2014年12月14日日曜日

映画『私の、息子』

2013年 監督:カリン・ペーター・ネッツァー
製作国:ルーマニア
at ギンレイホール




息子を思う母物にはめっぽう弱いのだけど、ちょっとけばい初老のばあさんだしなんか正確悪そうだしで、まったく期待していなかったが、思いのほか面白かった。
母親の息子に対する惜しみない愛情で泣かせるとかじゃなくて、事態はもっと複雑。
愛情にはあふれるが子離れできないような他者に盲目的な母親はうざいし、息子は息子で30超えても甘ったれたガキんちょだという、まったく感情移入のしようがないキャラ設定。
それなのに(それだからこそか)、ラスト10数分は圧倒される。

手持ちカメラがうざいときもあるが、ひしひしと圧迫してくる緊張感や不快感や不安感、そして愛情がなかなか見ごたえがある。
絵にならないおばちゃん二人の愚痴シーンは少し寝てしまったが。

映画『ダブリンの時計職人』

2010年 監督:ダラ・バーン
製作国:アイルランド/フィンランド
at ギンレイホール




言葉を発しようと口を大きく開いた瞬間に無情に小窓が閉められる予告編にもあるこのシーンって、この映画をよく表しているなと思う。
コントのお約束のようなシーンだけど、社会(家族)からはみ出し拒絶される悲哀と少しの笑いが混じったこのシーンは映画全体に広がっていく。
なかなか面白かった。

フレッド(コルム・ミーニイ)の隣人カハル(コリン・モーガン)君の聖性がすごい。
ただのヤク中の自暴自棄な青年かと思いきや、ナイーブで心優しくて無邪気によく笑い、フレッドの心を動かして最後には。。

2014年11月30日日曜日

映画『her/世界でひとつの彼女』

2013年 監督:スパイク・ジョーンズ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




ホアキンはげたな。
舞台は近未来。人工知能型OSが発売されさっそく購入したセオドア(ホアキン・フェニックス)は次第にOSに癒され、OSに恋するようになる。
いやいや、OSだよ?と思いながらも意外とちゃんと恋愛物になっている。

スカーレット・ヨハンソンが声だけ聞くとあまり美声じゃなかったな。でも調べてみると結構好評っぽい。
OSよりかはエイミー・アダムスに惹かれる。

一瞬だけデートする相手役の人がアマンダ・サイフリッドかと思ったけどオリヴィア・ワイルドという人らしい。どっちにしろこういう系の顔の人苦手だな。

街中で一人でハンズフリーでしゃべる男って怖いよね。しかもものすごい笑顔で。

映画『ルビー・スパークス』

2012年 監督:ジョナサン・デイトン,ヴァレリー・ファリス
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




スランプ中の若い小説家の前に、執筆途中の原稿のヒロインが現れるって話。

ストーリー自体はある程度予測もできるし普通なんだけど、嫌味のないおしゃれさでなかなか面白かった。

夫婦役のアントニオ・バンデラスとアネット・ベニングがアクセント、というかなんか強烈だった。
精神科医役にはエリオット・グールド。
ヒロインのゾーイ・カザンは初めて見たけど表情豊かでかわいらしい。エリアカザンの孫らしい。
色白のひょろいスタイルが役にマッチしている主演はポール・ダノ。

2014年11月16日日曜日

映画『グランド・ブダペスト・ホテル』

2013年 監督:ウェス・アンダーソン
製作国:イギリス/ドイツ
at ギンレイホール




1932年、超高級ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」の伝説のコンシェルジュ、グスタヴ・H氏(レイフ・ファインズ)は、その完璧なおもてなしで評判を集めていた。
しかしある常連客の殺人事件と遺産相続争いに巻き込まれ、疑いを晴らすべく、ベルボーイのゼロ(トニー・レヴォロリ)とともにヨーロッパ中を奔走する。
っていうミステリーコメディ。

映画見てこれあの監督だってわかるほど映画通ではないけど、あまりに特徴的だと何人かは分かる。ウェス・アンダーソンもその一人。
壁や天井ぶち抜きまくったシルバニアファミリー的セットのドリー撮影なんて他の監督じゃあまり見ないから。
で、せせこましさと開放感が同居したお約束の演出に加えてラストには大迫力(?)のアクションまで盛り込まれている。
なんか世界中でヒットしているらしい。
それも納得の楽しさ。最初から最後まで満遍なく楽しい。特に最後のロシア人のダンスなんて最高すぎてにやにやしてしまった。むしろあのコサックダンスが全てかっさらっていった。

出演陣がちょい役含め豪華で、なんかもう若くしてウディ・アレンのような位置にいるかのよう。
レイフ・ファインズ
マチュー・アマルリック
エイドリアン・ブロディ
ジュード・ロウ
エドワード・ノートン
ティルダ・スウィントン
シアーシャ・ローナン
トム・ウィルキンソン
ハーヴェイ・カイテル
オーウェン・ウィルソン
ウィレム・デフォー
F・マーレイ・エイブラハム
ビル・マーレイ
ジェイソン・シュワルツマン
etc..

