2025年7月5日土曜日

映画『悪い夏』

2024年 監督:城定秀夫
製作国:日本
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予告編張り付けてなんだが予告編は見ない方がいいかも。
ネタバレってほどでもないけど、主人公の重大な岐路の方向性が先に知れてしまうし、「クズと悪しか出てこない」みたいな煽りを真に受けて痛快なクライムアクションを想像すると全然違うし。

市役所でケースワーカーとして働く佐々木守(北村匠海)は、ある日同僚高野洋司(毎熊克哉)が自分の立場を利用して犯罪を行っていることを知る。
正義感の塊のような宮田有子(伊藤万理華)と共に被害者林野愛美(河合優実)に会いにいったのをきっかけとして守は愛美と親しくなっていく。
しかし背後では裏社会の人間達がある計画を立てて暗躍していた。

原作は染井為人で、第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作らしい。
なかなか面白かった。
ミステリやサスペンスというかどちらかというとコメディっぽくはあった。原作は未読なので知らないけど。
安っぽいやくざみたいなチンピラ金本龍也(窪田正孝)やその三下山田(竹原ピストル)、金本の女みたいなチンピラ莉華(箭内夢菜)とか、キャラクターや存在自体がギャグっぽい。
「まさかほれたとか言うなよ」って突然察する不自然さもギャグっぽいしな。
理不尽な暴力って怖いよね。今時こんなやついる?っていうギャグみたいな存在の金本が近くでうろちょろしているから、それだけでどこか緊張感がある。
ストーリー展開はまあそうなるんだろうなという予測の範囲で進んでいくからこの緊張感がいいスパイスになっている。
主人公がどちらを選ぶのか、という選択結果の見せ方のスピード感がいい。
そしてラストのカオスはカタルシス。凄い盛り上がる。
宮田さんの突然のチープ展開はなんとなく予想はしていたが笑ってしまった。「潔白さ」はフリなのね。
シリアスから高野や宮田さんで一気にコメディになった後、またシリアスっていう怒涛の展開が楽しい。

イケメン北村匠海も暗い男を演じるとなんか不気味になるもんだな。
三白眼が怖いのかな。というか河合優実や木南晴夏とか三白眼率がなかなか高い。
で、この暗い男のどこに惚れたのかはいまいちピンと来ず。。優しければなんでもいいのか。
裏切られたと思ってやさぐれる子供っぽさ。信じてやれよ。「いいよ、一緒に死ぬよ」にも動じないしなんなのこいつ感はある。

大人たちのぐだぐだにも一切無関心で影響受けない純粋の塊である愛美の娘がある意味常軌を逸しているのだが、その逸脱感がまた天使でもある。
そんなに上手い子役じゃないと思うが、ラストの方のカオスで愛美と目が合うシーンは天使だった。

古川佳澄(木南晴夏)に対応する守のシーンは結構圧巻だった。
現実と夢の境目がよくわからなくなるのは城定監督作でよく見る気がする。
守の変貌の悲しみ、古川への同情、そして守の独白による守の怒りや切なさや絶望の吐露、っていう見ている感情がぐじゃっとする。それにそんな大声出して周りの職員が駆け付けないのかという疑問心配も付いてくる(夢のようなシーンだから途中で職員もいなくなっている)。

金本の登場シーンだけど、めっちゃ弱そうなんだよね。
高そうな赤いスポーツカーからサングラスかけたひょろっとした奴が出てきて偉そうに歩いたりして、明らかに下っ端チンピラがちょっといきっているような雰囲気しか無いし。
山田(竹原ピストル)の方が絶対強そうじゃん。強弱の逆転現象。
後のシーンで金本の腕に入れ墨があるのを見て、やっと、あ、こいつやばい奴、って認識したらまあ怖い。
窪田正孝のあの軽い声の飄々とした演技は、金本というキャラと相乗してギャグと恐怖が裏表で存在するような不思議な威圧感があった。

宮田さんを演じた伊藤万理華は、市役所職員とは思えないほどのかわいさ。
調べたら元乃木坂の人みたいね。
なんかこのPVの完成度凄いな。曲、歌、ダンスが高次元すぎる。
昔のPVなのかな。本当に同一人物?

