2018年2月4日日曜日

映画『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』

2016年 監督:ロジャー・スポティスウッド
製作国:イギリス
at ギンレイホール




薬物依存から抜け出そうともがくストリートミュージシャンでホームレス青年ジェームズと、偶然迷い込んだ茶トラの猫ボブとの物語。
実話がもとというか、ジェームズ本人が書いた本が世界中で大ベストセラーらしい。その映画化。

拾った猫がアイドル的人気になって、猫や周りの人に励まされながらどん底の生活から立ち直っていく。
ってだけなんだけど、意外とつまらなくはなかった。(別に猫好きでもないのに)

実話が元って取材に基づくとかじゃなくて本人が書いているってところが何か気持ち悪い面もある。
そしてお決まりのご本人登場もあったりする。

ボブは実際のボブなんだね。
それにしても芸達者すぎる。

映画『ブランカとギター弾き』

2015年 監督:長谷井宏紀
製作国:イタリア
at ギンレイホール




イタリア制作で日本人監督で舞台がフィリピン、ってなんだそれというのはおいておいて、なかなかいい映画だった。
長谷井宏紀監督がヴェネツィア・ビエンナーレ&ヴェネツィア国際映画祭の全額出資を受けて制作されたらしい。

ストリートチルドレンの少女ブランカと盲目の流しのギター弾きピーターを中心にした物語。
心温まる感動ストーリーとかサクセスストーリーとかそういう類いのものではなく、かといって説明を省きまくった芸術系というわけでもない。
ごくシンプルにストーリーは進んでいくのに、かなり面白い。
多くを説明しないのに人物描写がいいからかな。
生きるために他人にかまっていられない少年、居場所を守るために奸計をめぐらす小男と意外とそいつの言うことを信頼しているっぽいオーナー、なんかほっこりする路上の女(男)達。

少しネタバレすると、
ラストが主人公の笑顔で終わる映画にはずれは無いよね。
で、ラストの笑顔見て思い出したけど、この映画に大いに好感を持つ要因の一つに僕の大好きな映画『雨上がりの駅で』に雰囲気が似ているからというのがある。
ラストの笑顔も含め少女とおっさんという組み合わせも同じだし。

2017年12月10日日曜日

映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

2016年 監督:ケネス・ロナーガン
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




いやぁ面白かった。
ボストン郊外で一人便利屋として働くリー(ケイシー・アフレック)はある日兄ジョー(カイル・チャンドラー)の訃報を受け取り、故郷であるマンチェスター・バイ・ザ・シーに向かう。
故郷では一人取り残された甥のパトリックがいる。
ジョーの遺言により、リーは自分がパトリックの後見人になっていることを知らされるが、リーにはこの街にとどまりたくない理由があった。

現在と過去がシームレスに入れ替わりながら、ゆっくりと人間関係や過去が解き明かされていく。
といっても謎解きのような感じではなく、最大の謎であるリーがこの街にいたくない理由も中盤には明かされる。
回想シーンは現在とのギャップから何があったのかという興味を引き起こす面もあるけど、どちらかというと回想挟むごとに登場人物達に物悲しい色彩を塗り重ねていくという変化を付けるのに使われている。

息子のようにかわいがっていた甥のパトリックも今や高校生となり、面白いのはいい子というよりなかなかやんちゃに育っているところ。
二股かけたりリーをわがままな理由で遠慮なくこき使ったり。
でもやっぱり父の死はショックだし、将来の不安もかかえている、っていうのがさり気なくシーンとして挿入されたりする。
失った者同士のリーとパトリック。
普通の感動ドラマだったら二人はぶつかりあいながらラストの盛り上がったところでわかりやすく過去を乗り越えてめでたしめでたしになるんだろうな。

脚本が抜群によく、そして淡々と描かれるシーンを何度もぎゅっと噛みしめたくなるような映画だった。

映画『LION/ライオン ~25年目のただいま~』

2016年 監督:ガース・デイヴィス
製作国:オーストラリア
at ギンレイホール




この予告編見た後だと青年期から入って幼少期にいくほうがよさそうだけど、予告編見なかったら先がわからない幼少期から入った方がいい気もする。
ということは予告編がばりばりネタばれしているんじゃないかと思えてくる。

