2020年6月20日土曜日

映画『イエスタデイ 』

2019年 監督:ダニー・ボイル
製作国:イギリス
at ギンレイホール




ある日突然ビートルズが存在しない世界になった!
っていう設定自体がめっちゃ面白い。
予告編見たときから楽しみで、実際本編もすごく面白かった。

売れないミュージシャンのジャック・マリク(ヒメーシュ・パテル)は幼馴染で親友のエリー(リリー・ジェームズ)にマネージャをしてもらいながら音楽活動を続けていた。
しかし限界を感じて夢を諦めかけたとき、世界で謎の停電が発生する。
そして暗闇の中車に轢かれるジャックwww
目が覚めると誰もビートルズを知らない世界だった。

ビートルズ愛が溢れに溢れている。
映画の中の人物のように初めて聴くみたいなスタンスで改めて聴くと、どれもこれも名曲すぎて新鮮に感動する。

ビートルズのいない世界でビートルズの曲を残す重要な役割を担うのがインド系でスターっぽくはない顔立ちのジャック、ってところが面白い。
劇中でもあなたのルックスが。。みたいなひどいことを散々言われるんだけど、ルックス関係なく曲の素晴らしさだけで売れていくっていう。

ビートルズがいなかったら他のミュージシャンの曲もだいぶ変わってそうだよな。

そしてなによりエリーの可愛さ!
ぽちゃっとして健気でよく笑い可愛くて可愛い。
リリー・ジェームズの最高傑作になるだろう。

エド・シーランが本人役で出演している。
Hey Dude 。。。やってくれるぜ。

最高イメージ戦略会議だっけ、そんな大人数の会議のシーンは面白かった。
だいぶ皮肉をこめてユーモラスに描いているけどアメリカでは実際あんな感じの会議が開かれているのだろうな。

ロバート・カーライルがどっかに出ていたらしい、と調べてみたらジョンか。。気づかなかった。

2020年6月13日土曜日

映画『レディ・マエストロ』

2018年 監督:マリア・ペーテルス
製作国:オランダ
at ギンレイホール




女性指揮者のパイオニア、アントニア・ブリコの伝記。
ニューヨークに住むオランダ移民のウィリー(クリスタン・デ・ブラーン)は指揮者になる夢を持っている。
しかし音楽学校に通っているわけでもないしなんの伝手もない。
それに女性が指揮者になるなんてありえないし笑えるぜ、という時代。
そんな彼女の苦闘の日々と幸運と成り上がり?が描かれる。

139分あるのに飽きなかったものの、そんなには面白くなかったかな。

コンサートホールのスタッフであるのに、会場通路の先頭に椅子をおいて堂々とコンサートを聞こうとするその厚かましさで何こいつって思う。
主人公なのに印象最悪な出だし。
(ちなみにこの行為は最後の方でつながるっていうどうでもいい仕掛けもある)

一番の謎はいかにも裕福なぼんぼん顔したフランク(ベンジャミン・ウェインライト)の一体どこに惚れたのか。
フランクという男自体の魅力が薄いしウィリーとそんなに近しくもなかったのにいつの間にか恋仲になっている。
恋は突然に
ってやつか。
ロビン(スコット・ターナー・スコフィールド)の方が圧倒的にいい奴なのに、って観客は皆憤慨するでしょ。


以下ネタバレ

フランクの結婚話を聞いたときのウィリーの慌てぶりも謎。
音楽を取ったんじゃないのか?
なんでそこで錯乱する?
未練たらたらになるほどの男でもないし。

あと、エンドロールあたりで、世界の偉大な指揮者20人に女性指揮者はいないとか、なんとかかんとかに女性の指揮者はいないとか、つらつら挙げられていたけど、どういう意味?
今でも指揮者は男性が優遇されているってこと?それとも今の時代でも女性指揮者が少ないことから女性は指揮者に向いていないってこと??