映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』

2013年 監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




1961年ニューヨーク。名もなきフォークシンガーのルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)が金も家もない日々を奮闘する物語。
コーエン兄弟とはいえあまり期待してなかったけど凄い面白かった。
アメリカンニューシネマほどあざとい悲壮感があるわけでもなく、程よくしっとりした肌触りがあるというか。

歌は吹き替えじゃなくて全部本人らしい。
主演オスカー・アイザック。
ヒロインにキャリー・マリガン。

ボブ・ディランがあこがれたデイヴ・ヴァン・ロンクという人の自伝が元になっているらしい。
ボブディラン風の男も最後のほうに出てきてにやっとする。

2014年11月2日日曜日

映画『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』

2014年 監督:矢口史靖
製作国:日本
at ギンレイホール




「矢口史靖監督最高傑作」という予告編の謳い文句が伊達じゃなく本当に面白かった。
(まだ洗練されていない頃の『裸足のピクニック』や『ひみつの花園』の面白さを越えることはないのだろうと勝手に思っていたや)
116分飽きる間もない。

主演は染谷将太。
ドラマの「みんな!エスパーだよ!」のメガネかけた役でしか見たこと無かったから印象が違う。
ちゃちゃらした甘えん坊みたいな風貌の中にある陽気さと、ふっと覗くときがある陰気さが映画監督に人気なのかな。

伊藤英明はほとんど見たこと無かったけど、くそかっこいいなこの人。
本当に昔から林業やっているかのように様になっている。

他、男の俳優では光石研とか柄本明、近藤芳正等なかなか豪華。

で、女優陣がまた凄い。
西田尚美に長澤まさみの2大ヒロインがまさかの共演。
あと映画で初めて見た優香。(伊藤英明の奥さん役だからかしっくりくる)
こんな美人だらけの村ありえないけどあったらいいね。

原作は三浦しをんのベストセラー、らしい。
だから役名が鈴木じゃないんだな。

映画『超高速!参勤交代』

2014年 監督:本木克英
製作国:日本
at ギンレイホール




江戸から戻ったばかりの湯長谷藩(福島県いわき市)が再び5日以内で参勤交代せよと命ぜられる。
飢饉により金もない弱小藩がどのようにしてこのピンチを乗り切るかというエンターテインメント。
笑いあり、恋あり、大立ち回りあり、と。

全てが都合よく進んでいくけど、まあ、息抜きに見るには楽しめると思う。

以下、野暮な話だけど実際どうなんだろうと気になった点(ネタばれ含む)
・女の借金はちゃんと肩代わりしたの?金ないくせに。
・吉原の太夫クラスでもないそこらの旅籠の飯盛女が側室になれるの?
・老中とはいえ、小藩の藩主を普通に殺そうとしていいの?あんな街中で。

2014年10月19日日曜日

映画『それでも夜は明ける』

2010年 監督:スティーヴ・マックィーン
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




監督スティーヴ・マックィーン、ってどういうこと?と思ったら同名の別人のようだ。
10世紀前半に実在した人物の物語。

自由黒人のソロモン・ノーサップ(キウェテル・イジョフォー)は突然誘拐され、南部の農園に売り飛ばされる。
そこから彼の過酷な(という言葉すら生ぬるい)生活が始まる。

134分あるけどなかなか引き込まれる。
首吊りの長回しは、こまめに位置を変えるつま先立ちの不安定感と、わらわら湧き出る無関心の人々やまったく動かない固定カメラの無慈悲さで息が詰まる。
あと、思いのほか低かった渋い美声とか。

製作にも関わっているブラッド・ピットが役得ないい人役でちょろっと出ている。

映画『フルートベール駅で』

2013年 監督:ライアン・クーグラー
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




実際にアメリカで起こった事件に基づく話。
冒頭から当時の実際の映像が使われ、その緊迫感にこっちも緊張する。

事件の被害者の黒人青年の、事件までの一日が描かれる。
この短い時間に青年の過去と、困難な未来への決意と希望が凝縮されている。

娘と走るオスカーの力強いスローモーションが印象深い。