2015年4月5日日曜日

映画『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』

2013年 監督:リチャード・カーティス
製作国:イギリス
at ギンレイホール




日々の一瞬一瞬の時間はかけがえのないものなんだよ、というのを失敗したら何度でもやり直せるタイムトラベル能力という反則どころじゃないチート能力で逆説的に説明するお話。
というお説教的な主題はどうでもよくて、ジャンル的には恋愛コメディなので、なによりヒロインが重要だ。
で、そのヒロインはみんな大好きレイチェル・マクアダムス。
だからまあ面白かった。

主人公の妹キットカット役の子がなかなか存在感があって、奔放でありながら不幸な影が付きまとうその役柄とともに魅力を発揮していた。
リディア・ウィルソンって子らしい。子っていうかもう30っぽいが(born 1984)。

映画『フランシス・ハ』

2012年 監督:ノア・バームバック
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




最近の作品なのにモノクロ使う人ってあまり好きじゃないから警戒していたけど、いやあ、面白かった。
この監督はヌーヴェルヴァーグが大好きなんだろうな。
冒頭のけんかごっこやら踊りながら疾走するシーンとか部屋の調度品とか、雰囲気は1960年代のフランス映画を見ているよう。
なのに舞台はアメリカだしパソコンやら携帯は出てくる紛れもない現代、っていうその違和感も面白い。
主題歌に古すぎず新しすぎないデヴィッド・ボウイの『モダン・ラブ』を持ってくるのも絶妙。
舞台も音楽もすべて1960年代にしたらただの懐古趣味でしかないけど、ヌーヴェルヴァーグの雰囲気の中で現代との対比の他にいろんな要素をちょっとづつずらしていくから刺激がある。
ソフィーのあの変なメガネって今の人かけるの?とか。

そういえば日本も少し出てきて、近年世界中の人が馬鹿みたいに日本大好きと言っている中、東京なんて大嫌いと言ってしまうのも面白い。

主演はグレタ・ガーウィグ。
ソフィー役のミッキー・サムナーはスティングの娘っぽいな。

2015年3月22日日曜日

映画『ショート・ターム』

2013年 監督:デスティン・ダニエル・クレットン
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




アメリカの実名レビューサイトロッテンマイヤー、じゃなくてロッテントマトで驚きの満足度99%を獲得したとかなんとかで、胡散臭いなぁと思ったけど普通に面白かった。
大感動したとか面白すぎて大絶賛するとかじゃなくて飽くまで普通に面白かっただけだけど。
ロッテントマトのこの満足度の基準ってなんなんだろう。
満足不満足の2択の場合、つまらなくなければ満足に入れるから癖の無い映画ならみな100%近くなる気がする。

心に傷を負ったティーンのための短期保護施設が舞台。
問題児の女の子が話の主題かと思いきや(確かにキーではあるが)、そっちかよ!的な展開に。
なんかこういう仕事するのは同じような境遇じゃなきゃ勤まらないと言われている気もする。
スタッフとして入ったばかりの意識高い系の学生の兄ちゃんは馬鹿っぽそうだったし。
この馬鹿な兄ちゃんがもう少しかき回してくれるかと思いきや存在感薄いままだったので寂しい。

最後はほっこりするし見て損することは無い。
特に女性には受けがよさそう。
なんといっても主人公グレイス(ブリー・ラーソン)の恋人のメイソン(ジョン・ギャラガー・Jr)が信じられないくらいのいい奴で女性にとっての理想の男性像に近そうだから。

映画『悪童日記』

2013年 監督:ヤーノシュ・サース
製作国:ドイツ/ハンガリー
at ギンレイホール




原作はアゴタ・クリストフの『悪童日記』1986年。
世界的ベストセラーで、この映画見た人の大半が原作も読んでいてかつ概ね好評の模様。
なるほど、映像もいいし確かに面白かったけど、見終わってなんかすっきりしないというか印象に残らないというかもやもや感が残るのは、俺が原作を未読だからに違いない。
幸せそうな一般家庭のお子ちゃま達が気付いたら危ない子供達になっていた時からついていけていなかったかもしれない。

主役の双子はハンガリー中の学校を長い期間探し続けてやっと見つけた素人の子供達らしい。
無垢そうでいて力強い目つきや大人びた表情等々、凄い子供達を見つけたもんだ。
この役にこまっしゃくれた子役なんか使ったら胡散臭さしか残らないからね。