2020年3月21日土曜日

映画『パリの恋人たち』

2018年 監督:ルイ・ガレル
製作国:フランス
at ギンレイホール




75分という短さ!潔い。
でも75分でもなんか長い。

主人公アベル(ルイ・ガレル)は同棲中のマリアンヌ(レティシア・カスタ)からひどい裏切りを受けて別れる。
ブチ切れてもいいのにアベルはなんか「へーそうなんだー、じゃあしょうがないね」みたいな淡白な反応。
数年後再会した二人はなんかいい感じになってそこにマリアンヌの夫(アベルの親友でもある)の妹で昔からアベルが好きだったエヴ(リリー=ローズ・デップ)が絡んでくる。

冒頭のアベルの反応が全てを表しているように、アベルって奴は主体がないというか、なんでも普通に受け入れ、怒らず、人の言うままに流され、っていう人物像で、欧米では珍しいタイプなんだろうな。
日本人から見ると別に普通なので、ちょっといらつきながら見るっていう程度だけど。

エヴが怖い。
このくりくりしたくっきり二重の大きな目とか白い肌とか細身の体がサイコパスを際立たせる。
えっ、ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの娘なのか。

監督主演のルイ・ガレルはフィリップ・ガレルの息子。
右頬のほくろがずっと気になってしまった。

映画『真実 特別編集版』

2019年 監督:是枝裕和
製作国:日本 / フランス
at ギンレイホール




木々が風にそよぐ冒頭のシーンから是枝監督って感じで安心する。
日仏合作で舞台はフランス。
主演はカトリーヌ・ドヌーヴ。
共演でジュリエット・ビノシュとイーサン・ホークが夫婦役!
あとリュディヴィーヌ・サニエも出ているたようで、必死に思いだしたら撮影シーンにいた中堅女優だな。老けた。

で、面白かったかというと少し微妙で結構うとうとしてしまった。
あるあるみたいな会話劇も字幕を目で追っているせいかあまり乗れず。
というか結構な映画知識が要求されていて知っていないと楽しめない部分も多々あるように感じる。
カトリーヌ・ドヌーヴが演じるファビエンヌが、実力のある女優は皆イニシャルの姓名が同じなのよ、ってことでグレタ・ガルボ、シモーヌ・シニョレとかあとアヌーク・エーメもそうねとか話しているときに誰かがブリジット・バルドーって言うとファビエンヌが鼻で笑う。
ブリジット・バルドーの演技的評価が一般的にどうなっているのか知らないしそれほど作品も見ていないから分からないが、なんとなくそのグラマラスな容姿だけで人気があったって位置づけなのかな、って想像する。
本当はよく分かっていないのにこの想像で知ったふうにして笑うという気持ち悪さ。
他にも気づかないだけで実はいろんな要素が散りばめられているのかもしれない。
サラに相当するような存在がカトリーヌ・ドヌーヴに実際にいたのかなぁとか。

2020年3月8日日曜日

映画『ガーンジー島の読書会の秘密』

2018年 監督:マイク・ニューウェル
製作国:フランス / イギリス
at ギンレイホール




124分あって、予告編見る感じだと90分くらいで十分そうな話だよなと思って憂鬱だったが、少しも飽きず、なかなか面白かった。

第二次大戦終結後のロンドンで、女性作家のジュリエット(リリー・ジェームズ)はガーンジー島の読書会のメンバー、ドーシー・アダムズ(ミキール・ハースマン)からの手紙を受け取る。
大戦中はドイツ占領下にあったガーンジー島で行われていた読書会やそのメンバーたちに惹かれたジュリエットは彼らに会いに行く。
メンバー達に会ったジュリエットだが、創始者のエリザベス(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)だけなぜか会えない。
エリザベスがいない理由、いない理由を語れない理由とは何か。
その謎が少しずつ顕になるのと、読書会メンバー達の絆が見えてくるのと彼らとジュリエットの交流が深まっていくのが同時に進行していく。

謎といっても聞けば気軽に途中まで喋ってくれる。いい人たちだ。
なにか壮大な秘密があるとかではなくて、いきなり外からやってきた見知らぬ奴に話すにはなかなか突っ込んだ話だからってことみたい。

婚約者のシドニー・スターク(マシュー・グード)は悪いやつじゃないのにな。
ただし顔はなんか嫌な奴なのでこれでよかったのだろう。

それにしても主演のリリー・ジェームズが美しすぎる。
こんな作家いるかよと思いつつも、どの角度から見ても美しくチャーミングなりリーを見ているだけでも124分が足りないくらいだ。

外出禁止の夜中にドイツ軍に見つかった時は、あ、即撃ち殺される、って思ってしまった。(ホテル・ムンバイ脳から抜け出せていない)
即撃ち殺さないなんてドイツ軍優しいな。