2025年6月28日土曜日

映画『ガキ帝国』

1981年 監督:井筒和幸
製作国:日本
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とんでもない熱量で駆け抜けていく映画ってたまにあるよな。そんな映画。
大阪って昔はこんなイメージだったわ。
街を歩けば不良に囲まれる、みたいな。

昭和42年の大阪。キタの北神同盟とミナミのホープ会がばちばちやりあっている中、リュウ(島田紳助)、チャボ(松本竜介)、ケン(趙方豪)の3人は徒党を組まずに自由に暴れまわっていた。
リュウと一緒の少年院帰りのジョー(升毅)は大阪での自由を求めて北神同盟に入会する。
ジョーによって北神同盟はますます勢力を伸ばしていき、、

ストーリーは正直よくわからないっちゃわからない。
登場人物が多すぎて誰が誰だったか覚えてられなくて。。
それでもなんかはちゃめちゃで楽しいわ。
ガキがガキ同士でお遊びしているんだけど、思わず殺してしまった時の反応とか、ガキのお遊びの範疇を超えた時の姿がリアルで滑稽。
ガキ同士の遊びにインテリやくざ(上岡龍太郎)が絡んできたりして、ガキのお遊びが汚れていく。

若い紳助が愛嬌あってコミカルでかっこいい。
で、愛嬌という点だと松本竜介がさらに飛びぬけている。この圧倒的小物感よ。
上岡龍太郎はかっこいいな。
趙方豪は初めて見たけど凄くいい表情する。早世していて惜しい。

喫茶店の前でリュウとジョーがそれぞれ反対の道に進んでいくシーンいいよね。仲間になりそうでいてもうこの時点で決定的に決別している。
あと、ゴキブリさんと服部(北野誠)の商店街でのやりとりw
あの服部だとは思わなくてなんどか巻き戻して確認しちゃったよ。凄い変わりよう。
ゴキブリさんの裸革ジャンもいかれている感が増していて笑える。
そんなイキったゴキブリさんも人が死ねば慌てふためいて逃げるガキであった。

大杉漣がちょい役で出ている。富士ホールのマスター。
あとアパッチのリーダーに國村隼。その配下に木下ほうかもいたらしい。

2025年6月22日日曜日

映画『ゾンビランド 』

2009年 監督:ルーベン・フライシャー
製作国:アメリカ
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ホラーみたいなグロありのコメディー。
あ、こいつら死なねーなと分かってからは基本的にゾンビの緊張感はなくただのコメディー見ている感じがした。
ロードムービー要素はgood。
そんなに面白くなかったけど、つまらなくはなかった。

主役のコロンバス役にザッカーバーグのジェシー・アイゼンバーグ。
相棒タラハシーにウディ・ハレルソン!
途中で出会う姉妹にエマ・ストーンとアビゲイル・ブレスリン!
ビル・マーレイの豪邸にお邪魔とか実名使うんだと思っていたら出演までするビル・マーレイ!
っていうようにマイナー映画にしてはキャストが豪華すぎないかと思ったら、これマイナーどころか結構なヒット作らしい。
タランティーノが評価しているとかなんとか。ああ、好きそう。

CGありのスタイリッシュな映像と主人公によるナレーションやらモノローグ、っていう映画に対する既視感が凄いある。この時期そういう映画がたくさんあったからなのかなぁ。

10年後の続編もあるらしい。

2025年6月14日土曜日

映画『逆噴射家族』

1984年 監督:石井聰亙
製作国:日本
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学生の頃に『爆裂都市 BURST CITY』っていうぶっとんだ映画見た以来だと思う。石井聰亙監督作。
前半こそ個性的な幸せ家族のほのぼのコメディみたいな雰囲気だが、後半からぶっ飛んでくる。パンクだわー。

真面目なサラリーマン小林勝国(小林克也)は、妻冴子(倍賞美津子)、息子正樹(有薗芳記)、娘エリカ(工藤夕貴)の家族とともに念願の夢のマイホームに引っ越してくる。
勝国にはある悩みがあった。それは自分の家族がそれぞれ何か人と違う個性を持っていること。
それは都会の団地住まいのせいで、この静かなマイホームでその"病気"は回復するだろうと信じている。
ほどなく勝国の父寿国(植木等)が祝いにやってきてなぜか居座る。
それをきっかけに"病気"は悪化していき。。