2015年3月15日日曜日

映画『蜩ノ記(ひぐらしのき)』

2013年 監督:小泉堯史
製作国:日本
at ギンレイホール




原作は葉室麟。
小泉堯史ってなんとなく藤沢周平原作の映画をいっぱい撮っている気がしていたけど、フィルモグラフィー見てみると一本も撮っていなかった。

監督が配役にどこまで関わっているか知らないが、予測するにまあおちゃだ君は製作側の要望かなと思う(いまどきただの時代劇じゃ人が入らないから)。
そして堀北真希はグレーゾーン。
で、それ以外は監督の配役かなと思う。
役所広司、原田美枝子、いいじゃない。
井川比佐志、最高だね。
寺島しのぶ。。。ん?絶世の美女みたいな役。。年配の人には受けがいいのだろうか。寺島しのぶならまだ富司純子に若作りさせてやってもらった方がいいのだが。

小泉堯史ってそんなに見ていないけど、いつも平均以上の映画を撮ってくれるから安心して見る事ができる。
ただ、なんかきれい過ぎるせいか可も無く不可も無くという感じだけど。


見ているとき切腹つながりで小林正樹の傑作『切腹』を思い出した。
きれい過ぎる『蜩ノ記』の対極にある感じ。予告編が落ちていたからはっておく。

2015年3月8日日曜日

映画『舞妓はレディ』

2014年 監督:周防正行
製作国:日本
at ギンレイホール




マイフェアレディのもじりと思われるタイトルのとおり、ミュージカルになっている。
でも役者はミュージカル俳優とか使っていなくて、普通の役者さんが出演している。(ダンスとしては草刈民代がいたりもするけど)
ミュージカルってなんといっても歌やダンスのうまさが重要なんだなぁと改めて思った。
公式ページによると監督は、本格的なミュージカル映画を撮る気はさらさらなかった、歌は役者にしか出せない味があるからそれを出したかった、みたいなことを言っている。
なるほど、ただ、竹中直人あたりからなんか耳障りになってきてミュージカルシーンになるたびにちょっとため息が出てしまった。
主役の少女上白石萌音はよかったけど。
最後の方で上白石萌音が踊りだしたときはその違和感とともにミュージカルって感じで超楽しかった。
あと回想シーンの大原櫻子もよかった。
やっぱり味とかうんぬんの前に歌がうまくないと駄目だよなぁ。

出演者はちょい役含めて有名どころがやりすぎなくらいたくさん出ている。
長谷川博己って始めてみたけど、歌のお兄さんが役者に転向したのかとずっと思っていた。
富司純子はずっと漢字だけ芸名変わったと思っていたけど読み方も「ふじすみこ」に変えていたと今知った。
冒頭の草刈民代の劇はまんま緋牡丹博徒へのオマージュだったね。本人いるけど。
竹中直人が演じた富さんの役名は青木富夫だったらしい。突貫小僧だ。

ミュージカルシーン見ながら思ったんだけど、純和風ミュージカルって今まであったのかな。
歌は長唄、ダンスの代わりに舞、みたいな。
ついでに浪曲師、長唄、義太夫、津軽三味線、琵琶、琴、尺八、雅楽、日本舞踊に歌舞伎役者に能楽師狂言師、なんでもかんでも集めたミュージカルを誰か作ってくれないかな。
盛り上がるかどうかは知らないが。
まあ歌舞伎自体がミュージカルみたいなもんだけど。

2015年2月22日日曜日

映画『誰よりも狙われた男』

2013年 監督:アントン・コルベイン
製作国:アメリカ/イギリス/ドイツ
at ギンレイホール




スパイ映画だけどそれほど小難しくないので面白い。というか傑作。
何よりもち肌フィリップ・シーモア・ホフマンがいい。
予告編にもあるけど銀杏並木かなんかに佇むフィリップ・シーモア・ホフマンを見てよ。
でぷっとした体型なのにこのかっこよさ。
佇まいだけで魅了できてしまう俳優って世界でも数えるほどしかいない。
薬物死か、残念。

CIA役にロビン・ライト。やってくれるぜCIA。
弁護士にレイチェル・マクアダムス。相変わらずえろい。
銀行家にウィレム・デフォー。エリアス軍曹。
イッサ役にグリゴリー・ドブリギン。ひげをそったらとんでもなくイケメンに変身したのでびっくり。
部下のマキシミリアン役にダニエル・ブリュール。『グッバイ、レーニン!』とかの。
アブドゥラ博士にホマユン・エルシャディ。気づかなかったけど『桜桃の味』の人だった。