今回のギンレイ二作は危険を顧みずに人を助ける繋がりか。

映画『ホテル・ムンバイ』

2018年 監督:アンソニー・マラス
製作国:オーストラリア / アメリカ / インド
at ギンレイホール




インドムンバイの5つ星ホテルが舞台。
2008年に起きた実際起きたムンバイ同時多発テロ事件が元になっている。

めっちゃスリリング!
実話が基じゃなかったら最高のエンターテインメント作品だな。
ゾンビ映画とかトレマーズとかを思い出した。
命がけの鬼ごっこしているような。

人が視界に入ったら即撃ち殺すって、こんな悪役めったにいないでしょ。
そんな犯人達だけど、結構犯人側も詳細に描かれていたりもするところが面白い。
宗教、怖いな。

従業員がお客様は神様ですって言ったのも怖い。
これも一種の宗教だよね。
三波春夫はそういう意味で言ったんじゃないのに。
大体、ホテルの構造とかを知る人間として1人プラスサポートで2,3人残っていればいいんじゃないか。
無理に残ってもただ撃ち殺されるだけのために残ったみたいだ。

一点よくわからなかったのは、特殊部隊がやってくるの遅すぎじゃね。
1300km離れたニューデリーにいる、ってことだけど、東京から鹿児島より少し遠いくらいか。
アメリカから来たの?ってくらい遅い。

内部の情報を何故かリークするバカ客とか、犯人が聞いているかもしれないのにそれを報道してしまうメディアとか、これは実際の話なのかな?

サリー役のティルダ・コバン=ハーヴィーがセクシー。
こういう話なのにセクシー要素も加味するなんてやっぱりエンターテインメントだ。
ちょっと調べていたら、主演のデヴ・パテルと付き合っているらしい。まじか。

2020年2月23日日曜日

映画『第三夫人と髪飾り』

2018年 監督:アッシュ・メイフェア
製作国:ベトナム
at ギンレイホール




19世紀の北ベトナムで14歳のメイ(グエン・フオン・チャー・ミー)は第三夫人として富豪のもとに嫁ぐ。
っていう話。
こういうのって夫人同士の恐ろしい血みどろの戦いが描かれるのかと思ったけど、この風景には例え対比だとしても似合わない。
かといって能天気なだけじゃなくて、この時代の女性の扱い、存在意義、の息苦しさ(生き苦しさ)が主眼になっている。
でもそんな苦悩もこの風景の中では儚い美しさに昇華されるのだけど。
ストーリーというかこの誰が見てもうっとりする映像だけで何度でも見たくなる。

第一夫人は頼れる頬骨ねーさんハ(トラン・ヌー・イェン・ケー)。
第二夫人は魅力的なあごねーさんスアン(マイ・トゥー・フオン)。
で、第三婦人がケロちゃんメイ(グエン・フオン・チャー・ミー)。

冒頭やラストの方等でメイがじっと真正面を見つめる時の表情がすごくいい。
面白かった。


一本目で見た『あなたの名前を呼べたなら』との映像のギャップが凄すぎて一本目の印象が吹っ飛んだな。
インドの雑多な綺羅びやかさがもう少し強ければよかったけどほとんど無機的なマンション内だったし。

映画『あなたの名前を呼べたなら』

2018年 監督:ロヘナ・ゲラ
製作国:インド / フランス
at ギンレイホール




インドムンバイの高級マンションに住む御曹司のアシュヴィン(ヴィヴェーク・ゴーンバル)は住み込みの家政婦を雇っている。
その家政婦ラトナ(ティロタマ・ショーム)は貧しい村の出身で未亡人。村の風習で一生結婚できないらしい。
アシュヴィンは結婚間近だったがいろいろあって婚約破棄。
ラトナは妹の学費を稼ぎつつ自分はデザイナーになりたいという密かな夢を持っている。
気がききすぎるほどよく気が利くラトナ(この辺の描写はさりげなくて巧み)と、ラトナを使用人として差別しない優しいアシュヴィン。
この二人が、、、
ってストーリーの9割書いた気がする。