小林克也は俳優もやっていたんだな。
風貌や体形は冴えないおじさんなんだけど、最後の方の泥まみれのスーツ(礼服)姿がくそかっこいい。ここにあのイケメンボイスが加わったら最強すぎる。
脚本がもう小林克也を想定して書かれていたらしい。
だからこんなにもハマっているのか。
そういえばシャイニングばりのドア破壊があったな。カットも構図も全然違うけど、マイホームの呪いって感じで捉えると全体的なストーリーもシャイニングに影響受けていそう。ジャンルもテーマも全く異なるが。

工藤夕貴は台風クラブといい変態に愛されやすいのだろうか。
亀甲縛りさせられたり植木等に胸もまれたり(さすがにフリまでだった)って当時12,3歳のはずなんだけどな。

植木等はさすがという感じ。コメディはお手の物だよね。前半から元気すぎるほど元気なのだが、後半はさらに生き生きとしていた。

倍賞美津子は、主婦感を出しながら下品感(色気)も出してはまり役。
きれいな人だよね。千恵子より美津子派。

有薗芳記はサイコパス感が凄い。前野朋哉に似ている。

小林克也に限らず他の俳優もあてがきしたんじゃないかってくらいハマっていた。

シロアリ駆除の薬を抱えて疾走するシーンが音楽もいいし一番好きだな。
電車の中でまで走っているしw
あとは爆発の不思議なまでのカタルシス。の後の全てがリセットされるような静寂。

冒頭の空撮は今だとドローンでもっと無機的にスマートな映像になりそう。
同じような家が整然と並ぶニュータウンの街並みをこれみよがしに撮らずにさらっとだけ映す空撮の不安定なカメラの方が味がある。
都会の病と決めつけ家族を見ているようで全然見ていない勝国。
家族の個性はこんなに理路整然とした空間では余計はみ出して見える、っていう意味ではニュータウンの街並みは結構重要なシーンではある。

原案小林よしのりで脚本にも加わっている。
当時の時代背景が色濃く反映されているみたいね。
マイホームやら受験戦争、アイドル・プロレス、流行歌、それに逆噴射。
ストーリーは社会性があって実は結構凝っているような気もする。
ただどちらかというとコメディやぶっ飛び具合を楽しむ映画かな。
面白かった。

2025年5月31日土曜日

映画『愛なのに』

2021年 監督:城定秀夫
製作国:日本
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河合優実見たさに鑑賞。
これ城定監督なのかとびっくりするくらい今まで見た二作とテイストが違う。
脚本のせいなのかな、それにしても是枝監督並みの自然な日常会話の面白みが全面に出ていて思いのほか面白かった。

河合優実の役どころは30のおっさんに突然求婚するJKっていう役で、演じる子によってはただのやばい子になったりしそう。
いや、河合優実が演じてもやばい子に変わりはないんだけど、なんというか盲目な純粋さとかかわいらしさや芯の強さがさりげなく現れていて、やばいんだけど惹かれる、みたいな絶妙な感じになっている。
凄い子だわ。
セリフで面白いのは「(親なんて)関係あります?私たちに」。全国の親が泣く。恋に盲目な若者の発想なんだけどなんかみずみずしい。「私たち」の片割れがおっさんという異物なのも面白い。
というかこの映画はやばい人だらけだな。
なかでも一番やばいのは正雄君(丈太郎)で、若いとかそういうレベルの話じゃなくてサイコパスに近く人として壊れているw (不倫がましに思える)

「城定と今泉が互いに脚本を提供しあってR15+指定のラブストーリー映画を製作するコラボレーション企画「L/R15」の1本」らしい。
ということは脚本は今泉力哉か。

以下、少しネタバレ


「下手ですよね」のくだりのホテルでの亮介(中島歩)と美樹(向里祐香)の長回しの会話は日本映画史上に残るシーンだった。
会話も仕草も間も完璧で笑えるうえにゾっともする。群を抜いてw
亮介を演じた中島歩は面長のひょろっとした人で、登場時こそうさん臭さをまきちらしたただの脇役かと思ったんだけど、役どころは主役級の一人だった。
喋り方がDAIGOみたいで、それがうさん臭さに拍車をかけていたのに、段々とあの喋り方が癒しになってくる。なんか憎めない奴。
不倫中のプレイボーイ然としているのに「下手ですよね」は結構衝撃的。
一人の女性を想い続ける奥手風な多田(瀬戸康史)こそ、前戯もそこそこ&がん突きの下手の代名詞みたいな感じだったのに(映画の尺の都合もあるが)この逆転現象を誰が予想しようか。
あ、中島歩ってふてほどの安森先生か!