実話に基づくお話。
実話系で最後に本人達が出てくるとなんか泣けてくる。
全体的に長い気もするが、なかなか面白かった。

主演は『スラムドッグ$ミリオネア』のデヴ・パテル。
恋人役にルーニー・マーラ。
それにニコール・キッドマンも出ている。

2017年11月26日日曜日

映画『八重子のハミング』

2016年 監督:佐々部清
製作国:日本
at ギンレイホール




升毅が主演、だと?!って思うけど、この人結構二枚目なんだね。

若年性アルツハイマーを扱った物語。
親が発症したらどうしようと常日頃恐怖にかられるアルツハイマー。
この物語では石崎誠吾(升毅)に胃がんが見つかりばたばたしている最中、妻八重子(高橋洋子)に若年性アルツハイマーの兆候が表れる。
家族に支えられながらも基本は誠吾が八重子の介護を献身的に、本当に献身的に行う。

苦悩は当然あり、だけどなんとなく小綺麗な美談に収まっている気がする。
別に見たいわけではないが、実際にはもっともっと壮絶だろう。
崖に二人で立つシーンも初めの方に持ってきてしまったら印象が薄い。


八重子役の高橋洋子って初めて見ると思ったら、本数少ないけど出演作見るとなかなかのラインナップ。
『旅の重さ』斎藤耕一
『アフリカの光』神代辰巳
『さらば箱舟』寺山修司
etc

映画『人生フルーツ』

2016年 監督:伏原健之
製作国:日本
at ギンレイホール




愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンに居を構える津端さん夫婦。
修一さん90歳。妻英子さん87歳。
「家は、暮らしの宝石箱でなくてはいけない」
趣がありながらモダンな平屋は建築家の修一さん自身の手によるもの。
そしてたぶんそんなに広くないであろう庭には70種の野菜と50種の果実が植えられている。
この夫婦の日々の暮らしぶりが、夫婦の人生を振り返りながら淡々と描かれていく。
だけなのに、すごく面白かった。

この年で腰が曲がっていないって、食べ物によるのだろうか。畑仕事で腰やられそうだけど。
土に枯れ葉を撒いただけでこれでめっちゃ土が肥えるぜと思うけど、さらに巨大なコンポストで作った腐葉土まで撒くし、それも地道にたぶん何年も継続している。
それでもまだもっと土を肥やして次代につなげていかないと、って頭が下がる。

庭が大半だけど、ミニチュアハウスが一番感動したな。
しょぼいものができるのではないかと思っていたら恐ろしいほどの完成度。

生と死をありのままに捉え続けるカメラが秀逸で、そのありのままというのが真摯さと敬意がにじみ出た冷徹さだから凄いドキュメンタリーだなと思う。
東海テレビドキュメンタリー劇場第10弾らしい。
他はどういうのがあるんだろう。

2017年11月23日木曜日

映画『シャングリラ』

2006年 監督:ティン・ナイチョン
製作国:中国
BS2 録画


息子を事故で失くして2年、ジー・リン(チュウ・チーイン)はいまだに立ち直れずにいた。
息子が大好きだった宝探しゲーム、その宝探しのヒントをカーテン裏から偶然見つけたジーはシャングリラへと旅立つ。
シャングリラはチベット仏教の聖地梅里雪山がある町。
当然そこに幼い息子が宝を隠したわけではないのだけど、息子が書いたヒント絵が梅里雪山だったことでジーは取り憑かれたように梅里雪山を目指す。

息子を失くした母親のロードムービー、っていう流れは『オール・アバウト・マイ・マザー』じゃんと思ったけど、それほど泣けなかったな。
ところどころ不気味で意味不明な演出もあったり、ジーが自分勝手すぎたりドジすぎたり(笑える)、展開がご都合主義だったりと気になる点は多々あれど、まあまあ楽しめた。

2017年11月19日日曜日

映画『心のともしび』

1954年 監督:ダグラス・サーク
製作国:アメリカ
BS2 録画


ダグラス・サーク コレクション DVD-BOX 1 (僕の彼女はどこ/心のともしび/天の許し給うものすべて) [初回限定生産]

