ったらしい。
じゃあ今40くらいか。
村上淳もそういえばそのくらいか。
妹は随分兄の事を慕っているが、いくつの設定なのだろう。

車に乗った兄をつかんだまま車が発進して、もつれそうになりながらそれでも手を離さないシーンが一番良かった。

2013年10月6日日曜日

映画『ゼロ・ダーク・サーティ 』

2012年 監督:キャスリン・ビグロー
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




158分で主演女優もあまり美人じゃないし耐えられそうにないかもと思ったけど、意外と最後まで見られた。
特にラストはすごい緊張感。

どこまでフィクションなんだろうと、Wikiを見ると、ステルスヘリが一揆墜落したとか諸々事実らしい。
世界中を回って行った関係者への取材を通して脚本が書かれたらしいので、ほぼ実話に近いフィクションっぽい。
そりゃあこの題材で広く知れ渡っている事実だけ合わせて後は適当な作り話、なんてことはないよな。

アメリカ映画でアメリカ人が主人公だから、なんとなくアメリカ寄りで見てしまう。
ラストは下手なガンアクションより面白いし、主人公の、そしてアメリカ市民の憎き敵をやっつけるというシチュエーションはさらに喝采を起こさせるのだろう。
でも、フィクションならともかく、事実ならまたちょっと違う。
問答無用に撃ち殺していく様は結構残酷だから。
拷問にしろラストにしろ、やられたらやり返す倍返しだ!的な仕組みが恐ろしい、ということを教えてくれる映画。

映画『東ベルリンから来た女』

2012年 監督:クリスティアン・ペツォールト
製作国:ドイツ
at ギンレイホール




1980年の東ドイツ。東ドイツから脱出を図る女性の物語。
西側の移住申請が却下され、東ベルリンから田舎の小さな病院に左遷されたバルバラ(ニーナ・ホス)。
シュタージの監視の中、誰にも心を開かず密かに西に逃れる準備を進めるバルバラだったが。

舞台は冷戦時代の東ドイツだけど、物語の中心はバルバラという女性の生き方にある。
豊かな西の恋人と、真摯に患者と向き合いやれることに全力を尽くす東の男との間で揺れる心や、西への脱出と医師としての使命の狭間等々、繊細な心の機微が映像や音で丁寧に描かれる。
なかなか面白かった。

2013年9月25日水曜日

映画『天使の分け前』

2010年 監督:ケン・ローチ
製作国:イギリス/フランス/ベルギー/イタリア
at ギンレイホール




子供の頃から凶暴な性格のロビー(ポール・ブラニガン)は暴力事件により裁判所から300時間の社会奉仕活動を命じられる。
その社会奉仕活動の指導者であるハリー(ジョン・ヘンショウ)はスコッチ・ウイスキーの愛好家で、ロビーの息子誕生のお祝いに年代物のウィスキーを振舞ったことをきっかけにロビーの才能が目覚めていく。

予告編の紹介で『フル・モンティ』が引き合いに出されていたりするから、すかっとする成功譚なのかなと思ったら微妙に違う。
いや、すかっとする成功譚には違いはないけど、目覚めた才能はそんなに関係ないから。
クライムロードコンゲームムービーみたいな感じ。
はらはらどきどきほろっとしてかなり面白かった。

監督はケン・ローチ。
この人の何気ない日常に潜む温かいユーモアを捉える才能って凄いよな。
※僕が今まで映画見て一番爆笑して記憶に残っているのはケン・ローチの『ケス』のサッカーシーン

主役ロビー役のポール・ブラニガンは背も小さいし美男子でもないけど、演技が自然でひきつけられる。
これまで演技経験0だったのに主役に抜擢されたらしい。

映画『世界にひとつのプレイブック』

2012年 監督:デヴィッド・O・ラッセル
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




あからさまに笑わせようという感じはそんなに無いけど見ていて楽しいラブコメディ。
恋愛物としての盛り上がりもあるし、なかなか面白かった。

ティファニー役は30くらいの女優さんかなと思って、でもどこかで見たことあるなと思ったらジェニファー・ローレンスだった。
2010年の『ウィンターズ・ボーン』ではまだ少女だったのに。。
メイクを濃くして大人っぽくしているからブラッドリー・クーパーと並んでいても違和感が無い。

豪華にも父親役にロバート・デ・ニーロが出演している。
情けないような頼りになるような、お茶目なじいさんがはまっているから凄い。

2013年9月8日日曜日

映画『リンカーン』

2012年 監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




150分っていう事前情報を入れていたせいか、始まった瞬間から眠気が襲ってきて、こりゃぁめくるめくジェットコースタームービーじゃない限り耐えられそうにない、という予感のとおり爆睡してしまった。

リンカーンを演じたダニエル・デイ=ルイスがいい。
サリー・フィールドちゃんが演じた妻が、なんか嫌な感じの女性だったので調べてみたら悪妻として有名らしい。
息子のロバート・リンカーンを演じたのは『50/50 フィフティ・フィフティ』のジョセフ・ゴードン=レヴィット。
タデウスはトミー・リー・ジョーンズだったのか。顔がぼこぼこだったから気づかなかった。

映画『魔女と呼ばれた少女』

2012年 監督:キム・グエン
製作国:カナダ
at ギンレイホール




ストーリーは重い話のはずなのにそんなに重くない。
亡霊が見えるという設定とシーンが幻想的な反面、やや虚構性が勝ってしまった感じ。
というか全体的に、残酷な人生をこれ見よがしに描くわけでもなく、反戦を高らかに謳うわけでもなく、ただ、一人の少女が否応なく巻き込まれる悲劇を静かな視線で見つめ続ける、というスタイルなので虚構性もくそもないのかもしれない。
涙や感動を誘うべく作られているわけじゃないから。
じゃあ冷たい無感動な映画なのかというとそうでもなく、死に近い地平から少女が体験する喜び悲しみ、生と死、激動と安寧、そして恋、は、むやみに感動で流されない分、それはそれでなかなか強烈な印象を残す。

マジシャンだけなんで黒人じゃないんだろうと思ったら、アルビノの少年らしい。

コンゴの情勢とこの映画について、作家の田中真知さんの解説が面白かった。
http://earclean.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-e1d4.html