2025年5月24日土曜日

映画『キネマ純情』

2016年 監督:井口昇
製作国:日本
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20数年前に『クルシメさん』を見たきりの井口映画でも見てみるかと適当に選んで再生。
冒頭1分でもう大混乱。
これは厳しいかもと思って挫折しかけたが、怖いのもの見たさで鑑賞を続けて最後まで観た。

廃部寸前の演劇部のJK達が、部員の姉のつてで女子大生ナオミが監督する自主映画に出演することになる。
で、ストーリーはキスは世界を救うみたいな話かな。
少女達の百合であり、唐突にホラーでもあり、ゾンビ映画でもあり、バイオレンスもあり、なコメディー。

ナオミ(中村朝佳)のいかにも芸術家気取りの凡才といった感じがよく出ていて面白いのだが、この目力強くてオーラのあるナオミが後半ではスカートめくられてイヤーンとか言っているのを誰が想像できるだろうか。
展開がぶっ飛びすぎていて、常人の発想じゃないw
自分でけしかけたバイト達をぶん殴っているのは笑った。
あとヨシエが「やっぱ嫌いやこいつ」とアカリをはたくシーンは効果音もあって笑える。

自主映画に初めて参加する際の劇中劇への移行の仕方は上手い。普通に騙されたし。

アカリ役 荒川実里
ヨシエ役 洪潤梨
ケイコ役 上埜すみれ
アキ役  柳杏奈
ナオミ役 中村朝佳

我々はクラスの半分以上が美少女という異常な空間が平然と提示される映画に慣れすぎたのかもしれない。
この映画の登場人物達は中心人物含めてなんと普通なんだろう、というか普通より、、
どの子も個性的というかインパクトのある子達で、それがだんだんとクセになってくる。
上埜すみれが結構いい。客観的に見てたぶん一番かわいくないのだが、コメディエンヌとして見ると一番魅力的。
ヨシエとナオミの最後のシーンなんかよくこの脚本でそこまで感情のせて演技できるなと感心する。

この5人のノーメイクスという名前のアイドル、実際に存在して4年間ほどアイドル活動していたらしい。
「埋もれている才能を持った若手女優を発掘し、映画の主演をさせて少しでも運命を変えさせたい」
ってことで井口昇プロデュースで集められた5人らしい。
たぶんノーメイクスの結成がこの映画より先なのかな。
つまりこの映画は紛れもないアイドル映画だったのか!ちょっと衝撃。
それにしてもラストそんな狭いところで躍らすなよっていうセンスw
はい敬礼!
冒頭の衝撃にも関わらず、最後にはこの5人が好きになっているという

2025年5月18日日曜日

映画『新・少林寺伝説』

1994年 監督:バリー・ウォン
製作国:香港
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洪家拳の始祖洪熙官による子連れ狼。
リー・リンチェイ主演。ヒロインチンミー・ヤウ。

なかなかいろいろとぶっ飛んでいて楽しい。
特に人形の使い方が何かを諦めているかのよう。
冒頭の襲われた村の悲惨なシーンに続く、火櫓に遺体を放り投げるシーンなんか吹き出してしまった。
もう人形なんて隠す気もなくて、重さが一切ない人形が回転しながらスポーンと火に飛び込んでいく様はギャグ以外の何物でもない。
背負った赤子の人形が気になりすぎて戦闘シーンより注視してしまったりw
酸のプールの上につるされているシーンなんかは人形というかもはやただの布切れだったw

死体(と思われている)のおばちゃんの上に平気で腰掛けたり壁に投げつけたりサバ折りしたり、子供たちは自由だなぁ。

毘沙門天像みたいな止めポーズがいちいちかっこいい。
マンティン君もちゃんとカンフーやっていて凄いわ。今どうしてるんだろう。

2025年5月10日土曜日

映画『シャイニング』

1980年 監督:スタンリー・キューブリック
製作国:イギリス
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ステディカムで有名というくらいしか知らなくて、サスペンスかなと思っていたらホラーだった。
しっかしまあ怖い。私がホラー映画に耐性があまりないとか関係なしに終始怖い。映像だったり音楽だったり意味の分からないストーリーとか映像の違和感とか一つ一つが全部怖い。
ホラー映画にありがちな、突然現れるとかどぎつい効果音でびびらせるとかそういうのが全く無く、ひたひたと静かに恐怖を積み重ねる感じ。すごく上品。映像美が凄いからできる芸当。