超高度成長を遂げたムンバイという大都会で生まれた男と昔ながらの風習がそのまま残る村出身の女。
っていう分かりやすい対比だけど、都会側も結構えっ?って感じはする。
日本で言えばタワーマンションの最上階に住んでいるおっさんが若い女性にメイド服着せて住み込みで働かせているようなもんでしょ。
ラトナはメイド服着ないけどさ。
金で雇った女性と一緒に住むっていうのが普通にありえるのはそこに差別があるから。
しょせん使用人は人として見られないから女性であっても手を出すわけがない。
とはいえインドといえばレイプがさかんなのでちょっと心配はしたけどアシュヴィンは紳士。

結局は都会の自由奔放な女より田舎出身の昔ながらの気が利いてよく世話してくれる女がいいよねって話だろうか。
そうじゃなくてラトナだから、という理由に行き着くには二人がどこでどう恋愛感情を育んだのか不明だった。

2つの部屋を壁を通り抜けてカメラが水平移動してアシュヴィン、ラトナをそれぞれ映し出すのはなんか懐かしい。

2020年2月11日火曜日

映画『幸福なラザロ』

2018年 監督:アリーチェ・ロルヴァケル
製作国:イタリア
at ギンレイホール




イタリアの小さな村。
若者のプロポーズのやり方とか、古き風習のいい感じの村。
農園主に収める量がどうのこうのとか話しているので彼らは皆小作人らしい。
裸電球を借り合ったりとか、比較的貧し目だけど幸せそうではある。
この村に皆に頼られているらしい青年ラザロ(アドリアーノ・タルディオーロ)がいる。
いや、頼られているというかこき使われているだった。
「私は小作人を、小作人はラザロを搾取する」
当のラザロはこの状況をなんとも思わず、透き通った瞳のまま皆の幸せが自分の幸せかのように働き続ける。
そんな日々も侯爵夫人の息子タンクレディ(ルカ・チコヴァーニ)がやってきたところから転換点を迎える。
なんか携帯電話が出てくるし、実はこれ20世紀後半の話なのね。
この時代にこの昔ながらの村、っていうのはある理由があって。。

人形みたいなのが落ちていったけど崖下の草木がクッションになったとしてもこれ重症でしょ、ってところからパゾリーニかっていうくらい後半加速度的に寓話になっていく。

聖人。
アントニアが拝むところは泣きそうだ。
貧しいがそれなりに幸せだった村と、それが一瞬で崩壊して放り出された人々のそれぞれの未来。
両時代でなにも変わらないラザロ。

ガリヒョロのタンクレディの末路が一番悲惨だったんじゃないだろうか。あの体型。

『存在のない子供たち』でかなり満足してあまり期待していなかったけど、こちらもなかなか面白かった。
ギンレイの今回のプログラムはどちらも1960年前後くらいの香りがする。

ああ、アリーチェ・ロルヴァケルは『夏をゆく人々』の監督か。面白いわけだ。

映画『存在のない子供たち』

2018年 監督:ナディーン・ラバキー
製作国:レバノン / フランス
at ギンレイホール




レバノンで戸籍の無い12歳くらいの少年ゼイン(ゼイン・アル・ラフィーア)が両親を訴える。
僕を生んだ罪で。。

感動的に仕上げたエンタメ作品かと思ったらそこそこアート寄りで、途中から気を入れ直してみたけど、そんなことしなくても普通に楽しめる。
ストーリーも面白いので。

撮影が6ヶ月で収録テープは520時間になったそうだ。
そこから2時間だからよりすぐりのシーンが選ばれている。
遊具の中央に鎮座するでっかい女性像の服をゼインが開いて胸をはだけさせたりとかさ。
掃除中にそれを見たラヒル(ヨルダノス・シフェラウ)がくすりと笑ってその後の展開につながる。
そういえば急にゴキブリマンが出てきたときはその異質感にびっくりしたな。

主役のゼイン・アル・ラフィーアと、1歳くらいの乳幼児ヨナス役のボルワティフ・トレジャー・バンコレという二人の子役が、奇跡的な演技を常にキープしている。
ヨナスは演技じゃないけど、時折まじかと思うくらい絶妙な演技?を見せる。かわいいな。
この二人を始め、キャストは役とほとんど同じような境遇にいる素人さん達らしい。
驚きだけど、素人子役でこんないいシーン撮れるくらいだから大人の素人役者なんかはちょろいのかな。

かなり面白かった。