映画『リスボンに誘われて』

2013年 監督:ビレ・アウグスト
製作国:ドイツ/スイス/ポルトガル
at ギンレイホール




しがない高校教師が偶然から一冊の本に出会う。
その聞いたことも無い作家の素顔を尋ねて突発的にリスボンに訪れた教師はそこで様々な作家の関係者と出会い、事実を紡いでいく。

原作はパスカル・メルシエの『リスボンへの夜行列車』。

シャーロット・ランプリングが久しぶりに見たら年老いたせいか倍賞千恵子にしか見えなかった。
役どころのこじらせたブラコンぶりも倍賞千恵子っぽい気もするし。
でも似ているといっても女優の存在感としてはシャーロット・ランプリングの方が圧倒的だけど。

主演ジェレミー・アイアンズ。
しがない高校教師のわりに渋かっこよすぎる気もするけど、冒頭の一人チェスとかで一気にしがないイメージに。
他、ブルーノ・ガンツも出ている。
ジョルジェっていう重要人物の役どころで、その迫力や人間味に圧倒される。
エステファニア役のメラニー・ロランは超美人。『PARIS(パリ)』や『オーケストラ!』に出ていたらしいが思い出せない。

2015年2月8日日曜日

映画『グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-』

2013年 監督:ニルス・タヴェルニエ
製作国:フランス
at ギンレイホール




車いす生活を送る17歳のジュリアン(ファビアン・エロー)は、彼のことを敬遠しがちな父ポール(ジャック・ガンブラン)に、一緒にトライアスロンに出たいと言い出す。
ポールは昔トライアスロンに出てリタイアしている。
一人でも大変なのにもう年だし、ましてや息子を引っ張りながら出場するなんて考えられない。金もかかるのに失業中だし。
でもなんだかんだで出場するという話。

一応息子も○○に耐えて頑張ったみたいなことになっているけど、実際何もやってないよなぁ。
親子の共同作業・挑戦ってところが、父親におんぶにだっこの息子という図式にしか見えなくなっている気もしないでもないが、自然はきれいだしトライアスロンシーンも熱気が凄いので楽しめると思う。
個人的には父と子の関係をもっと文学的な深みを持たせて静かにぶつかり合わせつつ、そしてトライアスロンには結局出ない、って感じのストーリーの方が見てみたいかな。

アメリカの有名親子チーム・ホイトにインスパイアされて作られたらしい。

映画『ぼくを探しに』

2013年 監督:シルヴァン・ショメ
製作国:フランス
at ギンレイホール




フランス映画のファンタジーものが大の苦手なので、アメリのプロデューサーが手がけ、『イリュージョニスト』のシルヴァン・ショメの初の実写長編映画、っていうので悪い予感しかしなかったが、まあそれなりに楽しめた。
ファンタジー色がそんなに強くないからかな。
にしても106分が異様に長く感じたけど。

ピアニストを目指す青年ポール(ギョーム・グイ)は幼い頃に両親を亡くし、二人の叔母に育てられた。
両親を亡くしたショックで言葉を話せないポール。
耳は聞こえるからか手話もできない模様。
そんなポールはある日同じアパートに住む変なおばちゃんマダム・プルースト(アンヌ・ル・ニ)に怪しいハーブティーを飲まされてトリップする。
このハーブティーには幼い頃の記憶を呼び覚ます効果があり、ポールはこのハーブティーに夢中になる。
いや、ヤク中とかじゃなくてさ、過去の記憶に夢中ってことで。

二人の叔母の若い頃を演じた女優がびっくりするくらいそっくりで、あれ?こっちが本物で叔母の方は特殊メイクでもしているの?と一瞬混乱した。
アニー伯母さんの方を演じたベルナデット・ラフォンは2013年7月25日に逝去している。

マダム・プルーストを演じたアンヌ・ル・ニが誰かに似ていると思って考えていたら、『オール・アバウト・マイ・マザー』でゲイの娼婦を演じた女優アントニア・サン・フアンに似ているんだ。


※以下、ネタばれ

最後、ポールが振り返って父親みたくすごい形相で「わー」ってやるのかと思ったら、「パ・パ」かぁ、ふーんって感じにエンドロール見ているときふと気づいた。
喋ってんじゃん。。