山間の道路を走る車の様々な角度からの荘厳な空撮で始まる。
タイトルクレジットが邪魔に思えるくらい荘厳。
音楽は幻想交響曲のあのチューバのメロディ。なんだけどどうも幻想交響曲ではない感じ。
調べるとシャイニングのテーマってなっている。えっ?
グレゴリオ聖歌「怒りの日」を編曲したものらしく、幻想交響曲のあのメロディも「怒りの日」の引用らしい。知らんかった。。

撮りたい映像や撮りたい音があってそこに脚本が付いてくるのか、それとも逆か、っていうのを冒頭の空撮やダニーの三輪車のシーン、血の洪水の美しいしぶきとか見ていて思った。

原作はスティーヴン・キングで、原作を改変しまくっているからキングはこの映画版が大嫌いだそうな。
ジャックはアル中で癇癪持ちっていう設定があったのか。
映画見ているとジャックが狂った理由ははっきりと分からないのだが(分からなくても別にいい)、小説だとその辺の説明がしっかりされている様子。
映画と小説では登場人物たちの人物造形が全く異なり、ラストも全然違うらしい。
近年の漫画のドラマ化時の改変とかかわいく見えてくる。

144分くらいの長い版もあるらしい。

有名な映画だから考察している人もたくさんいて、ネットで少し調べるとまあよくそんなん気づいたなっていう話がぽろぽろ出てきてそれはそれで面白い。

2025年4月26日土曜日

映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』

2019年 監督:片渕須直
製作国:日本
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冒頭からなんかやばくて、駄菓子屋前でヨーヨーしている弟にそうそう上手上手って言っている姉でぐっときて、緻密で複雑な人々の動きからウイスパーボイスの歌声が聞こえてきたらもう涙腺崩壊しそうになった。

戦争映画かなとなんとなく思っていたけど、この時代を懸命に生きたすずさんという少女の物語だった。
広島が舞台で、呉への空襲、そして原爆、っていうのは確かに大きな要素ではあるのだけど、焦点はあくまでこの時代を生きているすずさんの物語。
すずさんはとてもほんわかした子で、心優しくそして働き者。
怒った姿なんて想像もできないくらい。
ちょっと聖人もしくは阿呆すぎやしないかという気もするが、それが物語が進むにつれ、ストレスで禿げができていたりとか、感情が爆発したりとか、人間らしい側面が見えてきてどんどん魅力的になっていく。

すずさんを演じたのはのん。まんまのんだった。
最初こそ違和感があったけど、だんだんと馴染んできて他の声では考えられなくなる。
感情高ぶったところのシーンとか凄い。

今少し見返すと本当どのシーン見てもぐっとくるものがある。
登場人物達はシンプルな顔立ちなのに物凄く表情が豊かで、所作の一つ一つも緻密で美しい。

なんか公開時よりシーンが追加された版みたいで168分あった。通常長い映画って耐え難いのだけどこれは終始面白かった。

2025年4月19日土曜日

映画『ルックバック』

2024年 監督:押山清高
製作国:日本
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その辺の映画より何倍も映画っぽく、かつ最高のアニメだった。
冒頭の4コマ描いている後ろ姿の細かさ。貧乏ゆすりや手鏡に映る横顔とか、細かい動き(変化)の全てが繊細に洗練されている。
そんな作画が最後まで続くから凄い。
雨の中藤野ちゃんが興奮して走っているシーンなんか名シーンすぎる。
走っている姿が基本的にどれもいいよな。京本ちゃんの走っているシーンとか二人で走っているシーンとか。
ドアという境界線を挟んでつながる時空。
喪失と再生の物語をこれほど完結に感動的に描いた作品ってそうそう無いと思う。

藤野ちゃんの声がよかったんだけど、河合優実だった。この子なんでもできるな。
京本ちゃんの声も女優さんで吉田美月喜という人。この人もすごかった。