冒頭のボート事故は音といい叫び声といいまるでウルトラマンを見ているかのようだった。
っていうのは置いておいて、これもまた面白かったな。

大金持ちのバカ息子ボブ・メリック(ロック・ハドソン)は放蕩の毎日を過ごす中、ボート事故を起こす。
蘇生機により一命をとりとめたが、同時間帯にその蘇生機の所有者であるフィリップス医師が持病の心臓発作で命を落としてしまう。
蘇生機さえあれば助かったのに、その蘇生機はバカ息子のために使われていた。
フィリップス夫人ヘレン(ジェーン・ワイマン)と娘ジョイス(バーバラ・ラッシュ)はボブ・メリックの遊び人の噂を知っているだけに怒りをあわらにする。
ボブ・メリックに比べて、亡くなったフィリップス医師は偉大な人物だった。
世界中から追悼の意が寄せられ、多少宗教じみている気もするが信念に基づいた秘密の善行も明らかになる。
やがてボブ・メリックも蘇生機が自分のために使用されていたことでフィリップス医師が亡くなったことを知ることとなり、なんやかんやでメロドラマが始まる。
いろいろ笑っちゃいそうな展開ではあるけれども、ストーリー的になかなか楽しませてくれる。

まあストーリーは置いておいて、目に痛くない程度にさり気なく入るビビッドな色使い、そしてその色使いを千変万化させもする明と暗のコントラスト。
これは映画館で見たほうがいいよなぁ。
いいシーンが沢山ある中、一番好きなシーンは窓から差し込む光の線のみの薄暗いホテルの一室で失意のヘレンをジョイスが慰めるシーンで、途中でジョイスがソファー横そして入り口のランプを点けるのね。
薄暗い部屋に灯るランプの淡く小さな光が映像を変化させ、そしてこの優しい光がジョイスの心を表しているようでもあって非常に美しかった。

録画したのはもう6年前か。
ジェーン・ワイマンとロック・ハドソンの組み合わせは『天はすべて許し給う』と同じだったんだな。

2017年11月5日日曜日

映画『 ラ・ラ・ランド』

2016年 監督:デイミアン・チャゼル
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




大々的な宣伝のアカデミー賞最多6部門とかいう見る気の失せる要素を凌駕するほどの情報監督デイミアン・チャゼル。
恐る恐るという感じで見始めたけど、いやー、面白かった。

冒頭から高速道路での長大なワンカットミュージカル!
“Another Day Of Sun”っていう曲をCMで何度も聞かされて耳慣れている上で見るのもまたいいよね。
最後に初めてカメラがひいた時、奥まで車(車上にダンサー)がびっしり詰まっているのは圧巻で感動的。
もう冒頭で腹いっぱいだ。
その後エレベータの閉まる音から別シーンのドアの開く音につなげる等、冒頭の興奮とテンションを継続しながら導入部のストーリーが音楽的にテンポよく展開される。
で、ふと思う。確かこの映画2時間超えていたはずだけど、こんなテンションで最後までいくなら耐えられないかも。。
と思ったのも束の間、以降ミュージカル要素はぐっと少なくなり、普通の恋愛ドラマが展開される。
こういうバランス感覚が素晴らしい。
各時代のいいとこどりしたような夢のような時代背景の中で展開される恋愛ドラマもなかなか面白い。

全体的にはミュージカル映画でありながらミュージカル要素は意外と少ない。
ミュージカル映画ってテンション高いから疲れるんだよね。だからこのくらいが個人的には丁度いい感じだった。
拙いながらもタップダンスをちゃんと入っていたしな。

映画『カフェ・ソサエティ』

2016年 監督:ウディ・アレン
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




1930年代のハリウッドとニューヨークが舞台。
田舎から出てきた野暮ったい青年が、叔父や兄のつてで華やかな世界に身を置く、、っていうのはただの背景で、メインは恋物語。
昔の男と今の男と昔の女と今の女。

ここ最近のウディ・アレン映画の中では結構面白かった。
そういえば一時期ウディ・アレン映画に出るのが一種のステータスみたいな感じで俳優女優がこぞって出たがっていたけど最近はそういう風潮は収まったのかな。
主演のボビー役のジェシー・アイゼンバーグはどこかで見たことあると思ったらザッカーバーグ役の人だな。
フィル役にスティーヴ・カレル。